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シブヤ大学を一緒につくりませんか?設立から7年、新たな一歩を踏み出す「シブヤ大学オープンキャンパス2014」 [イベントレポート]

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こんにちは、シブヤ大学インターンの深澤まどかです。

あなたにとって、今、一番気になること、考えるとわくわくすることはなんですか?どんなに小さなことでも、自分だけしか興味がないことでもいいんです。

そんな、自分だけのわくわくする気持ちや、興味のあること、知りたいという純粋な好奇心を原点に授業をつくり、展開しているのが、シブヤ大学です。シブヤ大学の取り組みを授業に参加する以外の様々な視点からも知ってもらおうという目的で、渋谷ヒカリエにてオープンキャンパスを開催しました。

シブヤ大学の概要の他、授業をきっかけに設立されたゼミ・サークルの紹介、“授業をつくってみよう!”というコンセプトでの参加者同士のワークショップなど、授業に学生として参加する以外の視点から、シブヤ大学について知ることのできる内容です。

シブヤ大学とは?

シブヤ大学」とは、街を大学のキャンパスに“見立てる”ことによって、街のヒト・モノ・コトを再発掘し編集していく、「まちづくり」をコンセプトにしたNPOです。年間、約100回の講座を無料でひらいており、渋谷区の百貨店、社会教育館、カフェやレストランなどのさまざまな場所を教室に講座がひらかれています。

まずは、学長の左京泰明さんから、シブヤ大学の設立時の想いについてのお話。

左京さん シブヤ大学は「学び」ということで授業が中心です。何か知識を得ることももちろんですが、授業を通じて皆さん自身の中にある興味関心、わくわくすることに出逢うきっかけがつくれたらいいな、と思っています。

そこを起点にして、さらなる学びや成長があったり、活動につながったり、新たな仲間ができるんじゃないか。シブヤ大学はそのプラットフォームでありたい。そういった想いからシブヤ大学は始まりました。

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設立から7年。シブヤ大学は、新たな一歩を踏み出そうとしているところです。

これまで、授業以外にも地域や渋谷区と連携した様々な事業を行ってきました。例えば、「街の文化祭」というコンセプトのイベントづくりを通じた地域活性化プロジェクトや、マンションに“防災”をテーマとしたコミュニティづくりを行うプロジェクトなどがあります。

左京さん これらのさまざまな活動によって、最終的には街に関わる人たちの日常生活が充実し、街全体も活性化することでシブヤが、これからのまちづくりのモデルケースになることを目指していきたいと思っています。

さて、実際のシブヤ大学は?

実際のシブヤ大学の授業の様子はどんな感じなのでしょうか。
 
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東急ハンズとのコラボレーションによるコーヒーの淹れ方講座の様子

毎月第3土曜日に、大体5〜6つの授業が渋谷のあちこちで行われています。7年間で約1,000講座が開催され、教室は渋谷の300程度の場所が使われてきました。

左京さん シブヤ大学は、常に新しい授業を生みだしています。一人一人の興味や、素朴な疑問をもとにつくられているものなので、一つとして全く同じ授業はありません。

全国にも、シブヤ大学の姉妹校が広がっているとのこと。それぞれの地域の独自性を活かした大学となっているそうです。

つくり手側となって参加する

シブヤ大学には、学生登録をして学生として授業を受けるだけにとどまらず、つくり手となって、いろいろなことをやっていけるチャンスがあります。

・ボランティアスタッフ
授業の運営スタッフとしてシブヤ大学を一緒につくりあげていくことができるのが、「ボランティアスタッフ」です。各授業の受付や、授業風景の撮影&レポートなど、授業実施に関わるあらゆる運営面でのサポートをしながら、関わることができます。

私もボランティアスタッフとして授業に関わっているのですが、その中で感じることは授業をつくる人の強い想いです。どんな気持ちからこの授業をつくっているのか、その気持ちの原点はどこなのか。学生として授業を受けるだけではなく、つくり手側の想いを感じながら授業を受けることで、ひとつの授業が2倍にも3倍にも奥深いものになっていることを実感しています。

また、授業後には授業の振り返りを行い、スタッフ同士で真剣に意見交換します。その後スタッフだけでの打ち上げがあり、年齢や所属も様々な方々との交流が得られるのも大きな魅力の一つです。
 
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毎月第3土曜日の授業後には、スタッフの打ち上げを行っています

・授業コーディネーター
授業をつくりだしているのは、「授業コーディネーター」です。「こんな授業をつくりたい!」という企画から、先生をお願いしたい方にアポイントをとり、打ち合わせをして一緒に授業をつくっていく。学生を募集するための授業情報も書くし、授業にももちろん立ち会う。授業を生み出し実現するところまで、全て授業コーディネーターの役割です。

オープンキャンパスでは、授業コーディネーターになりきったつもりで、授業を考えてみるワークショップが行われました。
 
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シブヤ大学では授業をつくるとき、授業コーディネーターの「なぜ、この授業をやりたいのか?」という想いをとても大切にしています。ワークショップでも、興味のあることを中心に、どうしてそれに興味があるのか、授業にしたいのかという想いを深く話し合ってもらいました。

ずっと東京に住んでいるので移住について気になっている。

仕事をする中で、職場以外の居場所というものに興味がわいた。

他にもアートや、まちづくり、音楽、医療、コミュニティ、料理、日本文化などみなさんの興味は様々です。興味を軸に、それぞれの経験を語ったりと、話の輪は広がります。

続ける理由は、楽しさのおすそわけ

5年以上、授業コーディネーターとして授業をつくり続けている松井健二さんに、お話を伺ってみました。どうして、ずっと授業をつくり続けているのでしょう?

松井さん 楽しさをおすそわけしている、という感覚です。自分は、シブヤ大学という場所で多くのことを楽しませてもらったな、と思っています。

その楽しさを、新しい人におすそわけしたい。まず最初は、自分が「ひとりめの学生」ですが、自分が満足した次は、来てくれた人に喜んでもらえるものがつくりたい。自分のつくった授業がきっかけで人の輪が広がっていったら、もっとうれしいと思います。

グリーンズに掲載されている、他の授業コーディネーターの記事はこちら。
https://greenz.jp/2013/08/27/toolbox/

“やってみたい”から生まれたゼミ・サークル活動

授業をきっかけに始まったゼミやサークルがあります。今回のオープンキャンパスでは、5つのゼミ・サークル長の方々に登壇していただきました。
 
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手前から、松田さん、中里さん、堀田さん、大竹さん、上田さん

・映画音声解説ゼミ(ゼミ長:松田高加子さん)
視覚障害の人に向けた映画をつくり、視覚障害の人と映画を見るという活動を行っています。制作を通して視覚障害と晴眼が混ざって作業する楽しさと、映画の奥深さを体験できるんです。この楽しさを多くの人に知ってもらいたいという想いから、ゼミとして活動しています。

・キャンパスMAPつくり隊! (サークル長:中里希さん)
シブヤのお店の取材をすることと、街歩きをしています。お店に自分が行って安心できるとか、なじみの店になれたらいいなと思い、取材活動をしようと思ったのが始まりです。シブヤ大学の学生特典があるお店もあるので、HPをチェックしてみてくださいね。

・しごと課(課長:堀田顕人さん)
「楽しく働く、楽しく生きる」をテーマに活動しています。活動内容は、シブヤ大学の授業の中で、しごとや働くというテーマの授業を行うことや、働き方についてのインタビューを行い、WEBに掲載しています。

・よのなかゼミ(ゼミ長:大竹悠介さん)
よのなかの課題を解決する人やプロジェクトを紹介する授業の企画会議から始まったゼミです。ゼミ生の一人が関心のあるテーマを持ち寄り、それについて考え議論しています。(ゼミ長の大竹さんは、シブヤ大学に関わり始めてから半年でゼミ長になったという、現役の大学院生です。)

・Sing!恵比寿(サークル長:上田晋さん)
恵比寿に音楽にあふれた一日をつくりたい、道行く人を巻き込んで、1,000人で歌う瞬間をつくりたい。そんな想いから生まれた合唱プロジェクト。被災地や日比谷公園、デイケアセンター、地域のお祭りなど、様々な場所で活動を行っているそうです。
 
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このようなゼミ・サークルの活動は、すべて一人ひとりの個人的な想いから始まったもの。 “やってみたい“を出発点に、活動を行っています。

ゼミ・サークルについて詳しくはこちら。
http://www.shibuya-univ.net/club/

一緒にシブヤ大学をつくりませんか?

一人の想いから始まる授業。これらは、例えば今これが受けそうだから、などの理由でつくっているものはひとつもありません。一人のわくわくする気持ちや、興味のあること、知りたいという純粋な好奇心を原点に授業をつくっているからこそ、強く伝わってくるものがあります。

自分自身が「いい」と思えるものを大切にし、発信していく。シブヤ大学には、新たな一歩を踏み出すための小さなきっかけがたくさん転がっています。

私がシブヤ大学に関わっている中でなにより面白いと感じていることは、普段は会社員として働いている方々や学生が、ボランティアで継続して関わりながら活動を展開していることです。

関わっている方の話を聴いていると、お金や目に見える利益といったものではない、なにか自然に惹きつける魅力があるからこそ、一緒にシブヤ大学をつくり続けているのだという風に感じました。私もインターンをしながら、このシブヤ大学の不思議な魅力にもっともっと迫っていくつもりです。

みなさんも、一緒にどうですか?

(Text: 深澤まどか)