ISSUE☆グリーンズ企画 今週のgreenz people

10 months ago - 2016.01.24

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「まちは自分たちでいくらでも面白い場所にできる」という可能性を伝えたい。「今週のgreenz people」は、「まちなか交換所」の渡真利紘一さん!

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水と土の芸術祭2009でのワークショップ風景「わたしの新潟、表現しよう!交換しよう!」

今週のgreenz people」は、様々な分野で活動に取り組むgreenz people(グリーンズ会員)を紹介する連載企画です。会員の方々は「これから、ぼくたち・わたしたちもマイ・プロジェクトを本格化させていこう!」と試行錯誤されている方ばかり。この企画から、会員のみなさんと、読者のみなさんの新しいご縁が生まれれば嬉しいです!

こんにちは、NPO法人グリーンズ people事業部マネージャーの植原正太郎と、greenz.jp編集部デスクのスズキコウタです。

突然ですがみなさんは、NPO法人グリーンズが、誰でも自由に(無料で)読めるウェブマガジン「greenz.jp」をさらに発展させていくために、「greenz people」という寄付会員を募集していることをご存知ですか?

そんなgreenz peopleには、毎月発行の限定メールマガジンや、年に2冊届くgreen Booksといった会員特典の他に、オンライン・オフラインでのコミュニティ活動も始まっています。

僕たちが、会員のみなさんと実際にお会いしたり、オンラインでの交流を通して気づいたこと。それは、会員の中には自身で素敵なマイ・プロジェクトを展開されている方が多くいらっしゃることでした。

すでに活動の幅を広げているプロジェクトを中心に取り上げているgreenz.jpだけど、「これから活動を本格化させていこう!」と試行錯誤しているgreenz peopleを紹介するコーナーもつくったほうがいいのでは?

そう考えた僕らは、多種多様なメンバーがあつまるgreenz people会員へのメールインタビュー企画を始めることにしました!

今回ご登場いただくのは、渡真利紘一さん。東京都台東区谷中に在住の渡真利さんは、「chair-stories まちなか交換所」というマイプロジェクト、芸工展の実行委員、上野経済新聞のライターなど多方で活動中。昨年は「編集学校」に通ったことも。渡真利さんに、ご自身の活動と、これからのグリーンズに期待することを伺いました。
 
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渡真利紘一さん。実行委員を務める「芸工展」のガイドマップを手に。毎年10月の2週間、まちじゅうが展覧会場と化します。photo by Hajime Minagawa

1. お名前、出身地と住んでいる場所を教えてください。そしてあなたが今、一番居心地の良さを感じる場所は?

渡真利紘一(とまり こういち)神奈川県藤沢市出身/ 東京都台東区谷中在住
福祉医療機構(WAM)勤務 / 上野経済新聞ライター/

居心地の良さを感じる場所は、「谷中界隈」です。その理由は、第1に、このまちのことが好きな人が多く住んでいること、第2に植木棚のような、まちの文化を育てている人と表現者、地域活動をする人が多いこと、そして、江戸の町並みが残ることで生活文化も一緒に残り、人との距離感が近いことです。

2. グリーンズの出会い、そしてこれまでに読んだgreenz.jpの記事で、特にグッときた記事を教えてください。

はじめに知ったのは、芸術実行犯「Chim↑Pom」さんを取り上げた新書。そのときの衝撃はいまでも自身の脳裏に焼き付いています。

また、具体的なグリーンズとの出会いは、2015年2月。greenz.jpシニアライターの方々を招かれ開催された曼荼羅トークイベントに参加し、ビビッときて、その場でgreenz peopleになりました。

一番印象的な記事は、「そこは、多様な子どもと大人が集う小さな村。シェアオフィスもDJブースもある、しぜんの国保育園 齋藤紘良さんに聞く、“強く生きる”ために必要なこと」です。

子どもか大人かは関係なく集える環境に魅力と可能性を感じました。そして、大切なのは「本物」に触れること。ただの遊びで終わらせず「表現」への道筋をつくるという発想は、それまでの自分のモヤモヤを晴らせてくれました。将来、しぜんの国保育園のように誰もが立ち寄れる場所を運営する一人になれたらと思います。


3. 今、”自分ごと”として取り組んでいるマイ・プロジェクトについて、簡単に説明してください。

私のマイ・プロジェクトは「chair-stories まちなか交換所」という取り組みです。

このプロジェクトは、「お互いの心の中にある谷中を交換する」試みです。
自宅前に置いた椅子の上に並んでいる、まちを題材としたポストカードが「わたしの谷中」。
そこを通りかかった人が日頃感じている谷中を記したノートが「あなたの谷中」。
それらを交換することで、新しい谷中を発見する機会となることを目指します。


「いつもはせかせか歩く私が、このまちへ来るとゆっくり歩いてしまうのです」
「変わらない部分と、変わっていく部分があり、いつきてもおもしろい」

こうしたメッセージが寄せられたノートも、今では7冊目となりました。

他方、2008年にヨコハマトリエンナーレ特別連携プログラム「新港村」のブースの一部で、3ヶ月間に渡り「出張!まちなか交換所」を展開、その時のご縁から、翌年2009年に新潟市で開催された「水と土の芸術祭」メイン会場(みずっちみなとスタジオ)にて、「わたしの新潟、表現しよう!交換しよう!」と銘打ったワークショップを開催したのも貴重な経験となりました。

今後もアートイベントや学校の授業を通じてワークショップを続けていけたらと思っています。

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祖父から譲り受けた椅子の上で、まちなか交換所を晴れの日に不定期開催

4. そのプロジェクトに取り組むようになったきっかけとは?

元々は、自宅アパート前で谷中の土産としてポストカードを置いたことが始まりでした。有難いことにカードは予想以上に好評で、励ましのメッセージも沢山いただきました。

あるとき、一通の手紙が届きます。
それは、通りかかったおじいさんが綴ってくれた、56年前のエピソードでした。



「日暮里駅から間も無く、御殿坂の途中で、今は亡き妻と食べたおでんの味が忘れられません」



私はこの手紙を通じて、「自分が捉えている谷中はほんの一部であること、
そして、一人一人、その人だけの谷中をもっている。」
そのことに気づくことができたのです。


それらを互いに交換しあえれば、きっと新たな発見になる(!)
まちなか交換所の活動はこうして始まったのでした。

今振り返れば、この「まちなか交換所」のアイディアは、谷中界隈の道端で植木棚を育てている地域の先輩方から教わった、といえるかもしれません。


植木を道に面して育てていると、その手入れをしに、人は毎日外へ出るようになります。すると、人と人とが出くわす回数が増えます。つまり、家と道、家と家の境界が曖昧になるため、より交わりやすくなる、ということが現実として起こっているのです。

そうした知らず知らずのうちに培ってきたまちの文化を自分なりのやり方で継承しているのかもしれないと思えてからは、この「まちなか交換所」がますます愛しくなりました。 

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まちなか交換所」の前身 谷中のお土産コーナー・まちの風景photoをポストカードにして、立ち寄った人に気に入ったものを持って帰っていただきました

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谷中界隈の植木棚から、すんでいる人のやさしさが心まで伝わってきます

5. そのプロジェクトが目指すゴールやビジョンとは?

とにかくいまは、この活動を続いていくことです。続けることで、「まちは自分たちでいくらでも面白い場所にできる!」という可能性を伝えていきたいと思っています。

建物の老朽化や世代交代などをきっかけに、まちの移り変わりが激しさを増す今、谷中界隈でも趣のある建物がたちまち空き地になり、その後、駐車場やマンションといったどこにでもある風景に変わっていく場面と出会います。その度、どうにもならない無力さを感じます。

まちが変わることは、「まちの新陳代謝」という意味において必要なこと。それを嘆いてばかりはいられませんが、どう変わるか、という視点は大切になると感じています。実際に、谷中界隈でもこれまでの建物を十分活かしつつ、さらに魅力的な空間に変えた素晴らしい事例もあります。

まちなか交換所は、何気ないまちの魅力を人と伝え合うことで、「まちを良い方向へ変えていくのは自分たち」という心の芽生えの機会になれたらいいと思っています。

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2015年のまちの木霊プロジェクト展示風景。毎年ここで、「わたしの谷中」を作品化して発表しています。2016年は、4/21〜26 @GALLERY藍染にて開催予定

6. greenz.jpは、今年10周年を迎えます。greenz people会員として、「こんなことを実現してほしい」というリクエストや、編集部メンバーへのエールをお願いします!

10周年、本当におめでとうございます。グリーンズだからこそ実現できる社会の発信、そしてテーマ型コミュニティの可能性を具現化してくださると信じています。

そして、ソーシャルネットワークとリアルなつながりをどう接続するかということも一緒に考えていきたいテーマです。


「同じ夏はこない」

これは受け売りですが、そうした気持ちで、常に新しいことにチャレンジし、変化し続けていてほしいです。自分も少しでもそうあれるように日々、励みます。

(インタビューここまで)

いかがでしたか?

今後も「今週のgreenz people」連載では、素敵な会員の方々を紹介していきます! そしてgreenz peopleになると、Facebookのオンラインコミュニティに参加して、渡真利さんとコンタクトを取ることも!? ぜひこの機会に、greenz peopleへの入会をご検討ください!

– INFORMATION –

 
chair-stories まちなか交換所
http://chair-stories.blogspot.jp/

greenz people オフ会 谷根千界隈のまちあるきやります!
2016年2月6日(土)10時にJR日暮里駅に集合し、谷根千の今を歩きます。
昨年11月よりスタートしたHAGISOのまち全体をホテルに見立てる「HANARE」プロジェクトやこのまちで地域活動に取り組む方からお話を聞く時間も検討中です。詳細は、greenz people会員限定コミュニティまで!(会員のみ閲覧可)

全国で様々な活動に取り組む人が集まるgreenz people(グリーンズ会員)の詳細はコチラ
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この記事は、greenz.jp編集部のメンバーが執筆しました。

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「greenz people」はNPO法人グリーンズが運営する非営利メディア「greenz.jp」の運営や記事配信を支えてくださる個人の寄付会員のことです。 「greenz people」がパートナーになっている記事は、会員のみなさまからいただいた会費を、ライターさんの原稿料、取材経費などに活用し、お届けしています。 グリーンズはこれからも、日本にソーシャルデザインをもっと根付かせていくための、驚きと学びのある新企画を、どんどん仕掛けてゆきたいと考えています。 greenz peopleになって、グリーンズの活動をサポートをしてくださる方は、以下のページをご覧ください。 ⇒ greenz people(グリーンズ会員)の詳細

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