ISSUE ファッション

1 year ago - 2015.05.24

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暮らしを楽しむために、動物を犠牲にする必要はない。世界初、ポートランドに生まれたヴィーガン・ミニモールって?

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©Roadtrippers

みなさんは、ベジタリアンやヴィーガンといった言葉にどんなイメージがありますか?

都内ではベジタリアンやヴィーガンのレストランが増えてきているので、きっと実際に味わった方も多いことでしょう。一方、「野菜だけの、味気ない料理のこと?」「お肉を食べない変わった人のこと?」など、正直あまりよくわからないという方もいらっしゃるかもしれません。

著名人の中にはこのようなライフスタイルを取り入れている人も多く、ポール・マッカートニーやアリアナ・グランデ、RADIOHEADのトム・ヨークらが、ベジタリアンやヴィーガンであることを表明しています。

今回ご紹介するのは、アメリカのオレゴン州ポートランドにある、“世界初”のヴィーガン・ミニモール。では、一体どんなお店が、どんな商品を揃えているのかご紹介していきましょう。

肉や魚など生き物を食べないベジタリアンと違い、ヴィーガンは動物や魚を食べないだけでなく、卵や牛乳といった動物由来の食材も取らないことを意味します。つまり、このモールに並んでいる商品は、どれも動物由来の素材を使わないものばかりなんです。

Food Fight! Grocery」は、大豆などでできたフェイクミートやフェイクチーズから、お菓子や飲料品、シャンプーやシェービングクリームなどの生活雑貨までを取り扱っている食料品店です。

一見コンビニの様な店内に、品揃え豊富なヴィーガン商品がぎっしり並ぶ光景は圧巻。「ヴィーガン商品ってこんなにあるんだ!」と驚くことでしょう。
 
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所狭しと陳列された商品は、全てヴィーガン。(©Food Fight! Grocery)

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店内に並ぶチーズも植物性原料等から製造され、乳製品は一切使われていません。(©Food Fight! Grocery)

お隣の「Herbivore Clothing Co.」は、洋服やアクセサリーを販売するお店。

“Herbivore”は草食動物の意味で、オーナーのJosh Hootenさんがデザインしたヴィーガンを訴えるメッセージ性の高いTシャツが人気です。皮革を用いずにつくられたバッグやベルトの他、ヴィーガン料理のレシピ本など書籍も多数取り扱っています。
 
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「ニワトリの翼は”揚げる”ためではなく、飛ぶためのもの」と記されたトップス。(©Herbivore Clothing Co.)

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フェイクレザー製のカメラバッグ。機能性の良さが人気です。(©Herbivore Clothing Co.)

ポートランド最初の100%ヴィーガンのベーカリー店として2005年に開店した「Sweetpea Baking Co.」は、2008年に現在地に移転。

「ケーキやドーナツを楽しむのに、動物が犠牲になる必要はない!」という信念のもと、ほとんどの素材に地元産やオーガニックを使用するなど、品質の高さと美味しさには定評があります。

お店から出る約8割のゴミはコンポストで土に還元され、持ち帰り用の包装にもコンポストできる素材を利用するなど、環境への高い配慮が伺えます。
 
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香ばしい匂いが漂う店内。どれも美味しそうで、選ぶのに迷ってしまいます。(©Sweetpea Baking Co.)

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この美味しそうなベーカリー、実は卵も牛乳も使っていないヴィーガンなんです。(©Sweetpea Baking Co.)

最後は、タトゥーショップ「Scapegoat Tattoo」。日本ではあまり馴染みがないですが、ポートランドではタトゥーを入れた人々をよく見かけます。通常、タトゥーを入れる際のインクには、骨炭や皮脂など動物性のものが含まれているそうですが、このお店ではそういった動物性の原料を一切使用していません。
 
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オーナーでタトゥー・アーティストのBrian WilsonさんがデザインしたTシャツ。(©Scapegoat Tattoo)

食やファッションを楽しむのに、動物を犠牲にする必要はない

自転車利用者が多いことや、緑に囲まれ自然と共存した住みやすい都市であることから日本でも注目度が高まっているポートランド。実は、“ヴィーガンのメッカ”と呼ばれることもあるほど、アメリカでヴィーガンに優しい都市として挙げられることが多いといいます。

市内には、なんとヴィーガンのストリップクラブまであり、会場で提供される食事はすべてヴィーガンで、踊り子さんたちの装飾品もレザーやファー、シルク、パールなども一切使っていないというほど徹底しています。

そんなポートランドのサウスイースト地区に位置する、このミニモール。以前は別の場所で営業していながらも、「いつか隣同士で店を構えられたらいいね」と話していたという各店舗のオーナーたち。そんな矢先に現在の建物を見つけて、2007年から各店舗が移転したことから、世界初のヴィーガン・ミニモールが誕生することになりました。
 
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Stark通りと12番地の角に連なる、動物に優しい4店舗。ポートランドに行ったら是非訪れてみたいですね。

「Food Fight! Grocery」のオーナーBryan Zurekさんは、こう話しています。

来てくれるお客さんが全員ヴィーガンである必要はないんです。ヴィーガンの方じゃなくても、夕食の食材を買いに立ち寄ってくれるお客さんもいますしね。

一方、カナダからはるばる買い物に来てくれるヴィーガンのお客さんも少なくないんです。このヴィーガン・ミニモールは、ちょっとした観光地になりつつあるんですよ。

「美味しいものが食べたい!」「おしゃれな格好をしたい!」という欲望は、人間誰もが持っている自然な思いです。「でも、その欲望のために、どれだけの動物が殺されているんだろう?」と考えてみたことはありますか?

普段あまり気にせずに購入している食料品や衣料品などの原材料をよく見てみると、実は多くの動物性原料が使われていることに気づきます。

動物を犠牲にしなくても、美味しい食事やファッションを楽しむ方法はこんなにある! と教えてくれるヴィーガン・ミニモール。口に入れる全ての食品をヴィーガンにするのは大変だけれど、週に一食だけでも、いつもの肉や魚をお豆腐やフェイクミートに変えてみることなら、そんなに難しくありません。

動物にも地球にも優しいあなたの特別な一食、さっそく今日から始めてみませんか?

[via LA Times, Vegan World Trekker, Ecorazzi, Veg News, The Week, Roadtrippers]

writer ライターリスト

デラベキア 牧枝

デラベキア 牧枝

greenz ライター Makie DellaVecchia 宮城県仙台市の国際交流協会、中間支援NPOなどで勤務後、2012年に米国に移住。オレゴン州ポートランド、コロラド州デンバーと引越し、現在はミシガン州アナーバーで夫と猫と暮らす。 動物保護、環境、貧困、食(ベジタリアン、ヴィーガン)にまつわるソーシャルビジネスに関心があります。

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