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かっこよさ=トレンドなんて単なる思い込み! 自分らしいおしゃれこそが、世界へのギフト。「Bioneers」エシカルファッションスナップ②

エシカルとは、英語で“倫理的な”、”道徳的に正しい“という意味。そしてエシカルなファッションとは、地球環境、労働状況、社会問題に配慮した装いのことです。

…え、それって具体的にどういうもののこと?

例えば
1. フェアトレードなどの生産者の賃金や労働環境を守る製品
2. 有毒農薬や化学薬品を使用しない環境に優しいオーガニック・コットンなどの素材を用いた製品
3. リサイクルやエネルギー問題に取り組む製品
などが含まれます。

とはいえ、かつてエシカルな世界とは真逆な生活を送り、毎シーズントレンド服を買いまくっていたワタクシ、土居彩。実際のイメージがよくつかめません。そこで地球や人に優しいオシャレのコツを探るべく、「Bioneers」参加者からエシカルファッションとは一体なにぞ? と学んで参りました。

土居彩
編集者、ライター。株式会社マガジンハウスに14年間勤務し、anan編集部、Hanako編集部で編集者として、広告部ではファッション誌Ginzaのマーケティング&広告営業を勤める。幸福心理学を学ぶために退職し、幼児用絵本から英語学習を開始。現在はカリフォルニア大学バークレー校心理学部BSI研究室で丁稚見習い中。
退職後の波乱万丈な毎日をリアルに綴ったananweb連載:『会社を辞めて、こうなった
Twitterアカウント: @AyaDoi1

ちなみに、取材時に私が着用していた「DOCKERS」のシャツは、「ドネーション・ボックス」でゲットしたもの。「ドネーション・ボックス」とは、不要になった衣類や小物などを寄付・共有し合うため、地域に設置された箱のこと。私も寄付したり、使わせてもらったりと活用中。焦げ染みがあった胸ポケットを取り、さらにお気に入りのデザインにチェンジ!

シリーズ第2回目の今回は、”みんながビヨンセになる必要はない”と、ドレッドヘアを活かした“自分の個性を輝かした装いこそが世界へのギフト”だと教えてくれたアーバンパーマカルチャー教師のパンドラさんなどが登場です!

01.
不当労働を強いた製品は、着ない。

マイケル・ヴェントゥラさん
(Sub Rosa CEO)

「Bioneers」では予想外(失礼)! 蜜に誘われる蜂のように、モードでスタイリッシュな香水の香りに誘われた先にいたのは…。雑誌『WIRED』とウィスキーブランド、ジャック・ダニエルズが注目する起業家のひとりに選ばれたというマイケルさんです。

彼は最先端のデジタル技術やメディアアートを使い、組織やブランドの企業戦略を提案する経営者。まさにNYコレクションスナップ常連のようなマイケルさんが会場にいたワケは、「エンパシー(共感力)をビジネスの基盤と考え、持続可能な未来の企業デザインをBioneersの叡智から学ぶためです」。

化学染料ではなく藍染め、素材はオーガニックコットンと素材にこだわるだけではなく、「生産者に不当な労働を強いたものは買わない」というのがマイケルさんにおけるエシカルファッション。

02.
黒人女性としての美しさを表現。

パンドラ・トーマスさん
(パーマカルチャー教育者)

「みんながビヨンセになる必要は無いと思うの」というパンドラさん。「Bioneers」への参加は今年で10回目だというパーマカルチャー教育者だ。農業や社会のなかで自然の生態系を熟知し、それぞれの役割を十二分に果たせるシステムデザインを提案する彼女が考えるエシカルファッションとは、「髪の縮れを化学剤でストレートヘアーに伸ばしたりはしません。だって、そのままの自分の美しさ、黒人女性としての個性を輝かすことが世界へのギフトだと思うから」。

必ずモノづくりへの姿勢やその背景に共感できる製品をセレクト。「信頼できる友人のお店や、この首飾りもそうですが、地域支援の意味も込めてローカルアーティストの製品を購入しています」

03.
廃材ワンピースで、
水の保全を呼びかける。

サラ・マントロープさん
(学生)

「Bioneers」では無料で参加できるイベントもたくさん。そのひとつであるトラッション・ショーに出演していたサラさん。

「トラッションとは廃材を再利用してつくったファッションやアートのこと。これからそのファッションショーに出るのよ。このワンピースは要らなくなった交通標識でつくったの」。

カリフォルニア州とネバダ州の越境のタホから来たという彼女。タホは、アメリカ先住民の言葉で「大きな水(湖)」という名を持つ場所だ。そこでワンピースにメッセージを込め、水を大切にしようと呼びかけている。

ネオンピンクのワンピースに書かれた元道路標識”Works Ahead”とは本来「前方工事中」という意味。これを「未来に向かって、働こう」と暗示的に使い、水資源・エネルギー保全を訴えている。バックスタイルもSOSマークを活かして利用。

アンアン編集部を辞めて渡米して以来、「あー、コレコレ」と久しぶりに嗅いだ“ちょいワル(もう古いですか?)”な香りのパフューム。取材時終始ジェントルマンだったマイケルさん(帽子を取ったり、コートを着せたりあらゆるオファーにも快く対応してくださった。いいひと!)が既婚者と知るや、若干テンションが下がってしまったというまだまだエシカルから程遠いワタシ…。邪念にあふれた取材2日目が幕を終えました。

第3回に続く!

(写真: Hiromi Bower Ui)

– INFORMATION –

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