お宝交換でゴミを減らそう

アメリカ・ミシガン州での粗大ゴミ交換の仕組み
長い冬が終わり、春の気配を感じる頃になると、“TRADE YOUR TREASURES”と書かれたチラシが市から配布される。「お宝交換?」「あなたの宝とお取引き?」……。一体、これはなんでしょう?

“TRADE YOUR TREASURES”。なんだかおもしろそうな響きではあるが、チラシをよく読んでみると、その実態はなんてことはない。粗大ゴミの日を知らせるチラシなのだ。ただ、粗大ゴミ収集日直前の土曜と日曜は、収集にさきがけ、家電品、ソファー、ベッド、改築で不要となった窓やら扉、各種家具類などの大型不用品をそれぞれの家の前に出しておけば、ほしい人は自由にもらって良いという通達が含まれているので、粗大ゴミ収集のお知らせが、“お宝交換”となっている。

「な〜んだ。お宝って、他人の粗大ゴミのことだったのか……」と、がっかりしないでほしい。誰かが粗大ゴミにしようとしているものでも、自分にとって利用価値のあるものならば、それは立派な“宝”と成り得る。「捨てる神あれば、拾う神あり」とはよく言ったもんだ。粗大ゴミとして出せば廃棄処分となってしまうものが、ゴミとなる一歩手前で、市が「お宝交換」を提唱することにより、拾う神がみつかるかもしれないのだ。また、一口に、粗大ゴミの一歩手前と言っても、ライフステージに合わせて家を住み替えたり、改築したりすることが当たり前のここでは、家具もそれに合わせて買い替えるため、結構な大型不要品が排出されるからあなどれない。

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“お宝交換”に出された家具

国土の広いアメリカだけに、日本ほどゴミ問題に対する緊迫感は感じられないものの、粗大ゴミを捨てるには、やはり“お金”がかかる。たとえば、我が家が住むミシガン州中央部に位置する小さな市では、粗大ゴミを出すときには、ゴミ処理代として、一枚10ドルのステッカーをそれぞれの粗大ゴミに貼ることになっている。この10ドルを浮かすためにも、またゴミを出さないためにも、「お宝交換」はありがたい。あらかじめどんなモノを出すか市に報告しておくと、そのアイテムは、市のウェブサイトに掲載されるため、“拾う神”はみつかりやすい。また、捜し物のある人は、どこの家の前に、どんなモノが出されるという情報を事前に確認することができるので、たまたま、ほしいと思っていたものがみつかればラッキー! 即、現場に直行だ。

もともと、アメリカでは、不要なモノでも、使えるものはゴミにせず、ガレージセールで売ったり、全米で知らない人はいないだろう、「グッドウィル」や「サルベーション・アーミー」などの慈善団体に寄付する人が多く、家具をはじめ、古着、家電品など、生活用品のリサイクルは人々の暮らしに浸透している。嫁入り道具として持って来た家具を一生大事に使うという発想が根強い日本人からすると、家具やモノへの愛着は薄いのだろうか? などと思ってしまうが、使わないモノに見切りをつけるのが上手いとも感じる。

あちこちで見かけるガレージセールのサイン

遠くに引っ越す場合には、大きな家具を持って引っ越すより、“moving sale” (お引越しセール)と名付けて、自宅の庭先に売りたい家財道具を並べて売り、身軽になって引っ越し、新天地で新居に合った家具を揃えるというケースも多い。

要らないと思いながらも「もったいない、もったいない」とつぶやきながら抱えこみ、狭い家がより狭く物置と化しているぐらいなら、不用品はリサイクルを通じて再び必要とする人に届けるのも手だ。必要か否かをその都度考え、不要なモノでもゴミにしない手段を見つけることは、使い捨てとは違い、モノを大切にするひとつの方法なのかもしれない。こういう背景があるからこそ、ギブアンドテイクのバランスがほど良く保たれ、この粗大ゴミ収集と並行して行われる「お宝交換」もうまく機能しているようだ。

私たちは、つい際限なくモノをほしがるが、どうせ欲しがるならば、リサイクル品を積極的に取り入れることは、ゴミを生まないことに繋がる。

この”TRADE YOUR TRASURES “もささやかながら、地球のためになっていると言えるのだろう。

うちで使っているガラステーブル、実は“お宝”

ライタープロフィール
椰子ノ木やほい(やしのきやほい) ミシガン・アメリカ在住
1997年に、シンプルライフ、スローライフを求めて家族で南太平洋のサモアに移住。四年間の南国ライフを楽しんだ後、現在はアメリカ・ミシガン州在住。
海外在住ライター広場」管理人
地球はとっても丸い」ウェブ編集人
ぼへみあん・ぐらふぃてぃ