ISSUE 環境

1 year ago - 2015.02.03

SHARES  

捨てつづけるのはもう古い。ベンチャー企業「Rubicon Global」が廃棄を減らすためにつなぐものとは?

rubiconglobal_1

みなさんは、捨てられるはずのものが有効活用されると素敵だなと思いませんか?

グリーンズでは、これまでに焼酎粕を活用した「サツマイモ発電」や、廃材に新しい命を吹き込む「クリエイティブリユース」を紹介してきましたが、廃棄物の有効活用は活発になっているようです。

しかし、世の中にはまだまだ多くの廃棄物があります。さらに活用を進めるためにも「どこにどんなゴミがあるのか分かるようになり、有効活用できる素材を運搬してくれる人がいたら…」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回ご紹介するのは、そんな期待に応えてくれるアメリカのベンチャー企業「Rubicon Global」。

その創業者、Nate Morris(以下、ネイトさん)が思いついたのは、リサイクルしたい人、廃棄したい人、廃棄物を運んで仕事を得たい人をつなげ、廃材のリサイクルによって儲かる仕組みでした。

たとえば余ったピザ生地を廃棄したいピザチェーンと製薬会社をつなげて、廃棄する生地からエタノールをつくりだすことを実現させました。一方、古いユニフォームを廃棄したいスーパーマーケットには、ペット用品の会社をつなげることで、ユニフォームの生地をペット用ベッドの中綿に生まれかわらせているのです!
 
rubiconglobal_8
余っても捨てずに資源化する流れがつくられた

このマッチングが成り立つには、まず多くの廃棄物情報を把握する必要があります。そのためにネイトさんは廃棄コストを削減する仕組みをつくって、廃棄元企業に提案しました。

それは廃棄物運送会社への発注をオークションで決めるシステムで、安く捨てたいという企業が多く集まることで廃棄物のデータが「Rubicon Global」に蓄積されていきます。

「Rubicon Global」のネットワークに加わることで、廃棄元の企業はさらに特典を得られます。廃棄物がどれくらいリサイクルされたのか、廃棄方法がどれくらい改善されどのような前進があったか報告を受けることができ、それらの情報を顧客や投資家に示すことができます。
 
rubiconglobal_2
多くの廃棄元を味方につけた「Rubicon Global」には“廃棄の流れ”が見える

一方で、「Rubicon Global」は廃棄物を運送する会社の改革にも取り組んでいます。

アメリカの廃棄物運搬が2つの巨大企業によってほぼ独占され、地域の小さな運送会社と競合していることを知ったネイトさんは、彼らに自社のオークションシステムへの参加を呼びかけ、仕事を得るチャンスを拡大させる取り組みを始めました。

この試みは最適なルートやスケジュールで運送することを可能にしコスト削減につながるので、「Rubicon Global」にとっても大きなメリットがあるといいます。

さらに、「Rubicon Global」のシステムでは小さな会社の特徴(ベテランやマイノリティや女性が経営しているなど)も廃棄元に伝えることができます。廃棄元はそうした業者と取引することで地域貢献や社会貢献ができるため、価格だけではない特徴で仕事を得られることもあるのだとか。
 
rubiconglobal_6
地域の小さな廃棄物運送会社もビジネスの味方に

小さな力をつないで流れを変える

廃棄物産業と運送業界に新たな風を吹き込んでいるネイトさん。彼が「Rubicon Global」を立ち上げた背景には、アメリカのゴミ産業への問題意識がありました。

BioCycle誌がコロンビア大学と共同調査し2010年に発表したレポート「The State Of Garbage In America」によると、「Rubicon Global」が拠点を置くアメリカでは、廃棄物の集積に使える土地が減少してきているといいます。

例えばアーカンソー州はあと600年くらいは、ゴミを捨てる場所の余裕があるそうですが、一方でニューヨーク州はあと21年ぐらい、マサチューセッツ州やロードアイランド州では8年ぐらいで空き地がなくなってしまうのだとか。

その話を聞いたネイトさんは「廃棄場にゴミがいかなくなるほど儲かる、環境にもいいビジネスをしたい」と考えるように。試行錯誤の結果生まれた、人や会社をつないでいくというアイデアが、「Rubicon Global」の活動に結びついたのです。
 
rubiconglobal_4
オフィス入口にあるロゴマークはボトルキャップでできている

ネイトさんが設立した「Rubicon Global」の仕組みによって、アメリカ国内での廃棄の流れは変わろうとしています。

今後廃棄されている資源の情報がさらに可視化されていけば、その情報を活用したビジネスが増えていくことでしょう。そして、リサイクルしにくい廃棄物の新たな活用法をつくりだすスタートアップへのヒントにもなり得るかもしれません。

大きな課題に挑戦するネイトさんの活躍ぶり。わたしたちも自分たちの力が小さいと感じたときには、ネイトさんのように味方を集めることが大事なのかもしれませんね。

[via Rubicon Global, Co. Exist, The New York Times , GreenBiz Group, Wharton Magazin]

writer ライターリスト

板村成道

板村成道

greenz ライター 1次産業や自然エネルギーを中心に、産業や業種を横断して新しい流れをつくりだすヒトやプロジェクトに注目。福岡在住。

AD

infoグリーンズからのお知らせ