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おしゃべりも騒音も、エネルギー源になる日がもうすぐ到来!?

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Flotografie

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充電器につなげなくても、通話するだけで充電できちゃう携帯電話がお目見え!という日もそう遠くはないな……と思わせてくれるような研究結果が、物性・材料物理学専門誌 Physical Review B で発表された。研究を発表したのは、Tahir Cagin博士率いるテキサス A&M大学の研究者たち。

それにしても、声を電気に変えてしまうなんて、どんな技術だろう?

実はその基本的なしくみは、わがgreenzで紹介してきたダンスフロア発電ダンスチャージャー駅前発電などのグリーンな人力(?)発電とおなじ。

それは、水晶やセラミックの圧電効果。ライターやガスコンロの点火、ソナー、マイク、スピーカーなどに応用されてきた現象だ。

こう書いてしまうと、なじみ深い技術になぜ注目?と思われてしまうかもしれない。それでは、今回の研究について、少し説明してみよう。

研究のハイライトは、圧電体の超小型化によるエネルギー交換効率の改善だ。なんでも、圧電体の厚さを約20ナノメートル(ヒトの髪の毛の約5千分の1の厚さ!)まで薄くすると、エネルギー交換率が従来の100%増しになるとのこと。実現すれば、携帯電話を充電するにはパワー不足だった「声」も、頼りになる電源になる、といいうわけ。

世の中は音であふれている。声で携帯電話を充電する技術が確立してしまえば、高速道路や繁華街や空港やコンサートホールや工事現場などでの発電も夢じゃない!と素人的発想で期待を寄せてしまう。

そういえば学生のころ、「エネルギー保存の法則」というのを習った。エネルギーは、その形を変えることはあっても消滅はしない、という法則だ。ということは、圧電体を通り抜けた音は、ボリュームが減るんだろうか?もしそうなら、音で発電するこの技術、温暖化対策としてはもちろん、騒音対策としても有効!?