ISSUE まちづくり

1 year ago - 2015.03.17

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見落とされがちな場所にこそ注意をはらう。国際的建築家ビャルケ・インゲルスが手がける、足を運びたくなるゴミ処理場「Syndhavns Recycling Center」

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みなさんは、ゴミ処理場に足を運んだことはありますか?

ゴミを焼却したり、廃棄物を再生しリサイクル素材を生み出す場として、とても暮らしに必要な施設であることはわかっていても、なかなか進んで足を運ぶ機会は少ないかもしれません。

そんななか、コペンハーゲンで来年オープン予定のゴミ処理場「Syndhavns Recycling Center」が、注目を浴びています。

リサイクルセンターというと、殺風景な場所を思い浮かべてしまいがちですが、「Syndhavns Recycling Center」は、地域の人々が集まりつながる場所としてデザインされています。

1200m2の敷地を持つ施設内には、ランナーのためのジョギングコース、天気の良い日には家族でピクニックができそうな芝生が、丘一面に広がっています。冬になると、あたり一面が真っ白の銀世界になり、丘の傾斜を利用して、スキーや、スノーボードなどのウィンタースポーツが楽しめるのだそう。
 
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銀世界が広がる冬の「Syndhavns Recycling Center」

実際にリサイクルを行う施設はいったいどこにあるのかというと、この丘のくぼみに位置しています。

尾根の部分には、分別の様子を上から見ることができる見学ルートがつくられ、通路の壁には、ごみがどのようにリサイクルされてまた新しい商品に生まれ変わっていくかを展示で紹介する予定。地域の人々のつながりを生むだけでなく、リサイクルそのものを学ぶ場としての機能も充実しています。

OECDの調査によると、再生可能エネルギーの普及とともに、ゴミの処理やリサイクルに積極的に取り組んでいるというデンマーク。

市民がリサイクルセンターへ自分たちでゴミを持ち込むことも多いそうですが、自分たちが捨てたゴミがどのように有効活用されていくか学ぶ機会があると、よりリサイクルセンターの利用も進みそうですね。
 
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見学コースから見る、何種類ものボックスに分別されたゴミ

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すべてのボックスの前を通れる8の字型のロータリー

この施設を手がけるのは、「BIG Design」を創設した、北アメリカやヨーロッパで引っ張りだこの人気建築家のBjarke Ingelsさん(以下、ビャルケさん)。ビャルケさんは、「Syndhavns Recycling Center」が、リサイクルセンターに対する人々の意識を一変させることができると考えています。

このとってもシンプルなリサイクルセンターは、ものに溢れ、便利に暮らしている僕たちが、自然と共存する循環型のライフスタイルを考え始めるための一つの方法だと思います。

ここは消費から再生、インフラから教育、仕事から趣味まで日常生活のあらゆる側面が結集した都市空間なんです。

僕たちがつくる未来の都市は、それを取り巻く環境のこともひっくるめた計画です。そのためには、これまでただ見逃していた日々の暮らしに隠された、豊かな可能性に気づき、型を壊していかなければいけないのです。

ありふれた物のなかから驚くようなイノベーションを探り当てるビャルケさん。「見落とされがちな場所にこそ注意を払う」という信念をつらぬく彼だからこそ、「Syndhavns Recycling Center」が生み出されたんですね。

みなさんも、リサイクルを身近にするきっかけづくりについて考えてみませんか?

(Text: 山川七海)
[via inhabitat,dezeen,BIG Design ]

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山川七海

山川七海

greenz ジュニアライター 1996年生まれ。 好きなことは言葉集め。嫌いな食べ物はセロリです。

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