ISSUE ☆日本と世界のソーシャルデザイン

2 months ago - 2016.07.18

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おいしい”ソーシャルな”ケーキを食べて、社会課題を学ぼう! 世界的ベーカリーチェーン「Paul」が考案した、性差別事情を学べるケーキ「Bittersweet Pie」

BittersweerPie_00

みなさんは、「男女平等な社会」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか?

男女関係なく能力に見合った地位や給料を得られること。
女性でも働きやすい環境があること。
男性でも育児休暇がとれること。

きっとそれぞれに思い浮かべることは、変わってくるかもしれません。

社会における男女の格差を表すジェンダーギャップ指数のランキング(2015年)を見ると、イエメン・パキスタン・シリアなど中東の国々では、まだまだ格差が大きい状況。そして日本は、ランキングに掲載されている145カ国のうち、101位。日本もまだまだ、性差別が大きい国と言わざるを得ません。

こういった男女格差が大きい国では、女性の権利が認められていない場合が多いだけでなく、宗教や文化の影響もあり、問題認識を抱く人々も少ないと言われています。

このような現状に気づいたルーマニアの広告会社「MRM/McCann」は、世界的ベーカリーチェーン「Paul」と手を組み、世界初の”ソーシャルなケーキ”「Bittersweet Pies」を売り出しました!
 
bittersweet-pies-1

世界の性差別問題を解決するべく、女性自身にアクションを起こしてもらいたいと考え、女性にとって身近な存在であろうケーキに目をつけたという「MRM/McCann」。その期待に応え「Paul」は店で一番人気のケーキを使って、「Bittersweet pies」をつくりあげました。

思わず目に留まるカラフルなグラフが描かれていますが、なんとこれはケーキのデコレーション。もちろん、全て食べることができます!
 
BittersweetPie_01
ケーキは全部で6種類。

pie
富裕層25人のうち、女性はわずか1人だけ。

pie_01
女性の政治参画率はわずか12パーセント。

ケーキの台紙には、より詳しい説明が書かれているので、食べた後にもこの問題について理解を深めてもらうことができそうですね。
 
BittersweetPie_03
一緒にケーキを食べた家族や友だちと、この問題について話し合うきっかけになりそう。

さらにこのケーキを食べるごとに、代金の5パーセントが性差別を埋めるために女性支援活動を展開しているNPO「FILIA Foundation」に寄付されるしくみになっています。

性差別に気づいていないルーマニアの人たちにその深刻さを訴えると同時に、すぐ、支援につながる。おいしいケーキを食べることが支援になるからこそ、より多くの人に無理することなく続けてもらえそうですね!

「Bittersweet Pies」は発表・販売開始されると、今までにメディアで3万6千回以上も取り上げられ、Facebookでは7万3千以上ものシェア数を記録! 世界中から賞賛の声が、2万件以上も届いています。

ルーマニアの女性自身も、

あの「Paul」がこんなケーキをつくるだなんて、すごくいいアイデア!

本当にその通り。問題解決の第一歩は、私たちが問題の存在を知ることよね。

というコメントを添えて、SNSでシェアすることでこの問題を広めています。今まで男女の格差を問題だと思っていなかったルーマニアの女性たちに、自分の権利を主張しようという意識を芽生えさせることにもつながったのです!

世界中にインパクトを与え、ルーマニア女性に変化を起こした「Bittersweet Pies」。「Paul」のマーケティング責任者。Monica Eftimie(以下、モニカさん)は、このように話しています。

世界で初めてソーシャルなスイーツをつくることができて、誇りに思います。このケーキの価値を私たちのお客さんに認めてもらい、みなさんに性差別の現状について知ってもらいたいと思っています。

そして、ルーマニアの女性たちに、男性と同等の権利を得るために一歩踏み出してほしいと思っているんです!

Monica
モニカさん

モニカさんが言うように、社会問題を解決するための第一歩は、まず人々に問題を認識してもらうこと。そしてこのプロジェクトの成功の鍵は、店で人気のケーキを使って、人々の日常の中に知ってもらうきっかけをつくったことなのだと思います。

あなたの身の回りにも、もっとこうだったらいいのにと思いつつ、仕方ないと諦めていることってありませんか?

まずはそれを問題だと認めること、そして解決したいという思いを伝えることからはじめてみるのはいかがでしょうか。気づいていなかっただけで、身近に同じ思いを持っている人がいるかもしれません。一人では諦めてしまいがちでも、誰かと一緒なら思い描く社会の実現もぐっと近くなるではないでしょうか。
 

[via CO.CREATE, ADWEEK, UKfundraising]

(Text: 神本萌)

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