ISSUE ソーシャルグッド

1 year ago - 2015.06.04

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”貧困を解決する大使館”をお菓子メーカーがつくっちゃいました! 貧困地区と企業をつなぐ「TORTRIX-18th-ZONE-EMBASSY」

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世界最大の広告・コミュニケーションの祭典、「カンヌ・クリエイティビティ・フェスティバル」。「Cannes Lions2014」では2014年の受賞作の中から、新たなアクションを考える刺激になるような、ソーシャルグッドな広告を連載で紹介していきます。今回ご紹介するのは、グアテマラの事例です。

「どちらにお住まいですか?」ふだんの会話でよく出てくるこんな質問も、時と場合、そして場所によっては差別につながることがあります。

グアテマラにある、通称「18地区」は、ラテンアメリカの中で最も治安の悪い地域と言われています。そのため多くの企業が、18地区出身というだけで採用を見送る傾向がありました。

安定した職が得られないことで18地区の人たちは貧困から抜け出せず、さらに治安が悪化する…。そんな負のスパイラルが続くことで、18地区の孤立はどんどん進んでいきました。
 
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孤立した貧困地区は犯罪の温床になり、国全体に悪影響を及ぼします。そこで、グアテマラでいちばん有名なスナック菓子の会社「TORTRIX」は、18地区における貧困のスパイラルを解消する取り組みをスタートさせました。

それは、18地区の外に「大使館」をつくること。同じ国にありながら、まるで外国のように断絶されていた18地区への理解を高めるための施設をつくったのです。そして、TORTRIXはその大使館に多くのメディアや大企業の幹部を招待し、18地区の抱える問題を知ってもらう機会をもうけました。
 
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大使館が立ち上がると、ウェブサイト上に18地区に住む人たちのための求人情報を公開し、応募を受付られるプラットフォームを構築。さらに大使館の中に就職アドバイザーの窓口を用意し、職を求める18地区の人たちのサポートを行いました。

その結果、20社が大使館に採用情報を提供し、ウェブサイトの開設から1カ月で3,500人が採用面接を受け、そのうち約800人が職を得ることに。

大使館の採用サービスを利用して就職することができた、Jairon Moralesさんは感激しながらこう語ります。

18地区大使館は、私にとってとても大きな価値をもつ場所です。そこで私は、長年探し続けてきた仕事を得ることができたのですから。

多くの人がとかく目を背けがちな貧困地区の問題。そこに、長年親しまれ、国を代表するスナック菓子のメーカーが向き合うことで、国中の企業や人が自分たちの問題として考えるようになったんですね。

社会問題には関心がない人も、自分が愛着をもっている商品やブランドからのメッセージとなると、ちょっと気になりますよね。長く愛されるブランドには、もっともっと行政にはできない問題を解決する可能性があるのかも知れません。
  

(翻訳アシスタント:スズキコウタ/「greenz global」編集部)

writer ライターリスト

丸原 孝紀

丸原 孝紀

greenz シニアライター 1976年京都生まれ。コピーライター(東京コピーライターズクラブ会員)。企業に社会貢献型のコミュニケーションを提案するとともに、NGO/NPOのクリエイティブを積極的にサポートしている。社会課題を解決するアイデアを提案するプランング・ユニット「POZI」のプランナーとしても活動中。

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