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ヒトの叡智でイスラエルのカラカラを救え!

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イスラエルでは、ここ4年以上干ばつが続き、水不足問題は待ったなし。イスラエルの水がめ・キネレット湖(Kineret lake)では、昨年夏、危険水域に達した。もう一滴の水も無駄にはできないという状況だ。

そんなイスラエルのテレビで展開する公共キャンペーンのCMを見てみよう。画面に映る女性は、部屋とともにどんどんパリパリに乾いていく……。

イスラエルはとにかくカラカラ。イスラエルだけじゃありません。オーストラリア、スペイン、カリフォルニアも、世界中がカラカラです。しかも、「今年、干ばつだったからしょうがない」なんて呑気に言ってられない。もしこの冬、多少雨が多くなったとしても、それじゃ全然ダメ。私たちが使える水は一滴もないの。

イスラエルのカラカラ事情はますます複雑化。水資源の代表格・雨水は、これまで何ら活用されることなくそのまま海へ還り、沿岸部の地下水が溜まる「沿岸帯水層」は、沿岸地域に多くの工場や大きなビルが立ち並ぶにつれ、長年汚染されてきた。山岳地域の地下水の貯蔵庫「山帯水層」も、ほとんど使われてこなかった。

とはいえ、イスラエルは、水技術の先進国であり、海水を脱塩し水資源として利用し始めた最初の国でもある。長年水不足に悩まされてきたおかげで、イスラエルでは、これを解決するための多くの知識・知恵が生まれ、はぐくまれてきた。たとえば、灌漑技術や農業バイオテクノロジーなどのおかげで、農作物が改良され、砂や岩土が肥料に使えるようなった。また、この国では、70%以上の家庭用水が農業に再利用されている。

「今、イスラエルと世界は、水資源、エネルギー資源の危機に直面しています。この問題を深刻に受け止め、みんなで力を合わせて、この状況を変えていきましょう。」

今年の6月開催された「クリーン技術エキスポ」(Israeli CleanTech 2008 Exhibition)において、首脳はこう訴えている。このエキスポでは、水資源・エネルギー資源の環境改善を目指したエコフレンドリーな商品やサービスが多く紹介されていた。

イスラエルにおいて、水不足改善への希望の光は、ほかにもある。

Good Water Neighbourは、Eco peace/Friends Of the Earth Middle East (FOEME・中東の仲間たち)のプロジェクトのひとつ。イスラエル人、ヨルダン人、パレスチナ人から成るプロジェクトグループは、この地域の水資源問題に積極的に取り組んでいる。

この活動は、水資源の環境改善につながるのみならず、異なる背景や衝突を超え、ともに地球を思いやり、協調してアクションする― 共に生きる平和な地球への「はじめの第一歩」でもあるのだ。

翻訳:松岡由希子

Liat Luft-Morito(リヤット・ルフト・森藤)

日本に住むイスラエル人ライター。ヘブライ語/英語で執筆。パートナーは日本人で、マクロビオティック料理講師になるべく勉強中。日本のマクロビオティック料理本をイスラエルで出版するのが目標。