ホームレスを助けたい。でも私に何ができるだろう? パリのプロジェクトチームが考えた、まちとホームレスをつなぐデザインって?

まちを歩いていると、ホームレスの人びとと出会うことがありますよね。そんなとき、彼らの力になりたいという気持ちを抱いても、どんなふうに協力してあげれば良いのかわからず、結局見て見ぬふりをしてしまった・・・そんな方は少なくないと思います。

では、彼らとどのようにコミュニケーションしていけばいいのだろう?
ホームレスの人びとが、まちで居場所を見つけるために、どんな手助けをできるだろう?

そんな問いが浮かんだ、パリのプロジェクトチーム「Le carillon(カリヨン)」が始めたのは、市民とホームレスがコミュニケーションできるステッカーをデザインすることでした!

ステッカーを目につく場所に貼ることで、「ホームレスを歓迎する」という意思表示になっている

この青色のステッカーが貼られているのは、レストランやカフェ、美容院など様々なお店の窓。その種類によって、ホームレスの人たちは生活に必要なサービスを無料で受けることができるのです!

携帯を充電する。
コップ一杯の水を飲む。
メールを送る。
食品の加熱。
散髪。

サービス内容は実にさまざま! 中には、「おしゃべりの相手になる」というサービスもあり、ホームレスの人びとの心の居場所をつくることにもつなげています。

おしゃべりステッカー(左)と、電話、メール、緊急箱、メール、トイレなどのステッカー

このステッカーを媒介としたコミュニケーションを生み出すことで、パリ市民の「助けてあげたいけど、何をすればいいのだろう?」という悩みの解決はもちろん、ホームレスの人びとは安心して支援を求めることができるようになった様子。

参加店の中には、特定の商品を購入したお客さんに食事などの無料クーポンを配布している店もあります。このクーポンをホームレスの人に直接手渡しすることで、お客さんとホームレスのコミュニケーションをも生み出しているのです!

パリ11区を中心に、277の商店が参加

このプロジェクトを始めたLouis-Xavier Leca(以下、レカさん)は、11区に住む市民の一人。

以前から「何かできないか」と思いつつも既存の活動がなかったため、商店街の店主に呼びかけて、自分自身で立ち上げることを決意したそう。

以前から私は、路上で生活する人々に出会った時に無力感を味わっていました。

一部の店は既にホームレスの支援をしていましたし、ホームレスを助けたいという気持ちを持つ人びとも多くいましたが、何をすべきか分からないという店もあったのです。

だから私自身が行動して、何かを変えることができないかと思いました。そこで、お店も市民もホームレスの支援をすることができる仕組みとしてステッカーをデザインし、このコミュニティを広げていくことにしたのです。

レカさん

日本では、ホームレスの人に対して炊き出しの活動を行っている団体などはあるものの、地域が一体となり日常的に支援をするという事例はまだまだ少ないのが現状。このステッカーのように、地域全体がホームレスとの関係をつくることで、問題解決のために前進できるはず。

あなたも、まずは自分の意思表示をしてみることから始めてみませんか?
最初のひとりの力は小さくても、コミュニティが持つ大きな力を目撃するきっかけになるかもしれませんよ。

[via Fast company,Le carillonVICE NEWS,CITY LAB,Nordeclair, trendhunter]

(Text: 市川里穂)