ISSUE ソーシャルグッド

3 months ago - 2016.03.02

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「こんな顔になってもファンのままでいてくれる?」超人気サッカー選手が炎上覚悟のSNS投稿で、知的障害者のオリンピックを超満員に!

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世界最大の広告・コミュニケーションの祭典、「カンヌ・クリエイティビティ・フェスティバル」。「Cannes Lions 2015」では2015年の受賞作の中から、新たなアクションを考える刺激になるような、ソーシャルグッドな広告を連載で紹介していきます。今回ご紹介するのは、ベルギーでの事例です。

サッカー、ラグビー、テニス、そして相撲など、スポーツはいつも多くの人の注目を集め、話題の的になっていますよね。

特に今年はリオデジャネイロでオリンピックが開かれることもあって、スポーツに熱い視線が集まっています。マスコミで派手に報道されるオリンピックやプロスポーツと比べて、どうしても地味になりがちなのが、障がい者スポーツ。

2014年にベルギーで行われた知的障がい者によるスポーツ大会、スペシャルオリンピックスのヨーロッパ夏季大会も、当初はなかなか注目が集まっていませんでした。そんな状況を打破するために「顔を変える」ことを決断したのが、ベルギーの人気サッカー選手、Kevin De Bruyne(ケヴィン・デ・ブルイネ、以下、デ・ブルイネ選手)

この大会の親善大使も務めるデ・ブルイネ選手は、突然自らのTwitterやInstagramで、ダウン症の人の顔を合成した自分の写真を、「こんな風になっても、みんなファンのままでいてくれるかな?」という問いかけとともに投稿しました。
 
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このツイートの12時間後、今度はスペシャルオリンピックスのクレジットがついた広告画像のかたちで、再び問題の写真が入ったビジュアルをツイート。その画像にはこんなコピーが書かれています。「これで、デ・ブルイネのサポーターは離れるのだろうか?」
 
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「どうしちゃったの?」「不謹慎だ!」といった激しい反応も含め、これらの投稿は物議を醸し出し、大きなニュースとなりました。騒ぎの中、デ・ブルイネ選手はこう語りました。

みなさん、スペシャル・オリンピックスを観にきてください。知的障がいを持つアスリートたちの素晴らしいパフォーマンスには、素晴らしい観客たちが訪れる価値がある。私はこの大会の大使になったことを誇りに思います。

炎上覚悟でのSNS投稿の甲斐があったのか、スペシャルオリンピックスのヨーロッパ夏季大会には50,000人もの人が押し寄せ、開会式と閉会式のチケットは即日完売のプレミアムチケットに。
 

街でダウン症や知的障がいのある人を見かけたとき、どう反応していいのかわからず、正直、戸惑うことがあります。

内閣府の統計によると、日本には知的障がいのある人が約55万人も暮らしています。

ともにこの社会を生きる存在として目を向けてほしい。
そう願ったデ・ブルイネ選手の思い切った行動に、心の壁をとっぱらって、障がいのある人と向き合う気持ちが必要なのだと考えさせられました。

(翻訳アシスタント:スズキコウタ/「greenz global」編集部)

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writer ライターリスト

丸原 孝紀

丸原 孝紀

greenz シニアライター 1976年京都生まれ。コピーライター(東京コピーライターズクラブ会員)。企業に社会貢献型のコミュニケーションを提案するとともに、NGO/NPOのクリエイティブを積極的にサポートしている。社会課題を解決するアイデアを提案するプランング・ユニット「POZI」のプランナーとしても活動中。 HP : ecogroove twitter:@ecogroove

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