ISSUEインクルーシブ 子ども

1 year ago - 2015.04.07

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養護施設の子どもたちにも、家族を感じながら育ってほしい! 温かさと絆を感じながら子どもたちが育つ場「Phuket Sunshine Village」

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みなさんが、家族と過ごした一番の思い出はなんですか?

お母さんと一緒に夕ご飯をつくったこと、クリスマスや誕生日を一緒に祝ったこと、あるいは、兄弟とケンカをして怒られたことかもしれません。

そんな、忘れられない大切な家族の思い出をふりかえったときに気づくのは、家族のあたたかさ。家族は、私たち人間にとって、社会での人間関係をつくっていくための一番大切な学びの場だといわれています。

そんな家族の絆を、養護施設で暮らす子どもたちにも感じてもらいたい。
家族との生活を通じて、学び育ってもらいたい。

そんな思いで生まれた児童養護施設を、タイで見つけました。
 
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観光地とは思えない静かなシレー島に位置する。

今回紹介する「Phuket Sunshine Village」は、プーケットタウンから東に4キロほど離れたシレー島に、2007年に建てられた児童養護施設です。

2004年のスマトラ沖地震による被害で家族を失った子どもたちを保護するために、地元の「The Lions Club of Phuket Andaman Sea」が中心になって、各地元団体、海外支援団体、そして世界中の人々からの協力を得て、3年の月日を費やして建設されました。

現在は、津波によって両親を亡くした子どもだけではなく、貧困、親の病気など様々な理由で両親、家族と一時的に一緒に暮らせない2歳~18歳の子どもたち120名が毎日元気に生活しています。

家族のような、温かくて心地よい空間を

みなさんは、「家族を感じるライフスタイル」って、どのようなものだと思いますか? 毎日、お母さんが「おかえり」と温かく迎えてくれる家、一緒に遊ぶ兄弟がいること、家族一緒にテレビを観ることなど。色々と頭にうかぶのではないでしょうか。

「Phuket Sunshine Village」の敷地内には、中央に位置するダイニングエリアとプレイグランドを囲むように、小さな家が12件ほど建っています。それぞれの家には、年齢が異なる10人ほどの子どもと “マザー”と呼ばれるお母さん的存在の女性が一つ屋根の下で暮らしています。

この、子どもたちに家庭的な環境で育てるという運営体制は、以前グリーンズでも取り上げた「SOS子どもの村」に影響を受けて生まれたアイデアなのだとか。
 
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敷地内に立ち並ぶ小さな家

マザーたちの一日は、毎朝、子どもたちを起こすことから始まります。子どもたちを学校に送り出すと、洗濯や掃除などの家事をこなし、学校が終わる時間になると、小さな子どもを学校に迎えに行きます。

小学生以上の子どもたちは毎日、施設から歩いていける場所にある公立の学校に通っていますが、2歳~5歳の小さな子どもは、施設内にある保育園で過ごします。施設の保育園は、施設内に住む子どもだけでなく、日中、子どもの面倒を見ることが難しい近隣家族の子どもたち20人ほども一諸に預かり子育て支援も行っているそうです。

子どもたちの宿題が終わったら。それぞれの家のダイニングエリアで、みんなで一緒におやつを食べるそうです。巨大な施設の中で集団生活をするのではなく、“兄弟”そして“母親”がいつもいてかつ居心地のとてもよい家族環境を与えています。
 
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兄弟のように毎日一緒に生活する子どもたち。

そして、「Phuket Sunshine Village」の認知が広がった今では、地域内のスポーツクラブや施設が、協力をしてくれるようになりました。

たとえば、毎週土曜日は英語のレッスンも開講。観光客が多く訪れるプーケット島で将来生きていくためのスキルのひとつとして、専門の先生に英語を教えてもらっています。
 
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心の落ち着きを取り戻す為に瞑想も課外事業の一つ

また、「Phuket Youth Yacht Club」は、リーダーシップや自立心が養うことができるといわれているセイリング体験を提供しています。

その体験プログラムを経験した子どもたちの中には、クラブ代表のヨットレースメンバーに選出され、島内や近隣諸国でおこなわれるヨット大会にも出場して優秀な結果もだした子もいるのだそう。
 
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タイ国内だけで死者5,305人を出したスマトラ沖地震から、10年以上が経ちました。

プーケットは、世界有数のリゾート地として、タイでも有数の裕福な都市になりましたが、貧困問題などが原因となって、親と一緒に住むことができない子どもがたくさんいます。

ディレクターのSookpranee Wongchareonさんは、こう話します。

親や家族と一緒に過ごすことができない子どもたちに、”ひとりぼっち”という寂しさではなく、温かさや安心感、そして”愛情“が与えられる環境づくりをしていきたいと思っています。

そして、子どもたちには、どんなときでも冷静に自分で考え、行動ができる人間に育ってほしい。それが、私たちの願いなんです。

住居を共にしているマザーたちや、数えきれないたくさんの人たちからの大きな愛情を注がれて、心も体も立派に成長している子どもたち。彼らがこれから羽ばたいて、新しい世界でどんな素敵な可能性を広げていくのか、楽しみでなりません。
 

(写真提供:Phuket Sunshine Village

writer ライターリスト

Kanako Tokutake

Kanako Tokutake

greenz ジュニアライター 千葉県生まれ。東京で就職→ドイツに赴任、赴任中に行ったエジプトでダイビングに出会い退職→タイでダイビングインストラクター→フランスカンヌでスパセラピスト。→現在「旅」「食」「教育」を中心に書き物をしている人生の旅人。 twitterアカウント:@oishithailand_k

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