ISSUE ソーシャルグッド

1 year ago - 2014.11.20

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食べ物は絶対に無駄にしない!イギリス発、廃棄された食料でつくった料理を提供するレストラン「Bristol Skipchen」

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ふと気づくと賞味期限が切れてしまっていたり、必要以上につくりすぎてしまったり。ついつい食べ物を無駄にしてしまった経験はありませんか?

わたし自身、この秋から親元を離れて暮らしているのですが、知らぬ間に野菜が悪くなってしまい捨てざるを得ないときも。

以前、グリーンズでは廃棄された食料を集めて自転車の旅をする「Food Waste Fiascos」の活動を紹介しました。今回紹介するのは、同じく食料廃棄にスポットを当てた取り組み「Bristol Skipchen」。
 
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お店の前で。ボランティアスタッフの方々。

「Bristol Skipchen」はイギリス南西部の都市ブリストルにある、一軒のレストラン。なんと、こちらのレストランは廃棄された食料を使って料理を提供しているんです!

毎年、世界の食料生産量の約40%にあたる130億トンもの食料が無駄にされている今日。イギリスでは、1500万トンの食料が食べられる状態にもかかわらず捨てられています。(出典:The Real Food Project

その原因は「イギリスの厳しい食品安全法にある」と考えた彼らは、この法律の改訂と人々の食べ物に対する認識を変えることを目指して、「The Real Junk Food Project」というプロジェクトをスタートさせました。こちらのレストランは、その団体の取り組みの一環として行われているもの。

Bristol Skipchenのメニューは、エビのサラダやロブスター、ソーセージやトマトをのせたトースト、フルーツのスムージーなど多くの種類があり、どれも日替わりで提供されています。

それもそのはず。材料は、スーパーのゴミ箱に廃棄されていたものや地元の食品店から譲り受けたものから調達しているため、「その日に何が”収穫”できるか」次第でメニューが決まるのです。
 
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エビのサラダ

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名付けて「Skipchen特製!スーパー地中海チキンサラダ」

”材料費0円”レストランのため、料理に値段はついておらず、お客さんが払いたいだけ払う仕組み。10ポンド(約1800円)払う人もいれば、0ポンドの人も。それもすべて許されるのがBristol Skipchenなのです。
 
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日替わりのメニュー。

「でも、ちょっと待って。これって違法じゃないの?衛生面、安全面は大丈夫なの・・・?」と感じる方も多いでしょう。そうなんです、この取り組みにはかなりの懸念事項があります。

実際、The Real Food Project代表のSam Joseph(以下、サムさん)はそこに注意を向け、こんなコメントを残しています。

食品の安全・衛生面には、かなり気を配っています。食べ物を手に入れたらすぐに冷蔵庫に入れて保管していますし、腐ったものは使用していません。

また、スーパーのゴミ箱から食料をとるということは、合法的なことではないのはわかっていますが、食べられるものを捨てるということの方がずっと罪なことなんじゃないかと思うんです。

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サムさん

一番伝えたいのは「食べ物を無駄にしないでほしい」ということ

このお店。実はわたしが、いま留学で滞在している寮の近くにあったので、実際に行ってサムさんにお話を聞いてきました。
 
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こちらがBristol Skipchen。ブリストルの中心地から徒歩10分程度の場所にあります。

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実際に食べた料理。ソーセージのサンドウィッチ、サラダ、コールスローでした。ベジタリアンかどうか、パンはいるか、など様々な要望に応えてくれます。お味は普通のレストランで出させるものと同じクオリティでした。

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お店の前にはきゅうりやレタスやりんごが。こちらの材料の持ち帰りもOK。食事はせず、材料だけ持って帰る人もいました。

そもそも、なぜ食料廃棄物に目をつけたのでしょうか?

スーパーのゴミ箱に捨てられている食べ物を見て、「まだ十分食べられるものが捨てられているのっておかしくない?」ということを訴えかけたかったんです。

メディアで発信したおかげか、次第に人々が食材を寄付してくれるようになりました。今では、スーパーのゴミ箱から集める食材もありますが、ほとんどは地元のレストランや食品店から食べ物を寄付してもらっています。

このように地元のお店も巻き込んだ活動になっているという、Bristol Skipchen。たしかに、お客さんも大勢いて、学生さんから学校の先生をしている人まで幅広い客層でした。

そんなお客さんから”払いたいだけ払う”システムで集めたお金は運営費にあてたり、より広い場所を借りるために貯蓄しているのだとか。

今は「Crofters Rights」というパブのオーナーに無償で場所を貸してもらっていますが、もっと広いお店で営業したいと思っています。

また、パブを借りているということもあり、今は日中のみしか営業できていません。だから夜間営業の実現が、次にぼくらが目指している目標なんです。

夜にお店を開くことができれば、スーパーに捨てられていたその日が消費期限のものをとってきて、すぐ調理して提供できます。

そうすることで、「なんで法律上で〇月△日の23:59まではOKで次の日の0:00になった瞬間に違法になるの?これって変じゃない?」という疑問を伝えたいんです。

最後に、サムさんから日本の読者のみなさんへメッセージをいただきました。

このレストランの仕組みはどの国でも応用できると思います。だから、ぜひ日本のみなさんにもトライしてみてほしいですね。

ただ、日本は貧困層の人口があまり多くないと思うので、違った角度からのアプローチもできるかもしれません。とにかく、一番伝えたいことは、食料を無駄にしないでほしい。これですね。

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この日働いていたボランティアスタッフの方の集合写真。素敵な方々ばかりでした。一番右がサムさん。最後に「Don’t waste food」と力強く語る姿がとても印象的でした。

日本でも、年間1800万トンの食料が廃棄されています。(出典:政府広報オンライン)飲食店などで働いたことのある方は、まだまだ食べられるものを大量にゴミ袋に入れることに、罪悪感を抱いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

食料廃棄の悪循環を止めるためにも、まずわたしたち一人一人が食べ物の大切さを再認識し、問題意識を持つことから始めてみませんか?

[via: BrisolSkipchen,TheGuardian,Treehugger]
(Text:大石真由)

Bristol Skipchenの活動をのぞいてみましょう。まずは「いいね!」から!
Bristol Skipchen

writer ライターリスト

大石 真由

大石 真由

greenz ジュニアライター 1993年北海道生まれの東京育ち。 2014年秋から1年間、イギリス・ブリストル大学に留学。 ライターインターン時代には、ブリストルで行われているソーシャルグッドな取り組みを、現地在住者ならではの目線でお届けしました。

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