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知らないからこそもっと話そう!違う立場で子どもの未来を願う、保育士と小学校の先生との対話の場「がっこうの縁側」開催!

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みなさんは”小1プロブレム”という言葉を聞いたことはありますか?それは小学校に入学したばかりの1年生が、授業中ちゃんと話を聞けなかったり、集団行動をとるのがむずかしかったりと、学校生活になじめない問題のこと。

幼稚園・保育園と小学校はまったく違う文化だからこそ起こる問題といえますが、幼稚園・保育園・小学校の先生がもっと連携できれば、このギャップは改善されるかもしれません。そのためにもまず、違う発達段階を担当する先生同士で子どもについて語り合おう。そんなイベントが6月末に開催されます。

親御さんたちのつぶやきから生まれたというこの企画。主催のこどもみらいプロデューサーで「こどもみらい探求社」共同代表 /「asobi基地」代表の小笠原舞さんと、都内の小学校で現職教員をしている中村美央さんに、その成り立ちをうかがいました。
 
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(左)中村美央さん
東京都小学校教諭
学生時代 「02cafe」学生経営カフェを立ち上げる。卒業後、人材派遣会社にて営業コーディネーターとして勤務するも転職を決意。通信にて小学校教員免許獲得し、小学校にて勤務スタート。教職5年目。
教員生活のかたわら、親子向けワークショップや先生たちとの対話会も定期的に主催している。「どんな小さなことでも やりたいことを応援したいし どうすればできるか、一緒に考えたい。やってみたことを全面的に認めてあげたい。褒めてあげたい」という思いで子どもや仲間に接している。

(右)小笠原舞さん
こどもみらいプロデューサー/「こどもみらい探求社」共同代表/「asobi基地」代表 
法政大学現代福祉学部現代福祉学科卒業後、3年間社会人を経験し、保育現場へ。「大人も子どもも平等な場」として2013年6月には合同会社こどもみらい探求社を立ち上げた。保育の現場に立つだけに限らず、すべての家族に平等な子育て支援をするために、また保育士の社会的地位を向上させるために、保育の専門性を社会に活かしていく「こどもみらいプロデューサー」という仕事をつくる。
こどものより良い未来をめざして子育ての現場と社会を結ぶ役割を果たしながら、子どもに関わる課題の解決を目指し、つねに新しいチャレンジを続けている。

発達のことをもっと知れば、よりよく子どもを育める

幼稚園・保育園から公立小学校へ子どもを引き継ぐとき、保育園や幼稚園の先生は資料を持って学校に出向き、ひとりひとりについて説明します。年長さんが小学校に行って、1年生と交流したり学校体験をしたりすることもありますが、学校生活全体の流れを体験することは難しいのが現状。そこで小笠原さんが気づいたのが、「保育園に通う子をもつ親は、小学校への漠然とした不安がある」ということでした。

小笠原さん 年長さんの親御さんの話を聞くと、「いじめとかどうなのかな」ってことからはじまって、小学校に対しての不安がたくさんあるんです。いろいろな事前情報で勝手に小学校のイメージができてしまって、びくびくしているように見えました。

asobi基地には小学校の先生も参加してくれているので、それなら「実際に話を聞ける会をやろう」ということになったんです。

その会で話をした中村さんは、「親御さんたちが小学校にもっているイメージに驚いた」と続けます。

中村さん 先生にあれこれ聞いちゃいけないと思っている方が多かったんですね。保育園と違って一人で何十人もみている先生にささいなことを聞いていいのかと。「全然かまわないのにな」とびっくりしました。

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幼稚園・保育園は遊び中心の生活なのに、急に授業中心の生活に変わる。そのフォローアップは絶対に必要だと確信した2人は、さらになにができるか考えはじめます。そして、さまざまな教育現場を見る中で小笠原さんがひらめきました。

小笠原さん 教育にたずさわる人が、学校・園という壁を越えて学べる場をつくれるといいのかもなと思ったんです。保育士はちゃんと小学校で生活できるようにという気持ちで送り出すけれど、乳幼児期にしかできないことも正直ありますよね。それは連携しないと分からない。

現実には保育士や幼稚園の先生は小学校で何をするのか知らないし、小学校の先生は保育園や幼稚園で何をされてきているかをよく知らない。それこそがそもそもの問題なのかもしれないって、今回の企画を中村さんに提案したんです。

保育士と小学校の先生。立場のちがう人たちが対話する中で、「こういうことを大切にしていきたいね」という軸をつくっていくことを願っています。

社会とつながると指導も変わっていく

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平日は小学校の先生でもある中村さんですが、休日は親子向けワークショップや先生たちとの対話会(今年2月に行った「Child Future Session Week」中に開催された「子ども× I’m OK!」セッションのレポートはこちら)などを開催しています。

教師という、決して時間に余裕があるとは言えない多忙な職業をもつ中、どのような思いで会を開いているのでしょうか。

中村さん 教師になる前は企業で働いていたこともあって、学校での仕事は全力でやるけれど、社会とのリアルな接点は持ちつづけていたいなと思っているんです。

教員の研修は教科指導や学級経営、児童理解についてのものが多く、先生同士で学び、深めていくものがほとんど。だからこそ専門性を高めることができるのだけれど、先生以外の人との接点は少ないんですよね。

でもフューチャーセッションに来てくれた人は半数が先生、半数が保育士さんやNPO・企業の方など、教育に関心のある人で。いろんな立場の人が混ざった状態で日本の教育について考えると、「ああ、社会とつながって対話をする場って必要なんだな」と感じてくださった方がたくさんいて、それが嬉しかったです。

中村さん自身、対話の場に参加することで、日々の教育活動の意味をとらえなおす機会になっているとか。

中村さん 以前、デザインを学んできた方(現在「がっこうの縁側」を共同主催しているモノコトシンキングの西山恵太さん)と話したとき、「自分の感性がどこで震えるかを自覚していることが、どんな仕事においても大事だ」と言われました。

そのときちょうど国語の授業で詩を書かせていたんですが、詩を書くための種を集めようということで「詩のたねカード」をつくって持たせていたんです。毎日嬉しかったり悲しかったり、心がぐらぐらって動いたときに、「こういうことがあったから嬉しかった」と、それを貯めていく。

心が動く瞬間を書き留めるのは自分を見つめる機会だから、日常的に身につけばいつか人生に迷ったときにこの習慣がその子を助けてくれるかもしれません。最初は詩を書くために必要だと思っていたのですが、その話を聞いて、このカードを書くことそのものが大事だなって気づくことができました。

自分が普段していることの意味を改めてとらえ直すことで、子どもに語りかける言葉の重みもちがってきます。コミュニケーションそのものが仕事である先生たちにとって、対話という機会は思っている以上に肝心なのかもしれません。
 
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私自身、小学校の教員をしていましたが、その経験を振り返ると、学校には独特の磁場があるように思います。校種や教科などが同じ属性の人同士で集まりたがってしまい、それが蛸壺のような出口のない閉塞感をつくってしまうこともある。いじめや不登校が減らない今の学校現場は、そのような大人の傾向の写し鏡なのかもしれません。

だからこそ、対話を通じて、さまざまな立場の人同士が触れ合うことこそ、閉塞感を突破する鍵になるはず。そばにいる「先生」と呼ばれる人たちが何を思い、何を考えているのか、みなさんもちょっと話を聞いてみませんか?
 

【がっこうの縁側】 保育士×小学校教諭 Ver. 〜つながりある育ちの環境づくり〜

子どもたちは、人生で何人の先生と出会うのでしょう。

保育園の先生
小学校の先生
中学・高校・大学の先生
塾や習いごとの先生

先生の一言が、先生と過ごした時間が、その子の人生を大きく変えるかもしれません。

そんな、子どもたちの大切な成長に関わる仕事「先生」毎日子どもたちと向き合いながら、どんな想いで、どんな風に過ごしているのでしょう。その子に関わる時期は違っても、お互いの想いを聞き合い、手をつなぎあい、チームになれたら…もっと素敵な先生たちになれるのではないでしょうか。

まずは、小学校の先生と保育士とで、一緒に語り合い、これからできることを考えませんか?

日時: 6月29日(日)12:30受付 13:00〜16:00
対象: 小学校教諭・保育士・幼稚園教諭
場所: co-ba ROYAL ANNEX
JR大塚駅徒歩6分
定員: 小学校教諭15名 / 保育士・幼稚園教諭15名
参加費: 1000円

【申込み方法】
参加希望の方は下記より申込をお願い致します。
https://jp.surveymonkey.com/s/58X3G9Q

【タイムスケジュール】
12:30 会場・受付
13:00 自己紹介
13:10 子どもたちを取り巻く環境とは
13:15 先生・保育士・ママのトークセッション
*休憩*
13:45 対話(ワールド・カフェ)
*休憩*
15:10 振り返り・シェア
16:00 終了

※子連れOK!
※ママ先生たちもぜひお越しください!!