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私たちが、歩きたくなるような街を実現するために。最短ルートではなく、美しくて安全な道を案内してくれるアプリ「Walkonomics」

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みなさんはこの夏、どこかへ旅行へ出かけましたか?

今や、旅先などでも地図アプリさえあれば、迷う心配はない時代。初めて出掛ける場所でも、目的地までの最短ルートをすぐに検索できてしまいます。

一方で、検索された道をその通りに行ったけれど、車が多くて歩きにくい道だった、または暗くて不安だった、なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。

今日はそんなお悩みを解決する、実際の道の歩きやすさに合わせてルート案内をするナビゲーションアプリ「Walkonomics」をご紹介します。

使い方は、いたってシンプル。他の地図アプリと同じように、目的地と出発地を入力します。ただひとつ異なるのは、目的地までできるだけ速くたどり着く「Fast」モードか、景観を楽しむ「Beautiful」モードか選ぶことができるということ。「Beautiful」モードを選んだ場合、緑の多い、景観のよい道が表示されます。

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5分以内に歩いていくことができる、公園、図書館、食料品店やカフェなどの情報もみることができるという便利な機能も

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それぞれの道の「歩きやすさ」について、5つ星のレートでみることが可能

ちなみに道の「歩きやすさ」の評価には、事故や犯罪のデータに基づく安全性、道のわかりやすさ、坂の険しさ、美しさ、心地よさ、など8つの指標を利用しているとのこと。

データは、行政機関が公開しているオープンデータと、「Open Street Map」という誰でも自由に編集することができるオープンソースの地図データを使用しているそう。「Open Street Map」では、そこに住む住人など、誰でも新しい評価を付け加えて、さらに情報の精度を高めることができます。
 
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8つの指標の中の1つ、美しさ。木がたくさんあることや、清潔であることがこの評価ポイントに含まれるそう

歩きたくなるような街を実現するために

現在、ロンドン、パリ、ニューヨーク、サンフランシスコ、トロント、ブエノスアイレス、グラスゴーと世界7都市をカバーしている「Walkonomics」。このアプリを開発をしたのは、イギリスのAdam Davisさん(以下、アダムさん)。

アダムさんは「Walkonomics」を開発する以前は、ヨーロッパやアフリカで、行政や民間の機関と共に、歩きやすい街をつくる事業に携わっていたそう。

このアプリが大都市に限定されている理由についてこう説明します。

現在、世界の半分以上の人々は都市に住み、2050年にはその割合は70%まで上昇すると言われています。

こうした人口密度の高い都市は、歩きやすくする必要があると思うんです。なぜなら人々が歩くことは、健康の促進、街の経済を活性化させること、自動車による二酸化炭素排出量の減少、などにつながるからです。

私はこのアプリで、人々が歩きたくなるような街づくりを実現したいと思っています。

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開発者のアダムさん

道がわからない人への道案内という機能だけではなく、人々の運動不足や環境問題など、都市部が抱える問題を解決する方法としての機能を持っている「Walkonomics」。住民たち自身で情報を加えて、歩きたくなるまちづくりに参加できるところもこのアプリの魅力といえるのかもしれません。

また、景観を楽しむ道を示してくれることは、なにごとも速いことが優先されがちな現代において、そこにたどり着くまでのプロセスを楽しむということの大切さを教えてくれているようですね。

みなさんも今日は少し回り道をして、お気に入りの道を見つけてみませんか。

[via WALKONOMICS,Facebook,psfk,treehugger]

(Text: 高橋尚子)

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