ISSUEインクルーシブ 子ども

1 year ago - 2014.06.26

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自分のためにオレガノを、おじいちゃんのために薬草を!子どもに”土地を任せる”ことで環境意識を育む「Children’s Land」

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(c)ANIA

初めて補助輪なしで自転車に乗った日を覚えていますか?「まっすぐ前を見て」「肩の力を抜いて」「漕ぐ足をとめないで」―。おそらく誰も練習なしに乗れた人はいません。では、土地の管理は?

私たちがこの地球の未来を託していく子どもたちに、「じゃ、地球をどうすればいいの?」と聞かれたとして、もしかするとその方法はきちんと伝えてはいないかもしれません。

未来を担う子ども達によって、
この地球上の「土地」が守られるために

ペルーの非営利組織、「ANIA(英語に訳すと「Association for children and their environment」)」は、ペルーの土地の一割が子ども達によって守られている状態を目指し、地域や学校内の土地の管理を子ども達に任せる試みを始めました。

そのために採用するルールは至ってシンプル。「自分のため」「家族や他の誰かのため」「自然のため」の3つにわけて土地を管理すること、です。例えば、区画のひとつには自分が大好きなピザにトッピングするためのオレガノを植え、となりには病気がちなおじいちゃんのために薬草を植え、そして残りはチョウチョのための花を植える、といったように。
 
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土地がなければ、植木鉢3つでも。ANIAのルールは柔軟に応用できます。

おこづかいをもらったら、「使う(Spend)」「貯める(Save)」「人や社会のために使う(Share)」の3つに分けて、使い方を考えてみましょう…そんな風に習った方もいるかもしれません。

ANIAの活動では、おこづかいのかわりに、普段子どもたちが使い方を決めたりすることのない「土地」について、子どもたち自身に計画、整備、管理を任せ、持続的な土地の使い方とは何か、学んでいってもらおうとするものです。

ANIAの設立者であるJoaquin Leguia氏(以下 ホアキンさん)はこう語ります。

1メートル四方の土地でも、そこで命を育て生物の多様性を養うことで、子どもたちは社会や環境に貢献する、ということを意識するようになります。

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子ども達自身が考えた土地の利用プラン。大人はサポートに徹し、あくまで子どもたちが主役

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土地を自分たちで整備する子どもたちの様子。クリエイティブに、カラフルなペインティングも。

計られるのは経済への貢献だけ?
子どもだって「環境活動人口」

経済発展を考える指標の一つに「経済活動人口」というものがあります。これは15歳から64歳までの経済活動への参加が可能な人数を指し、子どもたちは除かれます。

これに対し、ホアキンさんは、経済活動人口ではカウントしない、18歳以下の子どもたちや65歳以上の年齢層にも焦点をあてた「環境活動人口」(Enviromentally Active Population)という指標を提唱しています。子どもやお年寄りも社会や環境に貢献できることを認識してもらい、持続可能な発展のための新しい指標として広めていこうと考えているのです。

子どもたちはこうした活動を通じ、健全な自尊心とは、外見や持ち物、地位などから来るものではなく、「自分以外の命あるものを幸せにする力」が大切なんだと気づくでしょう。

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トレードマークである、自然と愛を象徴するマスコット「ANIA」の人形とホアキンさん。昨秋公開された世界の社会起業家18人を紹介する映画”Who Cares?”でも紹介されました(c)PremioIntegracion

ANIAのこうした活動は、ラテンアメリカやその他の地域で広がり、12の地域で2万人以上の子供たちが参加しました。ペルーからはじまり、南米のほかカナダ、ポルトガル、スコットランド、インドなどでも活動がスタート。

2012年には、ユネスコに「持続可能な開発のための教育」の優れた実践例として認められたほか、マスコットがテレビのキャラクターとして人気を博すなどその活動がひろがっています。
 
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「どれが大事か」ではなく「どれも大事」

ANIAのルールは、限りある資源を、次の世代も豊かに生きられる形で使っていく方法を考えることにつながります。これは、これからの地球を担っていく子ども達、そして今その資源を”使う”大人たち、どちらにとっても身につけなくてはいけないことのはず。でも地球や環境のことは、”自分ごと”ではなくどこか”他人ごと”だったり、ただの”キレイごと”に聞こえたり。

自分のこと、誰かのこと、地球のこと。本当は一体どれが大事なんだろう?私たちはついどれか一つしか選べないような感覚に陥りがちですが、3つ全てを一緒に考えるANIAのルールは、「どれが大事か」ではなく「どれも大事」なんだ、という真実を思い出させてくれます。
 
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自分のため、誰かのため、自然のため。ANIAの貯金箱も。

お金や土地の使い方をすぐに変えるのは難しいでしょう。でも例えば自分の自由な時間の使い方なら、少し変えられるかもしれません。あなたもANIAのルールで、自分のほかにもほんの少し、大切な誰かと、地球を、幸せにしてみませんか。

(Text: 田中寛子)
[via ANIA, Who Cares]

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