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寒い部屋を暖かくしたい。でも、電気はなるべく使いたくない。そんなあなたの悩みに応えてくれる、小型キャンドルヒーター「Egloo」

関東では異例の11月の降雪など、いよいよ冬の訪れを感じる今日この頃。この季節は暖房器具を使うことで、電気代の出費が多くなってしまいがちですよね。“できる限り電気は無駄に使いたくないけど、ちゃんと部屋を暖かくしたい”、そんな風に思っている方もいるのではないでしょうか。

そんな悩みを持ったイタリア人若手デザイナーのMarco Zagaria(以下、マルコさん)が考案したのは、電気を使わない小型ヒーター「Egloo」。一体、どんなものなのでしょうか、さっそく見ていきましょう。
 
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「Egloo」が電気の代わりに使うのは、たった4つのキャンドル。使い方も簡単で、ドーム状の「Egloo」にキャンドルを置いて火をつけるだけ。5分後には内部が最高温度に到達し(約76~93℃)、30分後には、周囲20平方メートルの室温を1〜3℃上昇させ、5時間程度は暖かさが持続するといいます。
 
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使用するのはティーライトキャンドルを4つだけなので、費用もほとんどかかりません!

「なぜこんな簡単な仕組みで、電気を使わずに室温が上がるのだろう? きっと複雑な構造になっているのでは?」と思う方も多いことでしょう。

でも実は構造もシンプル! 部品になっているのは、キャンドルを置く受け皿と、キャンドルの燃焼に必要な空気が入るためのスペースをつくる鉄製のグリル、そしてそれを覆う2つのドーム状のカバーだけです。
 
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2つのカバーのうち、内部のカバーは高温の熱を蓄積し、外側のカバーとのスペースに熱を滞留させ、そこで外気と熱の交換が行われるようになっています。

2つのカバーがあることにより、触っても熱くなく、火傷の心配もなく安心。素材には、イタリアの庭などでよく使われる素焼きが使用され、他の素材と違って急速に熱を蓄積し、ゆっくりと熱放射をすることができるそう。
 
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構造を示した図。クリックで拡大。

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ちょっと手元を暖かくするにもよさそうですね。

重量も1キロ程度と軽く、大きさも20センチ程度。部屋の中でもテラスでも邪魔にならないサイズですし、インテリアにするのも良さそう。

キャンドルヒーターはインターネット上で簡単にできるDIYとして近年話題となっていましたが、自分でつくる難しさと安全性を考えてなかなか実践できない方もいたのではないでしょうか。「Egloo」ならとても安全で、簡単に試すことができそうです。

たった4日でクラウドファンディングが目標金額に到達!

家庭での電気の無駄な使用を深刻な問題だとし、安価で環境に配慮したエネルギーを利用して電気の使用を押さえられないかと考えていたマルコさん。ローマの国立芸術学院の学生だったときに、この小型ヒーターの開発を始めたといいます。
 
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「Egloo」のデザイナー、マルコさん。

2014年の12月にIndiegogoでクラウドファンディングを実施すると、なんとたった4日で目標金額に到達するという大人気ぶり! おおよそ1か月半で、目標額の約5倍のファンディングを達成しました。

クラウドファンディングに協力した方たちからは、こんな喜びの声が上がっています。

アメリカのユーザー とっても美しい! ヒーターとしてだけではなく、アートとして自宅で使っています。私の友だちもとても素敵だと言っていて、ヒーターとして使った時はさらに感動します!

イタリアのユーザー 「Egloo」がひとつ届いて、とっても気に入っています! 早速2個目を注文してしまいました。

現在「Egloo」は、公式ホームページを通じて日本から購入することも可能です。素焼きを含めて11通りのカラーバリエーションがあり、ひとつ60〜90ユーロで販売されています。簡単に部屋を暖かくできますし、防災用に持っておくのもいいかもしれませんね。
 
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ちょっと手元を暖かくするにもよさそうですね。

最近、多くの国でエネルギー問題の取り組みが活発化し、電気のつくり方や使い方が話題になっていますが、電気に頼りすぎない暮らしのアイデアを生み出すことも大事なのではないでしょうか。

マルコさんが「電気を無駄に使わずに、部屋を暖かくするには?」という問いをきっかけにアイデアを生み出したように、身の回りを見回してみて、当たり前と思いがちなことに対して問いを立ててみませんか? プロダクトを生みだすのは大変ですが、暮らしを良くするグッドアイデアが生まれるかもしれませんよ。

[via inhabitat, ecowatch, egloo]

わたしたちエネルギー」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクト。経済産業省資源エネルギー庁GREEN POWER プロジェクトの一環で進めています。エネルギーを減らしたりつくったりすることで生まれる幸せが広がって、「再生可能エネルギー」がみんなの“文化”になることを目指しています。