ISSUE☆おすすめの連載! わたしたちエネルギー

2 years ago - 2014.09.24

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軽くて持ち運びのできる“超小型”ソーラーってどう使うの?DIYで“電気”をつくる「藤野電力」佐々木博信さんに聞く「小さなソーラーシステムの活かし方」

sasaki

わたしたち電力」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクトです。エネルギーを減らしたりつくったりすることで生まれる幸せが広がって、「再生可能エネルギー」がみんなの“文化”になることを目指しています。

「太陽光発電」というと、設置するスペースも工事も必要、お金もかかる…というイメージがあるかもしれません。しかし、スマートフォンやパソコンを充電したり、LEDライトを点けるぐらいの電気なら、軽くて持ち運びもできる超小型の太陽光発電システムでも十分だということをご存知ですか?

今回は20Wの超小型ソーラーシステムを使って、手づくりの電気を暮らしに取り入れている、「藤野電力」の佐々木博信さんに、その暮らしぶりを伺いました。

佐々木博信さん
神奈川県相模原市(旧藤野町)在住。奥さまと娘3人との5人暮らし。元々は神奈川県横浜市に住んでいたが、長女の小学校入学を機に、学校法人シュタイナー学園が近い藤野に移り住んだ。都内の企業で働きながら、藤野電力の講師として活動中。日本各地でミニ太陽光発電システムの組み立てワークショップを行っている。

バッテリーBOXは3kg程度。軽々と持ち運びができます

藤野電力の立ち上げ当初からのメンバーで、ミニ太陽光発電システムの組み立てワークショップの講師などをされている佐々木さん。

まずはご自宅の太陽光発電システムを簡単にご紹介していきましょう。
 
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庭先にはたくさんの太陽光パネルが立てかけられてあります。200W×1、100W×2、50W×1、20W×2の計490W分です。
 
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ソーラーパネルで発電した電気はチャージコントローラーを介してバッテリーへ。バッテリーは専用のラックとレジャーBOX(写真)に入れて管理。BOXの側面に穴を空けてケーブルを通し、PF管(ホームセンターで売っている)を使ってケーブルを保護しています。
 
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バッテリーに溜めた電気はリビングの集中コントロール盤で管理。赤い数字がパネルの発電時の電圧、青い数字がバッテリーの電圧を表しており、スマートフォンを充電するためのソケット、コンセントが設置されています。藤野電力ロゴがさりげなく入る、佐々木さんの手づくりです。
 
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発電した電気は冷蔵庫や除湿器、パソコンやスマートフォン、室内のLEDライト、充電式乾電池、そして電動バイクに使用しています。この電動バイク、走行距離は40kmと短めですが駆動性はガソリン車と変わりません。ちょっと近くに行くときに便利です。

毎日の生活に自分でつくった電気を取り入れている佐々木さんですが「最も身近に感じているのは超小型のソーラーシステム」と語ります。使用するパネルは20Wと最小クラスのもの。
 
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この20Wのパネルは、片手で楽々と持てるほどの軽さ。
 
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パネルからのケーブルは、換気扇を通して室内へ。
 
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換気扇のすぐ下に置いたバッテリーBOXにつなぎます。空きスペースにすっぽりと収まっています。
 
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バッテリーBOXの中は、

・バッテリー(12V/12Ah)
・DCソケット(USBソケット付き)
・チャージコントローラー

で構成されています。基本的にはミニ太陽光発電システムの構成と同じで、バッテリーのサイズが小さくなったイメージです。

重さは3kgもないぐらいで、楽に持ち運ぶことができます。ちなみに、箱は100円ショップで購入したパンケースを使用。DCソケットとパネルのケーブルを通すために穴を空けています。
 
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充電ができたらバッテリーBOXだけを持ち運んで自室やリビングに。佐々木さんは5WのUSBライトに使用しています。
 
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寝る前の読書にぴったりのライトをソーラーエネルギーでまかないます。もちろん、iPadなどの充電も。これが20Wの超小型ソーラーシステムです!

ちなみに、20Wの超小型ソーラーシステムを使ってできることの一例を挙げてみました。( )内は消費電力です。

・iPhoneの充電(6W)
・iPadの充電(15W)
・USB LEDライト(5W)
・12V直流LEDライト〈電球40W相当〉(2.5W)

佐々木さんが実際に使うところを拝見して、家の中で自在に持ち運べる“軽さ”は、とても大切だなと思いました。BOX自体がとてもコンパクトなので、毎日、使う場所に動かすのも苦になりません。

ちなみに、満充電すれば、一晩の間ライトを点けるぐらいならバッテリーが切れることはないとのこと。よく晴れた日なら、朝パネルをつないでおき、夜帰ってきた頃には充電が完了しています。

この超小型の20Wのソーラーシステムを、佐々木さんのお子さんも活用中だそうです。夜宿題をするときや本を読んだりするときのライトを使っています。

子どもたちも、DIYでつくった電気をつかうことが、すっかり生活の一部に組み込まれていますね。自分で電気を発電すると、どれだけ電気を使っているかが気になり出しますし、電気を『愛でる』ような感覚も生まれてくるんです。

最近では、つい照明をつけっぱなしにしてしまったときに子どもから怒られてしまいます(笑)。

超小型ソーラーシステムのモバイル化

ところで、つくった電気を家に引き込む際に「換気扇がちょうど良いところにない」という方もいると思います。屋外に置いたパネルからどうやって屋内にケーブルを引き込むかで、苦労している方も多いのではないでしょうか。

そこで佐々木さんが提案するのが「バッテリーBOX」を外に置くこと!バッテリーを外に出しても問題ないように加工すればいい、という逆転の発想です。
 
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まずは防水仕様(フタ付き)のレジャーBOXを用意。
 
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写真のBOXは佐々木さんがバッテリー保管用に加工しているので、白い結束バンドが装着されていますが、通常のレジャーBOXで問題ありません。
 
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さきほどのバッテリーBOXを中へ。パネルとバッテリーをつなぐケーブルの穴だけを側面に空けておきます。穴は電動ドリルがあれば簡単に空けられます。
 
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そしてレジャーBOXを庭に持って行き…
 
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20Wのソーラーパネルをつなげば…
 
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超小型ソーラーシステムの完成です!

レジャーBOXがフタ付きなので庭先に置いておいても、雨に濡れてチャージコントローラーやバッテリーが故障する心配がありません。

これだけ小さいなら、アウトドアにもってこいです。これからの季節、海水浴や山のキャンプでも活用できるでしょう。夜間のライトに使えますし、携帯用スピーカーをつなげば音楽を楽しむことができます。もちろんスマートフォンの充電もできるので便利!まさにモバイルソーラーです。

そして非常時の緊急電源としても活用できます。電気が使えない状況の時、太陽の光さえあればちょっとした電子機器の充電が可能です。

レジャーBOXはホームセンターで販売している数千円程度のもので十分。20Wのソーラーパネルを含めても2万円でお釣りがくるイメージです。これなら気軽につくれそうですね。

使い道が明確なら、自ずとシステムも決まってくる

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超小型ソーラーシステムを使ってリビングの照明に(直流専用LED電球を使用)

太陽光発電システムを自分で購入できるようになってきた今、発電した電気を何に使いたいか、目的を明確にすることが重要だと語る佐々木さん。

使途が明確なら、運用方法も決まってくる。例えば「USBライトを使いたい」「スマホの充電がしたい」というぐらいなら、20Wのパネルを使った超小型ソーラーシステムで十分。使い方がはっきりしていれば、それに最適なシステムをつくることができます。

そして、分からないことがあれば人に聞いちゃえばいい!私たち藤野電力のメンバーでも良いですし、わたしたち電力のfacebookコミュニティもあります。疑問や質問を投げかけてみんなで共有しましょう。そして何より、電気の手づくりを楽しむことが大切だと思っています。

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リトルトーキョーで行われたミニ太陽光発電組み立てワークショップにて(写真のパネルは50W)

確かに超小型ソーラーシステムでつくった電気で、ライトを点けたり、音楽を聞いたりすれば楽しそう!自分で溜めた電気ですから、愛着も湧いてきそうです。

いきなりエアコンや洗濯機などを手づくりでつくった電気で動かすは難しいかもしれない。だけど、スマートフォンの充電や、LEDライトといった身近なちょっとしたものなら、小さくてかわいいソーラーパネルでも、ちゃんと動かすことができます。

電気を手づくりする感覚を気軽に楽しめる20Wの超小型ソーラーシステム。太陽光発電に親しむきっかけとして、皆さんも手づくりしてみてはいかがでしょうか?

藤野電力と一緒に、暮らしの発明家になろう。暮らしをつくる学校が11月10日から開講します。
暮らしの発明家クラス@リトルトーキョー

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瀬川啓

瀬川啓

greenz ライター 自然エネルギー系ライター。 1986年大阪生まれ。 京都の大学で学び、現在は東京都在住。 全国各地でじわじわと広がる 自然エネルギー革命を追いかける日々。 小規模分散型のエネルギーが 持続可能な社会をつくると考えています。 市民発信の自然エネルギーに関する取り組みを 丁寧に、伝えていきたいです。 わたしたち電力 http://wataden.org/

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わたしたちエネルギーは、エネルギーを、じぶんごとにして楽しむプロジェクトです。エネルギーを減らしたり、つくることを楽しむ。つくったエネルギーで得られる楽しさ、幸せをみんなで共有する。エネルギーで地域が自立する。今、そんな試みが全国に広がっています。わたしたちは、greenz.jpの記事をつくること、グリーンズの学校で共に学ぶことなどを通してそんな動きをサポートし、そして共に歩みたいと思っています。 このプロジェクトは、経済産業省資源エネルギー庁GREEN POWER プロジェクトの一環で進めています。 ⇒ 特集「わたしたちエネルギー」FacebookページGREEN POWER プロジェクト WEBサイト

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