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ハワイ島で流れる「カラーニ」の時間(3)

リトリートセンター「カラーニ」滞在中の日本人旅行者にインタビュー
ダイナミックな自然のエネルギーにあふれるハワイ島。その恵まれた自然の中に、環境との一体感を大切にしたリトリートセンター(=保養所)「カラーニ」はある。第1回は施設の概要を、第2回は管理官、ポール・スカッソーニ氏のインタビューをお届けした。今回は滞在していた日本人旅行者のインタビューを紹介しながら、滞在者の生活の様子を紹介していく。

まわりはジャングル! ビーチは真っ黒! 未知のハワイを発見

──お名前からおしえてください。

木本 木本佳明(このもとよしあき)と申します。山口県から来ました。23歳です。

 塩直也(しおなおや)。23歳。福岡に住んでいます。

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左が塩さん、右が木本(このもと)さん

――そもそもどちらでカラーニを知ったのでしょうか?

木本 僕の彼女の友達が2年前にここに来ていまして、その人から話を聞いて、去年の9月に彼女とふたりでここに来たんです。それで今回、3カ月滞在することにして来ました。

――初めてここに来たときは、どうでしたか?

木本 ほんとになにも知らなくて、ハワイって聞くとワイキキな感じのイメージを持っていました。でも来てみるとすごいジャングルで……。雨ばっか降っているし、ビーチは真っ黒だし(注)。最初は違和感がありました。その前の8月に1カ月ほどニューヨークに行っていたんで、よけい差が激しいなあって。

(注) ハワイ島は、溶岩の層の上に地層がのっているので、海辺も黒い溶岩がむき出しだ。ブラックサンドビーチと呼ばれるところもある。

――いきなり来て、困ることはありませんでしたか? 英語はできていましたか?

木本 困ることもありますけど、スタッフがみなさん優しいので、なんとかなってます。英語は……あんまりできていなかったです。

――塩さんは、どうやってここを知りましたか?

 木本君からそういう話を聞いて。ちょうど今年3月に仕事をやめて、また海外に出ていろんなモノを見ようかなと思って……。ハワイはいいなぁと思っていましたし、まずは暖かいところがいいなとも思っていました。そこへ木本君が行くって聞いて、はい、3週間ほど前、7月の半ばにここに来ました。 

――塩さんは、ここに来る前に、海外の放浪の旅とかしていたんですか?

 そんなに行ってないです。沖縄にはよく行っていましたが。今回、こんなに海外で長く滞在したのは初めてですね。

遊ぶのが本気

――どうでしょうか、ここの暮らしは。

 ひとことでいって、エネルギッシュですね。日本人がこう、アメリカ人がこうっていい方すごく嫌いで、優劣をつけたくないんですけど、とにかく本気で遊ぶし、ダンスのイベントのときなんかでもトコトン遊んでいますね。だから「本気で遊ぶ」っていうことの切り替えが僕はまだヘタだなって思いました。今までの人生がちょっともったいなかったなぁ、って。

素敵なボランティア制度=ワークエクスチェンジ

――ここのシステムでは、ワークエクスチェンジ(働くかわりに宿泊場所を提供してもらうシステム)で来た人には、あそこにあるような「Aフレーム」というコテージを与えられるんですよね? 3カ月のワークエクスチェンジで、週30時間くらい働けば、食事も宿泊施設(Aフレーム)もタダで、ワークショップも参加できる……。それで合計150ドルくらいお支払いをするわけですね。

働くスタッフに与えられる「Aフレーム」と呼ばれるロッジ

木本 はい、そうです。僕らは、近所の家を借りているんで、普通と違うんですけれども。時期によるんで、僕は前回1,200ドル払いました。いろいろやらなければいけないことがあって、拘束されますけど、自分がやりたいことをやる時間は充分にありますね。

ファインド・ユアセルフ・ヒア

――カラー二の「ワークエクスチェンジ」は、どんな人にお薦めですか? このマグカップに「Find yourself here」(あなた自身をここで見つけてください)って書いてありますけど、ここは自分自身を見つけられる場所ですか?

木本 そう思います。ここの人は優しいからかまってくれますが、それと同時に本当に自分は何がしたいのかを考えることができます。ここは、自分から動かないといろんな情報が手に入らないんですね……。日本の生活では、家で座っていても勝手にテレビとかから情報がどんどん入って来て……。でもそれって熱くなれないですよね。

 ここは人が好きな人、ヒッチハイクしているのを見るとちょっと気になる人、人に対して興味のある人が多いような気がする。僕もそういう人間なんで。だから、繋がろうと思えばすぐに繋がれる。それが楽しいです。

――この3週間で見つけたことはありますか?

木本 仕事をしていて、ちょっと自信がついた。日本ではいつもみんな忙しくしていて、自分もそうしなくちゃいけないって駆られて、劣等感を感じることもある。でも、ここはそういうことがないし、楽しく仕事ができる。

――木本さんは、ここでどんな仕事をしていますか?

木本 メンテナンスと調理場です。調理の経験もなかったんですけど。

 僕は、調理場の仕事ばっかりです。2年くらいの飲食店経験があったので。

調理場でおどける木本さん
塩さんは、調理場が似合っている

――ここの食事、美味しいですよね。好きです。

 ここの料理長は、結構いいです。半製品(途中まで出来上がっている食品)を使ったりしていませんし、腕のいい人ですよ。デザートなんかは、スイーツ専門の担当がいるし。

――ここは、日本人の観光客が少ないですね。

木本 はい、少ないです。よく来るリピーターの方がホームページで紹介しているんですけど、あまり来ませんね。3カ月いるとひとり、ふたり来るかなっていう程度です。

軽いトランス状態……

――カラーニのいちばん好きなところをひとつあげてください。

木本 僕は、このジャングルのような自然ですね。雨もすごく多いけど、匂いが好きですね。

 僕も自然ですね。夜の星空はいつ見てもスゴイです。コキという小さいカエルが夜に大合唱します。鳥の鳴き声のようなあの「コキッ♪」っていう声が重なると、軽いトランス状態になりますよね。それを聴きながら見上げる夜空、樹の香り、風の音……。すべてがスピリチュアルな感じです。ここは。夜が楽しみなんです。

――最後の質問です。この記事を読む日本の若者達にひとことメッセージをお願いします。

木本 英語ができるととても楽しいし、できなくても楽しいですよ。とにかくここへ来て、なにかやってみましょう!

 どこかで会ったら飲みましょう! ここカラー二に興味のある人と飲みたいですね!!

――ありがとうございました。

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