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第10回ロハス会議 PART2

第10回ロハス会議 PART2

前回に引き続き、サンタモニカで行われた「第10回ロハス会議」の様子についてご報告させていただきます。

会議は朝9時から夕方6時まで休憩を入れながら続きましたが、議題が進むうちに、この会議の主旨に疑問を感じ始めました。パネラーとして登場するのは、ロハスビジネスの成功者ばかりで、会社のポリシーにロハスを取り入れて、どれほど会社が業績を上げたかが論点になっていました。また意識調査なども、ロハスをイメージした製品に対する消費者の反応の比較などが主なもので、ライフスタイルを支える“物”ばかり。

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ロハスらしからぬ食事

「おや? 肝心のライフスタイルの“本質論”については語り合わないのかしら」

本当の健康的な暮らし方、持続可能な社会の仕組み、ライフスタイルについてなど、考えることはたくさんあるはず。むしろこれらを議論し合うことが、この会議の基本課題ではないかと思ったのです。思えば、ホテルの食材も“ヘルシー”からはほど遠いものだし、ブッフェスタイルの食べ物も器も散らかり放題。これが“LOHAS”で集まった人たちのすることなのかと、大いに考えさせられました。

そんな折、LOHAS提唱者のポール・レイ氏との昼食会で質疑応答の時間が設けられました。私は勇気を奮い、つたない英語で、「ロハスビジネスについて語り合うのが大会の目的ですか? ライフスタイルについて語り合う機会はないのですか? 私が拝見したところ、お集まりの皆さんがLOHAS的ライフスタイルで暮らしているように見えませんけれど」とお尋ねしました。

すると、「LOHAS的ライフスタイルを取り入れることは大変時間がかかります。おばあちゃんやお母さんたちから学んだことを、子や孫、ひ孫の代まで伝えていくには約250年間もの月日が必要です」とレイ氏。そして、「これからはより“本物”が求められます」とも。

とどのつまり、実生活において健康的な暮らし方、持続可能な暮らし方は難しいということらしいのです。ならば、どうすれば実行可能になるのかを今回の会で取り上げるべきではないでしょうか。そんなことを思いながら、「そうだ! 素晴らしい生きた手本があるじゃないの」とおもわず立ち上がり、92歳の山田まりさんを皆様にご紹介することにしました。

堂々とマイクを手にし、にこやかに健康で長生きする秘訣を話すまりさんに、参加者たちからは大きな拍手が起こりました。この時、私たちは理屈でなく、先人達に耳を傾け、その中から生きる知恵を得ることが本当に大切なことではないかと思いました。具体的な姿に接することでたくさんのヒントが得られるのです。

著者
山田まりさん

昼食会が済むと、数人のジャーナリストが山田まりさんをかこんでいました。その中の一人の女性ジェニファさんは私にも話しかけてきました。

「日本は環境を大切にする国だと思い、東京で就職したことがありましたが、社内の無神経な人たちのモラルのなさにとてもがっかりして帰って来てしまいました」

具体的にどのようなことなのか尋ねてみると、使い捨てカップやペットボトルの使用、安直に買ってくるお弁当など、普段あまり考えずにとっている行動そのものが、彼女にとっては納得できないものだったそうなのです。さらに、マイカップ、マイフォークを持って参加することも大会本部は提案すべきはないかとも言い、彼女の徹底したライフスタイルに感心させられました。

会議の最後に登場したのは、かつて世界にその名を轟かせた反戦歌手ジョーン・バエズでした。スリムな体にさりげない綿のワンピース、素足の彼女は「アメージング・グレイス」を無伴奏で歌い上げました。澄んだ美しい歌声は、私たちが若い頃聞いたものと同じで、その変わらない凛とした姿は彼女の精神の不動な強さを感じさせるものでした。     

ジョーン・バエズ(右端)

「第10回ロハス会議」に参加して、日本の暮らし方の一部を展示し、改めて西洋との違いを再確認しました。そして何より、山田まりさんやジョーン・バエズに会えたことは、私にとって大きな収穫でした。美しい人生の先輩の存在は、道しるべのようなものですから。