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3 months ago - 2016.06.22

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1日1回は地球にやさしい食事を! あのジェームス・キャメロン監督の奥さんが全米で初めて実現させた、給食がヴィーガンの学校「MUSE School」

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環境保護や健康や食へのこだわりから実践している人々が増えている、菜食主義。読者のみなさんの中にも、すでに実践している方がいらっしゃるかもしれませんね。

菜食主義でも肉を食べずに野菜中心の食生活をおくる人は総じて「ベジタリアン」とよばれていますが、肉だけでなく、卵や乳製品など動物性の食品も摂らないライフスタイル「ヴィーガン」も、最近、注目されています。

実際、greenz.jpではこれまでに、ヴィーガン専門スーパーマーケット「Veganz」や、ヴィーガン製品だけを取り扱う店があつまるミニモールの記事を紹介してきました。

そんななか、南カリフォルニアでは「MUSE School」という私立の学校が話題になっています。アメリカではこれまでにも、ベジタリアン給食を提供している学校はありましたが、なんと全米で初めてヴィーガン給食を取り入れることになったというのです!
 
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そもそも設立当初から、「MUSE School」は環境にやさしい教育に取り組んできました。

アメリカには主にレストランを対象とした、水処理、減農薬、ゴミの減量化やリサイクルなどに対する取り組みを評価したランキングがありますが、「MUSE School」は学校でありながら、上位に入っていることでも話題になっています。
 
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その「MUSE School」創立者の一人であるSuzie Amis Cameron(以下、スージーさん)さんは、あの有名映画監督のJames Cameron(以下、ジェームスさん)の奥様。当時、映画『Avatar』の撮影に打ち込むジェームスさんをみたスージーさんは、自分が打ち込むべきことは、環境にやさしい教育をモットーとした学校づくりだと決心したのだそうです。

スージーさんは姉妹である、Rebecca Amis(以下、レベッカさん)に声をかけ、そして夫であるジェームスさんのサポートも受けて2006年に「MUSE School」を創立しました。

ふたりで学校のビジョンやプログラムを決めていく中で、「肉や乳製品を食べているうちは、本当に環境にやさしい教育とはいえない」という思いを抱いたそうですが、学校給食をヴィーガンにするためには生徒と親の理解が不可欠。

そこでスージーさんとレベッカさんは、最初にベジタリアン給食を提供し始め、その後数年かけて徐々にヴィーガンメニューの給食に変えていきながら、生徒たちになぜヴィーガンが必要か、地道に教えていったといいます。しかしそれでも、彼らの親を納得させるのには時間がかかったようです。

校長のJeff Kingさんは当時を振り返って、

親からの理解を得るのには、とても苦労したよ。

子どもたちの親の多くはヴィーガンに理解がなく、動物性たんぱく質と脳の発育の関わりが心配だとか、たんぱく質不足になるとか、多くの人がヴィーガンに対して誤解したままだった。

だから、いくら「MUSE School」を気に入っていても、ヴィーガン給食を懸念して他の学校へ移ってしまった子どもたちもいたんだ。

と言います。

そのような状況におかれながらも、レベッカさんは、創立当初から生徒たちが給食の列にならび、新鮮で美味しそうな料理がお皿に盛られているのをみると、自分たちが行っている教育に自信が持てたといいます。
 
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「MUSE School」では、このような経験を活かして、現在も新しく入ってきた生徒には、

one meal a day for the planet(1日1回は地球にやさしい食事を)

というスローガンのもと、生徒たちが少しずつヴィーガンに慣れるプログラムを提供しています。

2歳から18歳まで、どの学年の生徒も自分たちが学校で育てた野菜を給食として食べ、残飯はコンポストに入れるように教わります。学校で小さな頃から残飯をコンポストに入れることを教わった子どもたちは、家に帰ってもそれを実践できるようになっていくのだそう。

このように生徒自らが環境にやさしい生活を習得し実践することこそが、「MUSE School」が目指す、環境にやさしい教育なのです。

今年の夏には、他校の生徒たちにも「MUSE School」のコンセプト”seed-to-table”(種から食卓まで)を経験してもらうプログラムが始まる予定。スージーさんとレベッカさんは、「MUSE School」を拠点としながらも、ふたりが自信を持つ環境にやさしい生活の教育を多くの子どもたちに伝搬させていこうと、意欲的な様子。
 
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ジェームスさんとスージーさん、「MUSE School」の生徒たち

みなさんの中にもヴィーガンというと、いくら健康のためとはいえ、肉魚だけでなく乳製品も摂らないで、本当に大丈夫? と思う方もいるかもしれません。

しかしながら、食の供給システムが崩れてしまっていると指摘されているアメリカでは、ふだん何気なく手にしている牛乳やヨーグルトなどが、絶対に安全だとは言い切れないという不安もあるのも事実です。

安全な食生活を維持するためには、子どもたちが「種から食卓まで」自分たちの目で見届けることが、一番の教育になる。スージーさんとレベッカさんの、その気づきが「MUSE School」がヴィーガンという選択をした理由ではないでしょうか。

みなさんも、スージーさんとレベッカさんの目指す学校づくりをお手本に、体にいいだけではなく、環境にもやさしい食生活を考えてみるのもいいかもしれません。

[via CO.EXIST, HUFFPOST GREEN, npr]

(Text: 松下史佳)

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