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メッセージを発信するのでなく、その場でアクションを促す。肥満率と物価の上昇がつづくメキシコシティに誕生した、世界一健康的な駅って?

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みなさんは最近運動していますか? 体にいいことは分かっていても、スポーツを習慣化させることはなかなか難しいもの。忙しい日々の中で、ついつい後回しにしてしまう人も多いのでは?

以前、greenz.jpではロシアのモスクワで行われたソチ五輪に向けた参加型キャンペーンを紹介しましたが、そこではオリンピックのPRになるだけでなく、市民がスポーツを身近に感じるきっかけもつくりだしていました。

もっと人々にスポーツの楽しさに気づいてもらい、健康な生活をしてもらいたい。今回は、そんな思いでメキシコシティ市が展開したユニークなキャンペーンをご紹介します。

WHOの調査によると、メキシコはソフトドリンクの消費量が世界で最も多い国の一つ。高カロリーな食生活と運動不足が、近年の肥満率を上昇させているといいます。

一般的にBMI数値(身長の二乗に対する体重の比を表す数値)が25以上になると”肥満”になりますが、OECDの2013年度調査によるとメキシコは、全人口の32.4%が肥満体型となっており、その状況はアメリカ合衆国以上に深刻なのだとか。

そんな肥満を解消すべく、メキシコシティ市が地下鉄の改札近くに設置したのが、10回のスクワットをすることで日本円約45円にあたる5ペソ分の地下鉄無料券がもらえる運動マシーン。午前8時から午後3時まで利用でき、市内の30か所の地下鉄改札口に設けられました。
 
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目の前のマシーンがスクワットの回数を数えてくれます。

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近年、物価の上昇がつづいているというメキシコシティ市。運動不足を解消しながら、交通運賃を節約できるとあって、多くの人々が利用しているそう。

スクワットをし終えると、マシーンの画面には、

あなたが、ハンバーガーとフライドポテトにソフトドリンクをつけたら、920カロリーも摂取することになります。そのカロリーを消費するためにも、日々の運動を習慣にしていきましょう。

とメッセージが表示され、食生活を見直し、健康について考えてもらうきっかけも提供しているのだとか。

「運動しよう! 食生活を見直そう!」というメッセージだけでは、なかなか習慣化しないもの。けれど、毎朝素通りしてしまいがちな改札機の前にこんなアイデアが実現したら、あなたも立ち止まらずにはいられないのでは?

まずは立ち止まって、ついでにやってみるくらいの気軽さが運動の大切さに気づき、習慣化するきっかけにはちょうどいいのかもしれません。

[via springwise, the Guardian, abc.net.au, panteres.com]
(Text:大間千奈美)