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踊って世界を救おう!? ロンドンにエコ・ナイトクラブ誕生!

greenz/グリーンズ ダンスフロア

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Kim Flakstad

ロンドンのキングス・クロスに、世界初のエコ・ナイトクラブ『Surya』が開店した。さて、あなたはどんな店を思い浮かべるだろう?
『Surya』とは、サンスクリット語で「太陽の神」の意。そう聞けば、太陽発電の設備が付いてるのかな?と思うかもしれない。

甘い!

なんと、太陽発電と風力発電はもちろんのこと、「ダンスフロア発電」してしまうのである。この広い世の中には、圧力をかけられると電気を発生する「電圧性結晶」と呼ばれる結晶がある。その結晶の特性を応用して、人がそこで踊れば発電するダンスフロアがつくられた。大勢の人々が踊りまくれば、店で必要とされる電力の6割までまかなえる、と『Surya』の経営者は発表している。ちなみに、太陽発電と風力発電からの余剰電力は、近所の住宅に無料提供される予定だ。

エコと呼ぶからには、省資源や資源循環に貢献する設備も忘れてはいけない。『Surya』は、その点にも配慮している。店内には、再生木材でできたドリンク棚や、古いバスタブからできたソファーが置かれている。照明は、もちろん省電力型。洗面所には、水節約型トイレや自働水栓が設置されている。そして、これはオンサイト設備ではないが、『Surya』のバーから出るガラス、金属、プラスチック、紙類のゴミをリサイクルするためのベンチャー事業立ち上げが進行中だ。

『Surya』のエコな取り組みは、ハード面に留まらない。エコな客には優しく、そうでない客には厳しくすることで、客のエコ意識向上をはかっている。まず、自転車または徒歩で来店すれば、入場料が免除される。そして、たとえあなたがウィリアム王子のような著名人だったとしても、「気候変動抑制のために努力します。」という内容の誓約書に署名をしない限り、店に入れてもらえない。

Dr Earthという名で知られている『Surya』の経営者Andrew Charalambous氏(35歳)は、『Surya』に100万ポンド(約21億円)という大金を投資した理由について、Reuters社に対して、次のように語っている。

人々に説教することをやめて、みんなを巻き込むような包括的な理念を示さないかぎり、気候変動に立ち向かうための革命は永遠に起こせない。これは、人に考える場所を与えるための取り組みでもあるんだ。大企業が同じような取り組みをしたら、どんなことが達成できるか、想像してみてよ。

greenz/グリーンズ  Dr Earth
気になる Dr Earthの姿はClub4ClimateのHPで公開中

ところで、Andrew氏には、年間1億ポンド(約210億円)以上を稼ぐ法廷弁護士という別の顔もある。でも、「やっぱりね。こんなこと、金持ちにしかできないよ」と嘆かないでほしい。

例えば、以前greenzでも紹介した「横浜発.人力発電コンサート Power saving saves the earth.」を思い出してほしい。このイベントで使われたのは、廃品自転車を改造した発電機4台のみ。そして、発電に貢献したのは、来場者だった。「同じ人力発電でも、やっぱり発電フロアがいい!」という人もいるかもしれない(笑)。では、発電ナイトをご紹介しよう。これも、メイド・イン・ジャパンのイベントである。

発電ナイト」は、いわば巡回エコ・ナイトクラブだ。最近では、今年の6月21日に、ポート・タウン・フェスティバルに連動して、横浜の赤レンガ倉庫入り口付近で開催された。使用されているのは、慶應義塾大学内のベンチャー事業支援施設を拠点として、当時修士課程の学生だった速水浩平さんが設立した株式会社音力発電が開発した発電床だ。その仕組みは、『Surya』のダンスフロアに似ているようだ。音力発電はHP上で、発電床のレンタルや、「発電ナイト」のイベント申し込みを受け付けている。

たとえAndrew氏のような金銭的余裕がなくても、エコな音楽シーンを創造するチャンスはいくらでもある。大切なのは、夢を持つこと、そして、自分の夢を信じて動くこと、だと思う。

via ::
Reuters News
BBC News(BBC News)