ISSUE☆連載 ロレックス賞×グリーンズ コラボ連載

1 year ago - 2015.02.10

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21世紀、最大の挑戦はソーシャルデザインだ! 世界中の革新的なプロジェクトを応援する「ロレックス賞」って知ってる?

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2014年度ロレックス賞ヤング・ローリエイツの5名。彼らのプロジェクトの詳細はこちら

日本人にとってロレックスといえば、スイス製高級腕時計の代名詞。一方で、”革新”と”挑戦”を象徴するアイコンとしても世界的に認められています。

冒険家として地球の最果てを目指したり、”革新”を体現してくれる同時代の挑戦者を応援したりと、ロレックス社の姿勢に、グリーンズ編集長としてとても共感しています。
 
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そんなロレックス社が1976年に設立したのが、人類のより良い未来に貢献しようとする人々の活動をサポートする「ロレックス賞」です。

次回の「ロレックス賞」の事前審査のエントリーはすでに始まっているのですが、締切は5月末ということで、まだ時間があります。そこで、グリーンズでは、この素晴らしい賞をテーマとする記事を4回にわたり連載することにしました。

まずはその第一弾として、今回は「ロレックス賞」設立の背景や、今までの受賞者からピックアップした数名をご紹介したいと思います。

“革新”と”挑戦”の歴史

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ロレックスの挑戦の歴史を象徴するモデル「エクスプローラー」。写真は1953年に発表された初代モデル。

ロレックス社の設立は1905年。産業革命後、大量生産によって粗悪な製品が生まれたことへの反動から、生活と芸術の一致をはかろうとした「アーツ・アンド・クラフツ運動」や、機能性・合理性に美しさを融合させたバウハウスの思想が現れようとしていた時代でした。

腕時計もエレガントさだけでなく、信頼性も兼ね備えるものになるべきである。当時、創業者のハンス・ウイルスドルフは、高品質な製品の実現と、”革新”を体現する挑戦者への支援という両輪で、そのビジョンを形にしていきました。
 
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ドーバー海峡を泳いで渡ったメルセデス・グライツ。ロレックスの腕時計は、10時間以上も水中にあったにもかかわらず、完璧に動き続けていた。写真は英国紙「デイリー・メール」に掲載された、この偉業を讃えるとともに、防水腕時計の成功を発表したロレックスの広告。

1926年には世界初の防水腕時計「オイスター」を開発。翌年、当時27歳だったイギリス人の女性が、オイスターを着用してドーバー海峡を横断。ロレックスは腕時計の性能を証明し、世界的な知名度を獲得します。

1933年には、飛行機に乗ってエベレストを超える初の探検にロレックスの腕時計が同行。1935年には、世界最速のドライバーとともに時速約480kmを駆け抜け、1960年には10,916mのマリアナ海溝への潜水に成功しました。

エレガントさと信頼性を兼ね備えたロレックスの腕時計は、民間航空や深海探検とともに人類のフロンティアを、次々と制覇していったのです。

社会の”革新”を目指す「ロレックス賞」

100年のときを経ても色褪せない、ブランドへの絶大な信頼。それは同時代に生きる人たちが共有するチャレンジ精神と、深く共鳴しているからなのかもしれません。

では、20世紀の挑戦が地球の最果てだったとすれば、いま私たちが生きている21世紀の挑戦とはなんでしょうか? そのことを示唆してくれているのが、まさに「ロレックス賞」なのです。

ロレックス賞の設立は1976年。1970年代といえば、急速な経済成長に警鐘を鳴らす『成長の限界』という衝撃的なレポートが発表されるなど、世界的に環境問題が顕在化した時期。また、それは同時に、グリーンズの原点とも言えるさまざまな環境運動が盛り上がり始めた頃でもありました。

1970年前後には、伝説の雑誌『ホール・アース・カタログ』が創刊されたり、地球環境について考える日「アースデイ」が国連で制定されるなど、象徴的な出来事が相次ぎました。ロレックス賞の設立も、そんな機運のなかにあったのです。

ロレックス賞の目的は、「人類のより良い未来に貢献するプロジェクトをサポートすること」。約40年にわたり、マヤ文明の壁画調査やヒマラヤでのユキヒョウの保護、インド洋に浮かぶ離島での医療など、私たちにとって、この地球がより良い環境になるために活動する人々を称え、サポートしてきました。

受賞対象となる分野は、「科学と医療」、「応用技術」、「探検と発見」、「環境」、「文化遺産」の5つ。2009年には18歳から30歳までを対象とした「ヤング・ローリエイツ」部門も始まり、今までに25歳から74歳までの130人が受賞しています。

受賞者には賞金とロレックスの時計が贈られる他、世界的な広報キャンペーンの機会が提供されます。何より過去の受賞者や選考委員と交流し、意見交換する機会が得られるのも大きな魅力といえるでしょう。

ロレックス賞をきっかけに、受賞者の多くが世界的に活躍の場を広げています。
 
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「雨水博士」こと村瀬誠さん(2002年準入賞)

130人の受賞者のなかには、雨水を有効利用するプロジェクトで受賞した「雨水博士」として知られる村瀬誠さん(2002年準入賞)、カンボジアで伝統織物の復興に取り組む森本喜久男さん(2004年受賞)と、日本人も含まれています。

とはいえ、そもそも日本ではまだ賞自体の知名度が低く、日本からの応募は少ないのだそう。グリーンズで紹介してきた記事の中にも、ロレックス賞に値する日本のプロジェクトはたくさんあるのに、それはもったいないですよね。

アジアでいち早く成熟社会を迎え、さらに東日本大震災をきっかけにさまざまなアクションが生まれている今の日本から、ソーシャルデザインの種を世界に輸出していきたい。グリーンズが英語版「greenz global」を展開しているのも、そんな思いがあるからです。

だからこそ「面白そう!」と思った方は、ぜひ応募してみませんか? 日本から大挙エントリーが届いたら、”世界の課題を解決する”日本のプレゼンスは、きっと上がっていくはずです。

事前審査のエントリーの締切は今年の2015年5月31日。まだ時間はあるので、ぜひ挑戦してみてください!
 
※実はグリーンズも応募してみたのですが、英語の壁さえ超えてしまえば、応募はとてもシンプルでした。

万に一つ受賞できればありがたいですが、そうでなくても与えられた問いと向き合うだけで、自分たちを振り返ることができる、絶好の機会だと感じています。この記事の最後に応募手順をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

どんな人が受賞しているの?

と、いざ応募してみる前に、「今までどんな人が受賞してきたの?」というのは気になるところ。そこで、2008年以降に受賞した4人の「ヤング・ローリエイツ」をダイジェストでご紹介したいと思います。

エチオピアでの衛生教育、フィリピンでの女性支援、インドでの視覚障害者支援、アフガニスタンの文化保護…そこには現在進行形のさまざまな最前線がありました。

(1)ブルクタウィット・ティガブさん

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1981年エチオピア生まれ/2010年ヤング・ローリエイツ/科学と医療

東アフリカのエチオピアでは、マラリアなどの感染症によって、5歳以下の子どもたちが毎年30万人も亡くなっています。その悲劇を未然に防ぐためには、衛生環境を改善し、親子で病気について学び、対話する機会が必要です。そこで小学校の教師をしていたティガブさんが注目したのが幼児番組でした。

2007年、26歳のときに「Tsehai Loves Learning(知りたがりのツェハイ)」というテレビ番組をスタート。Tsehai(ツェハイ)という可愛らしいキリンのパペットと一緒に、寸劇や歌を楽しみながら、「マラリアとはどんな病気か」「どうして予防しなくてはいけないのか」といった基本的なことを子どもたちにもわかりやすく伝えています。

ティガブさん自身もパペットを操るなど、低コストで運営しながらも、番組はあっという間に国民的大ヒットに!2010年までの5年間で500万人もの子どもたちにメッセージを届けることに成功しました。

「これはエチオピアだけでなく、アフリカ全体の問題なのです」とティガブさんがいうとおり、今後は近隣諸国への展開も視野に入れているようです。

プロジェクトの詳細はこちら

(2)スミット・ダガールさん

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1983年インド生まれ/2012年ヤング・ローリエイツ/応用技術

情報技術の進展とともに、急激な発展を遂げるインド。WHOによると、全世界における視覚障害者のうち、実に22%がインドに住んでいるそうですが、その多くがその恩恵を受けていません。そこでインタラクティブデザインを専門とするダガールさんが取り組んだのが、目の見えない人でも使えるスマートフォンでした。

一般的なスクリーンリーダーでは、基本的な語学力が求められたり、読み上げ機能によってむしろプライバシーが漏れてしまうこともあります。

一方、ダガールさんが挑んだのは、触覚を利用したまったく新しいインターフェース。2009年、26歳のときにコンセプトを発表し、以降は着実にプロトタイプを重ね、いよいよ2016年の実用化を目指しています。

「テクノロジーが進化することで、さらに置いていかれてしまう人がいる。その人たちにこそテクノロジーを届けたい」と語るダガールさん。彼のスマートフォンは多くの人に希望を届けるだけでなく、新たなマーケットをも生み出そうとしています。

プロジェクトの詳細はこちら

(3)リーズ・フェルナンデスさん

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1985年フィリピン生まれ/2010年ヤング・ローリエイツ/環境

フィリピンのマニラ。とあるゴミ捨て場の近くでは、密集するように12,000もの家族が暮らしています。生計を立てるために、女性たちはゴミを拾い、ラグをつくって納品する。その収入は微々たるもので、たまたまその町を訪れたフェルナンデスさんにとって、女性たちはまるで”生きる力”を失っているようにみえました。

「彼女たちのラグを、もっと価値あるものにしたい。そして、誰もが喜ぶようなサステナブルな商品をつくりたい」そこで2007年、フェルナンデスさんが22歳のときに立ち上げたのが、「Rags2Riches」というファッションブランドです。

地元のデザイナーと手を組み、女性たちが丁寧に編んだ生地を、ハンドバッグやメガネケース、ワインボトルのホルダーといったカラフルな商品にアレンジ。その魅力的なラインナップで注目を集め、世界中のセレクトショップで販売されています。

作り手の女性も300人を超え、その多くが自尊心を感じながら仕事をしている様子。手作りを通じてコミュニティをエンパワーし、環境に負荷のないライフスタイルを広げていく。いま世界で広まりつつある成功モデルの先駆けといえるでしょう。

プロジェクトの詳細はこちら

(4)セレーネ・ビッフィさん

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1982年イタリア生まれ/2012年ヤング・ローリエイツ/文化遺産

ビッフィさんは2004年、22歳のときに教育の機会を広げるNGOを自ら立ち上げ、2009年にはダボス会議のヤング・グローバル・リーダーにも選出されています。そして、戦火に包まれるアフガニスタンの口承文化を保存するプロジェクトで、2012年のヤング・ローリエイツに選ばれました。

アフガニスタンでは長引く戦争の影響で、文化的にも大きな傷を負い、多くの伝承が失われつつあります。そこで、ビッフィさんが着目したのがストーリーテリングの力。現地に伝わる昔話を題材に、小学校で授業を行い、子どもたちの自国への誇りやアイデンティティを考えるきっかけを提供しています。

「物語には、過去と現在をつなぐ力があるんです」とビッフィさん。この地道な活動の積み重ねこそ、きっと未来のアフガニスタンをつくる土台となるはずです。

プロジェクトの詳細はこちら

おまけ:グリーンズも応募してみた

以上、そうそうたる社会起業家の方を紹介してきましたが、最後にグリーンズもやらねばということで、実際に応募してみることにしました。以下、その手順を簡単にまとめましたので、参考にしてみてください。
 
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応募ページ

「ロレックス賞」は、まず応募資格のある人ならば誰でも応募できる「事前審査」にエントリーします。この事前審査に通過したプロジェクトが、「正式応募」へと進めます。

始めに、こちらの「応募ページ」から、事前審査専用のアカウントをつくります。注意したいのは、応募内容は途中でも保存できるものの、アカウント作成後【3週間以内】に応募しなくてはいけないこと。

別に「Curriculum Vitae(履歴書)」(3ページ以内)の添付も必要となるので、ある程度、準備ができてからの方がいいかもしれません。
 
その後は「(1)個人情報」→「(2)プロジェクトのカテゴリー」→「(3)プロジェクトの説明」→「(4)プロジェクトの詳細」→「(5)その他」という流れ。

全体的に選択式の設問はさくさく進むのですが、「プロジェクトの要約」(200ワード)、「あなたにしかできない理由は?」(150ワード)、「どんなインパクトを生み出すの?」(150ワード)、「ユニークなやり方は?」(150ワード)という4つの自由記入欄は、ちょっと時間がかかるかもしれません。

とはいえ、どれも的確な質問ですし、これを機会に改めて言語化しておけば、他のプレゼンテーションの場でも活用できるはずです。

そして、最後の関門は英訳をすること。ここに関しては僕の英語レベルでは難しいので、 greenz global チームに相談しました、感謝! あとは天に任せて、日本と世界からどんな応募があったのか楽しみにしながら、果報を待ちたいと思います。
 
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(1)名前や年齡、国籍など個人情報の入力。ここはさくさくいけるかな、、と思いつつ、最後の方に、英語で書かれた「Curriculum Vitae(履歴書)」(3ページ以内)が必要とのこと。あとで用意せねば。。。

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(2)プロジェクトのカテゴリーを選択。「科学と医療」、「応用技術」、「探検と発見」、「環境」、「文化遺産」のなかで、さらに細分化されています。といいつつ、ピンときたのがなかったので、「環境」の「OTHER」を選択し、「Media for Sustainable Living」としてみました。

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(3)プロジェクトの説明を入力。「プロジェクトの要約」は、ちょっと考えなくてはいけませんね。プロジェクトゴールや成果、アプローチ、今までの活動、ロレックス賞の使い道などを200ワード以内で、とのこと。

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(4)続いてはプロフィールとプロジェクトの詳細へ。ここが山場です。「今のステータスは?」「あなたはファウンダー?」などの質問が続きます。ひとつひとつ言語化するのは大変でしたが、自分のプロジェクトを振り返る良い機会になりました。

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(5)最後はその他。「今まで応募したことは?」「何で知ったの?」といった簡単なアンケートですね。ここまで記入を終えたら、応募は終了です!おつかれさまでした。

ということで、ボリュームたっぷりでお届けした「ロレックス賞」の概要いかがでしたでしょうか? その魅力の一端が、少しでも伝わっていれば幸いです。

今後、「ロレックス賞」準入賞の村瀬誠さんのインタビューや日本から世界へ羽ばたく社会起業家へのインタビュー連載を展開していきますので、どうぞ、お楽しみに!

– INFORMATION –

ロレックス賞の紹介動画はこちら!

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writer ライターリスト

YOSH

YOSH

greenz シニアエディター/NPO法人グリーンズ理事 1979年生まれの勉強家 兼 お父さん。2004年よりウェブデザイナーとしてNPO支援に関わりながら、「デザインは世界を変えられる?」をテーマに世界中のデザイナーへのインタビューを連載。 CSRコンサルティング企業に転職後、2006年クリエイティブディレクターとして独立し、ウェブマガジン「greenz.jp」の立ち上げに関わる。2010年より編集長。秋田市出身、京都市在住。一児の父。 2016年より京都精華大学人文学部の特任講師として、「ソーシャルデザイン・プログラム(社会創造演習)」を担当予定。

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