年間に発生する殺人事件は700件以上。シカゴの治安が悪いエリアを平和にし、非行少年を救うキャンプ「Increase The Peace Campaign」

みなさん、今年の夏休みはどこへ出かけましたか?

日本は雨の多い夏でしたが、バーベキューや海水浴や花火など、アウトドアを存分に楽しんだ方も少なくないはず。中には、家族や友だちとキャンプに行かれた方もいるのではないでしょうか?

夏〜秋がベストシーズンの楽しいキャンプ。実は、あるまちが生まれ変わるための手段として使われているんです。

キャンプに参加する若者たち

その舞台はアメリカ・イリノイ州の都市、シカゴ。実は1年間に発生する殺人事件が700件以上、発砲騒ぎは3000件以上と、犯罪が非常に多く発生しています。(出典元

そんなシカゴではじまったプロジェクトが「Increase The Peace Campaign」。特に犯罪や暴力が起きているエリアで、地域住民が共にキャンプをして平和を目指す活動です。

約50人の青少年ボランティアが中心になり、地域住民70〜100人ほどが集まって行われるこのキャンプ。平和行進、無料の食糧供給、音楽、ゲーム、ダンス、スポーツ、焚き火、金融リテラシー、平和構築などのワークショップが、ギャングの最も活動的な金曜日の17時から翌朝の5時まで開かれます。

平和行進の様子。この時は70人以上の参加者が!

コミュニティ活動として、道端でチェスを遊べるオープンスペースを設置。

活動は開催日1週間前から、青年ボランティアによる準備とともにスタート。会場となる地域を掃除したり、近隣住民に対してキャンプへの招待を行い、当日にむけてぬかりはありません。

このキャンプの大きな特徴は、犯罪に対してデモで対抗するのではなく、犯罪の温床となる場を地域住民が楽しむ場に変えること。”デモ”と聞くと、過激さを連想して参加するのをためらう人もいるはず。でも、キャンプとして招待することで、多くの人が気軽にまちの平和について考えられるようになりました。

地域を掃除することにより、地域に貢献したいというアツい気持ちが伝わる。

シカゴ市長のラームさんも公園でのイベントに参加!

キャンプを引っ張る多くのシカゴの若者たちは、彼らなりにまちの問題に向き合っています。犯罪に加担しやすい年代の若者たちが、楽しみながらボランティアを行える場をつくる。すると、彼らは自分のエネルギーを非行に使うのではなく、まちのために使うようになってきたのです。

警察と協力して食糧配給する若者たち。まちに貢献する姿は最高にクール。

このプロジェクトを進める団体「The Resurrection Project」の共同設立者Berto Aguayo(以下、ベルトさん)も、昔は不良少年だったそう。

ギャングメンバーだった僕はシカゴで何度も死の危機に直面したよ。しかし、僕はまちに貢献するボランティアをすることで、今のように更生することができた。きっとどんな若者も、僕のように人生を変えることはできるはずなんだよ!

「The Resurrection Project」の共同代表であるアグアヨさん

犯罪や暴力を直接的に抑圧するのではなく、キャンプを通して多くの人が平和について考えることを促した「Increase The Peace campaign」。

自分のまちで起きている問題を当たり前だからと流すのは、簡単なこと。しかし、「自分もまちの一員だ」という意識を持ち、もう一度目を向けてみてはどうでしょうか?

例えそれが犯罪や暴力でなくとも、ゴミ捨てのマナー、騒音、ご近所さんとのコミュニケーションなど、あなたが住む地域をよりよくする要素はいくらでもあるはずです。
 
[via FASTCOMPANY,chicagoist,resurrectionproject]

(Text: 大林碧)