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ぶれない軸とこだわりを見つめ直す「集う場づくりクラス」の第1期生が卒業。リニューアルした「映画館長クラス」の受講生を募集中!

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集う場づくりクラス第1期生のみなさん(大阪から参加の方は残念ながら不参加でした)

この記事は、「グリーンズ編集学校」の卒業生が作成した「グリーンズの学校」のレポート記事です。編集学校は、グリーンズ的な記事の書き方を身につけたい、編集者・ライターとして次のステージに進みたいという方向けに、不定期で開催しています。

みなさんにとって、居心地の良い第3の居場所はどこですか?

家や職場・学校でもない、いわゆる“サードプレイス”が注目を集めている昨今。都会では、大手コーヒーチェーンなどが趣向をこらした空間設計や演出を通して、来店者に居心地の良い場を提供しています。

一方、地方都市においても、誰もが気軽に足を運べて地元の人にとってのリビングルームとも呼べるようなスペースをオープンする動きが、加速してきている様子です。

訪れた人たちにとって居心地の良い空間をデザインする。そんな、自分ならではのアイデアを形にするまでのプロセスやマインドを学ぶための「集う場づくりクラス」が開講されました。
11月からは「映画館長クラス」として開講の予定。詳しくは、こちら

クラスのファシリテーターを務めたのは、greenz.jpのプロジェクトマネージャーで、「原っぱ大学」を主宰する塚越暁さんと、NPO法人グリーンズ事業統括理事として、事業戦略や組織づくりの役割を担う小野裕之さんの2人。

そして、ゲスト講師には、神奈川県逗子市で“カルチャー配信型”映画館「CINEMA AMIGO」を運営する長島源さんを迎え、地元に根付く映画館を開業するまでのプロセスや想い、苦労話や資金繰りなど、プロジェクトを立ち上げる際のヒントを学んでいきました。

なぜ今、“集う場”をつくるための講座が必要なのか。今回の講座を通して何を学ぶことができたのかを講師・参加者のみなさんに聞きました。
 
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左から、小野裕之さん、塚越暁さん、長島源さん

“本当に場がつくれている人は少ない”

自身もグリーンズのスクール卒業生として、「子ども原っぱ大学」というプロジェクトを立ち上げた塚越さんは、今回のクラスを企画した経緯をこのように語ります。

塚越さん 「場づくり」をしたいと言っていて、本当に場がつくれている人って少ない気がしています。自分の中に「◯◯したい」があって、その結果として生まれてくるものが「場」なのではないかと思うんです。

具体的なプランニングや、「何をやるか」にこだわる視点の大切さを参加者のみなさんと共有したいと思い開催しました。

一方、東日本大震災のあった2011年から、green schoolの運営を担当している小野さんは、自分のアイデアをしっかりとカタチにする人を増やしていくことの必要性を感じていたと言います。

小野さん ポテンシャルがあるのに、ノウハウを知らないことでアイデアをうまく形にできていない人が大勢いて、もったいないと思っていました。

震災以降、社会的な活動に取り組んできた先輩たちから学ぶのは大事なことです。本を読めばできるというものでもなく、参加者同士がお互いに向き合う中で、その人らしさを引き出すことができればと思い、開講に至りました。

「都会に住む人は移ろいやすく、その移ろいやすさが自分で不安をつくってしまっている」と小野さん。周りの反応に右往左往せず、自分の想いをしっかりと言葉にすることで、ブレない軸を見つけることの大切さを教えてくれました。

また、ゲスト講師の長島さんは、今回のクラスをこのように振り返ります。

長島さん 全体を通して、映画館をつくるということよりも、そのプロセスやマインドの持っていきかたをシェアしようと意識しました。

今後は、具体的に何をしていくのかに期待しています。ここで発表したプランが具体的にならなかったとしても、何かをカタチにしていくことにつながるかどうかが楽しみです。

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これまでの授業の総括した最終プレゼンが始まります。会場には張り詰めた空気感が…

“自分を主語に考えて動くこと”

学生や語学教師、不動産ビジネスマンから診療所に勤める福祉関係者の方まで、多様な顔ぶれが集まった今回のクラス。刺激的な仲間たちと自分のアイデアを具現化すべく、これまでにたくさんの議論や試行錯誤を重ねて来たようです。自身と向き合う中で、どのような学びや気づきがあったのでしょうか。

地元横須賀で診療所に勤める野村敏彦さんは、患者さんとの関わりを通して、自分一人の力では地域や社会と”つながれない人”がとても多いという感覚を抱いていました。

気軽につながり、化学反応が起こる場をつくりたいとの想いから発表したのは、「音楽を通して仲間をつくる」をコンセプトにした、「青空セッション部」。家に眠っている楽器を持ち寄り、青空の下で仲間とセッションを楽しみ、つながりを熟成していくという試みです。

野村さん ただ現状を憂えるのではなく、アクションを起こして、少しでも社会にコネクトしやすい世の中にしたいという想いで参加しました。

「何ができるか?」にフォーカスしがちで、行動に移せず、モヤモヤしていた自分にとって、「何がやりたいのか?」「形にしたい、続けてみたいという情熱を持っているか?」を明らかにする事が行動の原動力だと学んだとき、心の中が晴れた感じでした。

鈴木やすかさんは、出版社で新規事業開拓や編集の仕事に従事する傍ら、東北やバングラデシュなどを対象に、稲作や地域おこしなどさまざまな取り組みに参加されています。

これまでの活動を通して、プロジェクトを「事業として継続すること」の難しさやその必要性に触れたのだそう。最終プレゼンで発表した場づくりの構想は、“大人の自由研究秘密基地”。ご親族の倉庫を改修して子どもから大人までを対象に、誰もが参加できる自由研究の場を提供するというものです。

鈴木さん 社会や時代のせいにはせず、自分を主語に考えて動くことの大事さを学びました。

自分の根っこの深いところまで潜っていき、本当にやりたいことは何か、それは社会をどう変えるのかを考え、「〜すべき論」に縛られることなく、自分が思うように自由に動いていいということ。自分の足元を見つめるところからしか始まらないということに気付きました。

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最終プレゼンの1シーン。愛情のこもった厳しい指摘が飛び交います。

どの受講生も、時代や社会の変化に無理にあわせるのではなく、あくまでも自分自身が主体となり、“何がやりたいか”をトコトン突き詰めて考えることの大切さを学んだようです。

ともすれば、世の中の流行や著名人の発言に、物事を始める動機を求めがちですが、身の丈にあった場づくりを目指して小さな一歩を踏み出すことで、歯車が動き出すのではないでしょうか。

“思考や言葉の癖を見直す貴重な機会”

塚越さん 自分を知り、自分の言葉で語るのは大変なことですが、思考や言葉の癖を見直す貴重な機会であると思います。

小野さん 時間をかけて参加者同士の信頼関係を構築するからこそ悩みを共有することができ、自分の抱える課題をクリアにできると思います。そこまでやってはじめて長続きする取り組みが生まれる気がします。

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最終プレゼン終了後、受講生が持参したカレーで打ち上げです。これからどんなプロジェクトが立ち上がるのか、ワクワクします。

似たような志を持った仲間達と、本気で語り合いながら、自分と向き合うことで、ブレない軸・こだわり・具体性が見つかるのかもしれません。

長島さんとの「集う場クラス」は「映画館長クラス」と名を変え、次回は11/17(火)から開講になる予定です! みなさんも、地元のまちで、お気に入りのまちで、地域に愛される“集う場”をつくるための一歩を踏み出してみませんか?

(Text: 竹内謙二)

– INFORMATION –

 
11/17(火)開講!“カルチャー配信型”映画館「CINEMA AMIGO」館長 長島源さんと学ぶ、「映画館長クラス」
■日時
第1回 11/17(火)19:15-21:45 キックオフ
第2回 12/1(火)19:15-21:45 長島源さんのお話シェア※
第3回 12/16(水)19:15-21:45 参加者のアイディアブレスト・コンセプトの芯の言語化
第4回 1/9(土)11:00-16:00 フィールドワーク@逗子 シネマアミーゴ & 山でソーラー上映会実施(予定)※
第5回 1/12(火)19:15-21:45 各自のプラン具体化・ビジネスモデル検証
第6回 1/26(火)19:15-21:45 各自のプランの発表※
(※フィールドワークとして逗子にあるCINEMA AMIGOを訪ねます。
現地集合、現地解散となり、交通費等は受講料に含まれておりませんので、ご了承ください。)

■受講料
一般(全6回)  ¥36,000
学生(全6回)  ¥30,000

■講師
ゲスト講師:長島源さん(CINEMA AMIGO館長)
ファシリテーター:塚越暁(greenz.jpプロデューサー/子ども原っぱ大学主宰)
ファシリテーター:小野裕之(greenz.jpプロデューサー)

■申込先
https://greenz.jp/2005/10/22/bazukuri-class02/
http://peatix.com/event/124416/