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ヒトと社会と地球を大事にするビジネス情報誌「オルタナ」No.5発売 特集は「オーガニック 1%の壁」

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ヒトと社会と地球を大事にするビジネス情報誌オルタナの最新号、No.5が発売された。今回の第1特集は、「オーガニック 1%の壁」。そのほか、「社会起業家 ヒト・モノ・カネのつくり方」など。

オルタナの最新号がgreenz.jp編集部にも届いたので、さっそくレビューしよう。第1特集は、日本においてなかなか一般化しない「オーガニック食品」の現状と未来についての考察。特集のリードには、こう書いてある。

日本の農産物のうちオーガニック(有機)が占める割合は1%に満たず、欧州諸国の4%ー10%に遠く及ばない。有機農業とは縁遠いと思われていた中国にも後れをとった。日本でなぜ「有機」が伸びないか。1%の壁を越えるには何が必要なのか。

驚いたのは、日本での農耕作地に占める有機農業の割合が、たったの0.16%であること。これは、欧米諸国はもちろん、韓国(2.01%)、バングラデシュ(1.97%)、中国(0.41%)よりも低い! その理由は、以下の3つの無関心にあるという。

  • 農協の無関心
  • 行政の無関心
  • 流通業と消費者の無関心

1,2は想像が付くが、驚いたのは、3の他国よりも深刻な消費者の無関心ぶり。最近食品偽装のニュースが話題だが、これほどまでに無関心(マーケティング調査会社の調査結果も引用している)とは思わなかった。

とはいえ、上記のような現状を変えるためにはどうしたらいいか、という提言も書かれている。オルタナ編集部は、有機農業活性化のプロセスと題したマトリクスを描き、日本において農家が目指すべきカタチを「成長型有機農家」と定義した。IT技術に精通し、マーケティング技術も駆使しつつ、意識のある消費者と直接つながる、新しい農家というイメージだろう。

そして現在、多く存在する、篤農家、一般農家、大規模農家が、成長型有機農家と変貌するためには「成長は善である」という企業家精神と、ビジネス管理能力、マーケティング技術、そして行政の支援などが必要だ、と説いている。

有機農業の現状と問題点、未来が、とにかくわかりやすくまとまっているのだ。

第2特集は「社会企業家 ヒト・モノ・カネのつくり方」ということで、こちらはgreenz.jpとしても大変参考になる事例がたくさん紹介されている。

今回で5号目となるオルタナは、毎号パワーアップしつづけているようだ。一般向けのふにゃふにゃエコ雑誌に飽きた人や、新しい時代のビジネスを指向する人には、相当に響く雑誌である。

ちなみに、目次はこんな感じ。

第一特集
・オーガニック1%の壁

第二特集
・社会企業家 ヒト・モノ・カネのつくり方

モデル企業ルポ
・ヴェルナー&メルツ:「カエル」に込めた環境への志
・フェアトレードカンパニー:ファッションにもフェアトレードを

ニュースエッジ
・英テスコに「ひじ鉄」 ほか

・ビジネスウェーブ
・FDAが初めて認可したダイエット薬

マーケティング
・もう一つのブランド論:売れなくても「本物」を
・CSR経営論:CSRが企業改革を妨げていないか

オルタナパーソン
・高野孝子(ECOPLUS代表)
環境教育をコシヒカリの地で

ニューススクランブル
・森林保全に特化したカーボンオフセット ほか

フード
・グリーンミシュラン:とかちの…
・グリーングルメガイド:西製茶所「べにひかり」ほか

健康
・KIYOの哲学:菜食主義者でなくても健康になれる
・ホリスティックNOW:なぜ続かない?健康に良い習慣

オピニオン
・環境・CSRリレートーク:社員を巻き込む地域貢献
・私のエコひいき:トラック広告に通行税を

カルチャー
・もう一つの話題作:「いのちの食べ方」
・後書きの余韻:『金融NPO−新しいお金の流れをつくる』

ダイアローグ
・田口ランディ連載「エゴからエコへ」:牛のげっぷ

・私のエコライフ
鈴木大地(順天堂大学 スポーツ健康科学部 准教授)
海のマラソンで自然を体感

トラベル
フランスシャトー巡り
ロスチャイルド家の居城

ショップ&グッズ
・一貨店礼賛:しかけ絵本専門店メッゲンドルファー
・デザイン・コンシャス:フロースデザインのスティック茶こし