ISSUE ソーシャルグッド

1 year ago - 2015.06.21

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病気と闘う子どもたちに、血液と勇気を捧げる。サッカー選手たちの熱い熱い献血作戦「Give Blood Give Power」

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世界最大の広告・コミュニケーションの祭典、「カンヌ・クリエイティビティ・フェスティバル」。「Cannes Lions2014」では2014年の受賞作の中から、新たなアクションを考える刺激になるような、ソーシャルグッドな広告を連載で紹介していきます。今回ご紹介するのは、ドイツの事例です。

「献血にご協力ください!」

そんなかけ声とともに、街のあちこちで行われている献血。大切なことだとは思いつつも、時間をとられることやチクッと痛むことを考えて、敬遠してしまう人も少なくないのではないでしょうか。

日本では少子高齢化の影響もあり輸血用の血液が不足する傾向にありますが(※)、ドイツでも輸血用血液不足は深刻になっており、毎日17000人の子どもや大人が輸血を必要としているといいます。これは、毎日輸血が必要な小児がんなどの子どもたちにとっては、輸血用血液の不足は致命的な問題です。
(※日赤の試算より

そこで献血を増やし、病気と闘う子どもたちを励ますために立ち上がったのが、ドイツで活躍するサッカー選手たち。「血液の入った袋をただの輸血袋でなく、勇気と力の象徴にしたい!」という思いを込め、彼らは赤十字の依頼に応え、献血をしました。

それに続き、アマチュアのサッカー選手たちからの献血も募集。サッカー選手が登場するポスターを展開し、多くの人の献血を呼びかけました。
 
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それだけではありません。サッカー選手の写真がついた輸血袋が小児病棟の子どもたちの輸血に使われ、病気と戦う子どもたちを精神面でも力づけたのです。
 
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このキャンペーンは、500以上のオンライン記事が発信され、1800万人にキャンペーンが知れ渡ることになるほど、大成功を収めました。

ある選手はこう語ります。

サッカーをする時、ぼくらは11人のチームで力を合わせて戦うけれど、病院で病気と戦う子どもたちは、みんな一人で戦っているんだ。

そして、ぼくらは毎週土曜日に試合で勝つために勝負をしているけれど、輸血が必要な子どもたちは毎日生き延びるために戦い続けている。ぼくらはただ単に血を差し出しているのでなく、力をも捧げているんだ。

そう、このキャンペーンは必要な血を届けただけではありません。病気という見えない敵とひとりで闘う子どもたちに、たくさんの人の勇気を届けることにも成功したのです。

子どもたちの病気も、サッカーも同じこと。「勝とう!」という望みを失ってしまうと、勝つことはできないんだ。だからこそ、ぼくらは希望を与え、ぼくらの一部を授けていきたい。

ぼくらのエールで、子どもたちを救うことができたなら、それはサッカーで獲得するMVPよりも価値があることでしょう。

と話す、選手たち。

応援の力を日々実感しているアスリートならではの、熱いエール。

あなたも街で献血の呼びかけがあったとき、、病気やケガの人を応援するようなつもりで献血してみませんか。
 

(翻訳アシスタント:スズキコウタ/「greenz global」編集部)

これまでに取り上げてきた、2014年度の優秀作はこちら!
Cannes Lions2014

writer ライターリスト

丸原 孝紀

丸原 孝紀

greenz シニアライター 1976年京都生まれ。コピーライター(東京コピーライターズクラブ会員)。企業に社会貢献型のコミュニケーションを提案するとともに、NGO/NPOのクリエイティブを積極的にサポートしている。社会課題を解決するアイデアを提案するプランング・ユニット「POZI」のプランナーとしても活動中。

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