ISSUE 働き方

2 months ago - 2016.07.23

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クリエイティブな仕事をするのに、特別な場所やお金はいらない。自宅を一日限りのコワーキングスペースに変身させる「Hoffice」

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こちらの記事は、greenz peopleのみなさんからいただいた寄付を原資に作成しました。

在宅勤務やノマド、そしてリモートワーク。最近、オフィスに毎日通勤するのではない、新しい働き方が注目されています。みなさんの中にも、すでに実践されている方がいるかもしれませんね。

とはいえ、自宅やカフェでの仕事は、時に集中力を切らしてしまったり、同僚と同じ空間にいないので孤独を感じてしまうという方もいるのではないでしょうか。実は、私もそんなひとりです。

孤独で、時に非生産的になりがちな自宅作業を「新たな出会いとアイデアを生みだす時間」に変えるためにどうしたらいいか。スウェーデンで展開されているプロジェクト「Hoffice」にヒントを見つけました。
 
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「Hoffice」の参加者たち。仕事の間は、時計の針の音やキーボードのタイピング音以外は聞こえないほどに集中している様子。

「Hoffice」の仕組みは、いたってシンプル。だれかの自宅をコワーキングスペースとして1日開放して、人々が集まって一緒に仕事をする、というものです。

各都市のFacebookグループで、いつどこの家で「Hoffice」が行われるかといった情報が共有され、参加希望者はFacebookイベントに参加表明をしたり、メッセージを送って家主とコンタクトをとることで参加ができます。

参加料は無料ですが、参加者たちはコーヒーやスナック、ランチなどの差し入れをもって、当日の朝に集合。作業をする場所は、リビングのソファやキッチンテーブルなど自由。それぞれが落ち着ける場所を見つけて、仕事をはじめます。

家で仕事をスムーズに進めるためのルール

Facebookグループに参加している、さまざまな職種の人があつまる「Hoffice」では、参加者それぞれの目標を達成するために、統一ルールが設けられています。

まず、家を利用できる時間は朝の9時から17時まで、参加や退席のタイミングは自由です。作業の時間は、集中力がつづくように45分で一区切り。その後、15分の休憩になります。このリズムを参加者全員が守り、仕事をワークショップのように進行していくのです。
 
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休憩の間は、参加者はおしゃべりやエクササイズやゲーム、瞑想、あるいは外に出て、リラックスすることも。

毎休憩後、次の作業を始める前に、参加者は次に取りかかる仕事の内容を全員に説明。作業時間が終了すると、その目標をどこまでクリアしたか発表します。このようなファシリテーションが行われることで、参加者の集中力を向上させるだけでなく、フィードバックによって新しいアイデアが生まれることもあるそう。

「Hoffice」に参加者した、都市プランナーのAndreas Wolfさんは、「Hoffice」にいることは、どんなタスク管理アプリよりも仕事をはかどらせると話していました。
 
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作業時間の合間に、発表をする参加者たち

自宅には必要なものがすべて揃っている

「Hoffice」をはじめたのは、スイスの心理学者で「人々がどうしたらもっと効率的に働けるか?」という研究を大学院でしていたという、Christofer Franzen(以下、クリストファーさん)。

ちょうど修士論文を書いていたころ、クリストファーさん自身が、よりよく作業ができる場所をもとめ、フリーランスの友人と一緒に「オフィスの代わりに、自宅や他の友だちの家で仕事をしたら、仕事の効率はどうなるのか?」と実験をスタート。それが「Hoffice」を始めるきっかけになりました。

クリストファーさん 「理想的な仕事環境を手に入れるにはどうしたらいいのだろうか?」と考えてました。それも、できるだけコストを使うことなく。そんなとき、自宅はプリンターもインターネットなど、必要なものが全てがそろった場所だと気がついたのです。

ただ家で働くとき、私もふくめた多くの人は、同僚が近くにいないことに孤独を感じます。そして、集中を妨げるすべての誘惑から一人で逃れるのは、想像以上に難しいのです。

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左がクリストファーさん。クリストファーさんは、「Hoffice」は関わるすべての人にとってポジティブな働く場所が生み出せると言います。

クリストファーさんは、まず数人を家に招待し実験を開始。小さく始めたプロジェクトでしたが「家をコワーキングスペースにする」という働き方の評判は噂で広まり、1年後には数人が支部を自分たちでつくり始めるまでに。そんな「Hoffice」の運営について、クリストファーさんは、こう話します。

クリストファーさん 「Hoffice」の運営方法を決めるにあたって、ギフトエコノミーの考え方を参考にしました。

ギフトエコノミーと同様に「Hoffice」では利用料を無料に設定していて、人々は一切のお金を払ったり受け取ったりすることがありません。だから、自然と全員が“何が他の人にとって価値があるのか?”を感じるようになり、お互いに贈り合う、好循環が起こり始めます。

参加者同士が自然に助け合い、それでいて何かが強制されることの無い環境。それが、「Hoffice」の価値なのです。

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ランチやスナックなどは持ち寄り制。参加者同士で、シェアするのがあたりまえの光景になっています。

「Hoffice」を見ていると、私たちの日々の仕事の質を上げ、生産性が高い仕事をするために必要なことは、オフィスという空間そのものではなくコミュニティであると気がつきます。

フリーランスやリモートで、日々一人で仕事をする機会が多い人は、一度「Hoffice」を参考に自宅を開放してみませんか? きっと自分一人では思いつかないアイデアを発掘したり、より楽しく仕事をすることができるかもしれません。

[via Hoffice, Pop-Up City, Co.Exist, Bloomberg Business, Agneta Lagercrantz]

自宅をコワーキングスペースにしてみよう!
Hoffice

writer ライターリスト

きとうかよ

きとうかよ

greenz ジュニアライター 1991年生まれ。愛知県出身。東京在住。 学生時代にgreenzライターインターンを経験し、ジュニアライターへ。現在は、平日はWebマーケティングの会社で働いています。 blog : 好奇心の本棚。

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