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「先端ロボットの世界」展で未来体験!

日本はロボット研究の最先端だが、社会に役立つロボットの創造はどこまで進んでいるのだろうか……
日本のロボット開発の草分け、東京工業大学で最先端の「社会に役立つロボット」を一般公開している。その展覧会に、行ってきた。

ロボットというと、テレビで華やかに踊るホンダの「ASIMO」や、いきなりトランペットを吹くトヨタの「パートナーロボット」みたいな2足歩行型ロボットばかり思い浮かべる人も多いかもしれない。もちろん彼らも最新の技術を結集した先端ロボットなのだが、実際社会で活躍するロボットには人間が活動困難な場所、極限環境での作業が期待される場合も多く、現に多くのロボットがそういった場所で活躍しているという。

この展覧会で多かったのは、災害時に人命救助をサポートするロボットや医療・福祉で活躍するロボット、惑星探査用のロボットなど。今回の展示にはなかったが、砂漠でひたすら植林してくれるという涙ぐましいロボットもいるそうで、当然ロボットの姿・形もそれら多様な作業環境に応じてさまざまなのだ。

例えば、地雷探知・除去作業型の4足歩行ロボット「TITAN-IX」は蜘蛛型、エアーサスペンションをうまく利用して障害物をジャンプする4輪ロボット「エアホッパー」はバッタに似た姿で、空中を飛び跳ねる一発芸を見ると、どこかしら愛らしさを感じてしまう。

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地雷除去ロボット TITAN-IX
エアホッパー(右)とローラーウォーカー(左)

生活レベルで実用的なものだと、自動車のジャッキを災害救助用に改良した救助用ジャッキや自転車のペダルを漕いで効率よくエネルギーに換える空圧ポンプなど。わずかな瓦礫の隙間をこじ開けて救助をサポートするビデオデッキサイズのロボット「bari-bari-I」は地味ながら縁の下の力持ちといった風情。

瓦礫の隙間をこじ開ける bari-bari-I
水陸両用ヘビ型ロボット ACM-R5

ほかにも90年代に開発された壁面吸着移動ロボット「NINJA」や座布団型で全方位移動可能なマシン「The Vutton」なんてのも。実際のヘビの動きを研究して作られ、愛知万博にも出展された水陸両用ヘビ型ロボットなんかはきれいな流線型を描いて泳ぐ様が美的ですらあって、本物の生き物かと見紛う、その滑らかな姿態をぜひ一度ご覧頂きたい。(水陸両用の泳ぐ姿は展示用に用意されたビデオでのみ閲覧可能。陸上用のヘビ型はデモで見れるけどこれもすごい!)

そもそもロボットが初めて登場したのは、チェコの作家カレル・チャペックが1920年に書いた戯曲の中で、その語源がチェコ語で「労働」を意味する単語「ROBOTA」だったことを考えると、人間の想像力ってものの重要性を改めて考えさせられる。せっかくならロボットたちだって軍事目的の労働より社会に役立つ仕事に励んだ方が喜ぶはずだ。そんな風につい肩入れしちゃうくらい愛嬌あるロボットたちを作り上げた東工大の教授や学生、研究者たちに賞賛のエールを送りたくなるこの展覧会、期間中は毎日11:00と16:00に動作デモンストレーション有り。随分興味深げに動くロボットを眺めてた子どもたちの中から未来のロボット科学者が生まれるかも。

ちなみに『「夢のロボット」- 私の考える役に立つロボット – 』のテーマで募集した小・中学生の作文+イラストの展示も子どもながらの想像力がさまざまで楽しい。

「先端ロボットの世界」展 〜社会に役立つロボットの創造〜
2006年7月22日(土)-7月30日(日) 10:00 – 17:00
東京工業大学大岡山キャンパス 百年記念館1F展示室
会期中休館日なし/入場無料

東京工業大学百年記念館第8回特別展示・講演会ポスター
www-coe21.sms.titech.ac.jp/Japanese/Event/Data/robot_060722.pdf