ISSUE☆おすすめの連載! わたしたちエネルギー

2 years ago - 2014.04.30

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応援はいらない、自分で動こう。三宅洋平さん×江原春義さんが語る「これからの文明論」とは?(後編)

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前編><中編>とお届けしてきた「三宅洋平さん×江原春義さん対談」もいよいよ最終話。

科学の言葉を学び、R水素で新しい小さな経済をつくることで何が起きるのか? 大胆に思考し、具体的に行動する2人の語らいは、新しい人間像へと行き着きます。ふたりの言葉が導く想像の世界で、近未来の人間のありようを存分に堪能してください!

※前編、中編をまだご覧になっていない方は、ぜひそちらからお楽しみください

地球全体をホリスティックに考える

三宅さん いま希望がどこにあるかといったら、僕ら人間ひとりひとりなんだよね。

だからR水素の世界観をベースにした社会をつくっていくためのマイルストーンとして、まずはモデルハウスやモデル地域をやらないと。駆け出しで3000万円ぐらいあればできそうなら、3,000人が1万円出してくれればほぼできるよね。

東京で、そういう環境的な会議を開ける、環境意識のモデルハウスのような活動拠点、精神的パワースポットになるカフェを運営したらいいんじゃないかと思う。R水素のネットワークを運営する前に、カフェを運営すれば、そこにスタッフが集まる。

そこのスタッフたちで、情報の整理や発信をする。そして、集まってくる人々のケア。ネットワークを運営するとなると、いろいろやるべきことが出てくるから、その実務を一体どうやって動かすかを考えた時に、カフェを運営しちゃうのが一番いいと思っていて。

そのカフェの運営費と人件費がまわれば、組織としての利益は要らないじゃん。だから、比較的勝負しやすいでしょ? 維持さえすればいいんだから。循環してればいいだけ。そのうごめきが、ネットワークの維持に繋がるならば、そういうお店が実際に動いているという状況を獲得したいという目的のファンドが成立する訳。そういう話が、いちばん、オレの中では盛り上がることだね。

情報網を構築して維持することにおいて、目に見えないネットワークとか、参加者が1万円ずつ年会費を出す手法よりは、お店を存在させたほうが、それがメディアにもなるし、居所にもなる。

ハルさん いいね。そのカフェでは、R水素のヴィジョンからつくり方までをわかりやすく説明する。そこを、世界に向けた発信拠点にすれば、科学技術や情報が逆に集まってくるようになる。運動を含めてね。

この50年、僕が物心ついてから今までに、テクノロジーって想像もつかない進化を遂げたんだよ。紙と鉛筆でやっていたことをコンピューターでできるようになったり、テクノロジーの進化が進化を高速化させているから、今後10〜20年で、今から想像つかないような進化を遂げるはずだよね。そう考えるほうが自然というか。

たとえば、実験室レベルでは反重力で車はもう浮くだろうし、車が浮けば地面との抵抗がなくなるから、少しの燃料でたくさん走れるようにもなるとか。そういう、信じられないようなテクノロジーの進歩があることを前提にして、それをどう使うかというときに、常に「全体を考える」ことが大事。

だから、例えばそんなカフェができたときに提案したいのは、地球全体を、ホリスティックに考え、自分の足元で行動すること。”Think Globally Act Locally”の両方を満たすかダブルチェックをすること。
 
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Some rights reserved by sololoqueveo

自分が今までに見聞きした狭い範囲で、原子力は地域にお金が落ちるから、とか、これで日本の電気が賄えるからいい、と判断するんじゃなくて。地球全体にとって意味のあることなのかどうかを考えるという、当たり前の思考プロセスを主流化していきたい。

政治家も産業界も、自分たちが儲かれば戦争が起きようが知らんぷり、という「誰も責任を持たない状態」をなんとかしたい。世界級の一流企業って言われてる自動車メーカーだって、つくって売っているのはガソリン車だからね。石油で戦争が起きているのは、彼らだって知ってる。

でも、その責任をどう取るかなんてことを真剣に考えている人は、経営幹部に少しはいるかもしれないけど、大きな動きになっていないよね。今回の原発事故や気候変動を、誰も責任を取らない社会から脱却する、人々が責任に目覚めるチャンスしないと。

そうすると、昨日まで喧嘩していたような人たちが、力を合わせようと動き出す。韓国と中国と日本がもめているけれど、地球レベルの問題を共有した時に、「喧嘩している場合じゃないよ。やろうよ」という時代にシフトしていく。

誰も責任取らない社会から、誰も責任取るのが当たり前という社会にシフトすると、新しい人間の姿に変わっていく。人間の脳と精神と意識の使い方の拡張が、もっと進んでいく。それにしても絶対に避けることのできない近未来は大変だよ。僕たちがやったツケを、近未来の世代は払わないといけないから。

普段の生活の中でも、誰もが地球の異変に気付いているように、このままいけば惨めで苦しい大変な時代がやってくるけど、その先にある未来の新しい世界の展望があれば、そういった困難に立ち向かっていくための強さと希望を持つことができるはず。それを通り抜けた次の世代は、今の真逆の価値観で、社会全体が慈悲深い両親ような役割を担う”new civilization”を創造する素晴らしい時代を創るだろうね。

ただ、ここ数十年は、本当に大切なものを失うだろうし、きれいな水や空気、森林などのライフラインも壊れていくだろうしね。だけど、再びそれらを取り戻した時には、ほんとうに無上の歓びがあるんだろうね。

今、色々な小さい運動があるけれど、今後、恒星が集まって巨大な星団を創るように市民運動は一つになっていくだろうと思う。そうやって、社会がひっくり返る。その為のエネルギーとして、僕はR水素を推進してるんだよね。
 
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勇気を持って、責任を果たす

編集部 責任を取る、というとき、その方法っていろいろあると思うんですが、三宅さんは大きいところでは、選挙に出ることで責任表明をしていますよね。そこに、自分の人生のリソースを投じている。ご自分の中で責任をとる部分と、それ以外の部分を、どのようにバランスさせているんでしょうか?

三宅さん バランスが取れていないから、困っています。もっと多くの人々が動いてくれないと。オレや(山本)太郎君だけじゃ、無理。オレや太郎君の人生を全部使ったって、できないし。

日本の社会って、ゲームメーカーはいるけど、フォワードがいないと思う。日本のサッカーの歴史と、とても似ている。前に出て点を取りにいく人がいないんだよね。「自分は、つぶされない距離からいいパスを出せるよ!」という人は、いっぱいいるけど。みんな、「オレは両方見えるところにいたいから」って言いながら。

日本って、ミドルフィルダーは優秀だけど、点が入らないから。ということは、一言で言うと、勇気。勇気のあるやつが少ないんだね。それはたぶん、日本民族の特性だね。

ハルさん うん。覚悟が足りない。

三宅さん 日本人って、そういうところがあるよね。腕っぷしに自身があるトライブじゃないんだよ。だから、喧嘩じゃない方法でなんとか勝とうとするんだけど、それでも、性質として勇者にならなきゃいけない人間が、いま必要じゃん? それが足りてないなーってすごく思う。

まぁ、もうちょっと質問の趣旨に答えるなら、どこでそのバランスを取っているのかと言えば、「これはとても不公平だ」と思っているから、身の回りで、自分の人生の余力を、オレと同じぐらいの温度感で使う人を増やして、チームづくりを進めてる。最小限のチームだよね。

それで、10人が1/10の余力で1のことをやるようなチームをつくって、自分が寝たり食ったり日頃生活することを維持させてもらわないと、自分の力が発揮できないから。

日本人ってさ、箱根駅伝でぼろぼろになっているランナーを応援するのが、好きじゃん? でも、そのスタンスを政治家に対してもしていたら、何も動かないよ。オレがぼろぼろになってる横で、「感動した」なんて言っている余裕があるなら、お前もやってくれよっていうこと。

だからオレは、「応援するな」って言う。応援されると、本当、むかつくんだよ。「がんばれ」とか、どのつら下げて、オレに言ってるんだって。

だから、動いてくれる人を増やすしかない。危機感を持ったから。このままだと、オレはつぶれるって。でも、なんか、オレががんばってるのが当たり前になってて、みんなはそれを見ているのが好きなんだって・・・。
 
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ハルさん オレもさ、アカデミックな人たちに「啓蒙活動してくれ」ってよく言われるんだけど、まるでオレが全部やるみたいに思われるから、「ちょっと待ってくれよ」って。確かにオレはリーダーシップを持ってやっているけど、エンジニアでも何でもないし。やっぱり大切なのは、ひとりひとりが立ち上がってつながって動いていくことだと思うんだよね。

三宅さん だからぼくも、「我がこと」として自分を主役にする人を増やしているし、そういう意味では、「どこから政治参加ですか?」って人にきかれたら、「立候補からです」って答えるね。極論だってわかってるよ? でもあえて、みんなに対して突きつけることなんだけど。

そんなに主張したいことがいっぱいあるんだったら、君が出ればいいじゃない。そうそれば、一字一句君が思う通りの候補者が誕生するよって。それをやらないで、「誰かにやらせよう」という発想でしょ? 国政なら、まだわかるよ? 地方までそれじゃ、絶対に何も変わらないから。1万人ぐらいのひとが動けば、オレは1候補者程度の努力で済む。

この、いまの100ぐらいのことを背負っている謎の状況から抜け出したいし、twitterやってfacebookやって、3年に1回選挙してれば、いいぐらいだったら楽だな。そういうひとが、1万人いればいいんだから。本当に、それってある種、別ベクトルのエネルギー問題なんだよね。人間の精神のエネルギー問題も、いま非常に重要。

ハルさん そうそう、だから「意識のシフト」って言って。ぼくらは人類全体の共通利益を単純に追い求める」その単純っていうのが、すごく大事で。ノイズが「そんなんじゃ生活できない」「そんなんじゃ会社儲かんないよ」とかって、ブレーキをかけてるんだけど。「単純にやりましょうよ」って、そこを言いたい。

三宅さん ブレーキをかけてる人は多いよね。

まずは、自分の身の回りの人に、自分の言いたいことが伝わるようにすることだったりする。伝え方が浅いと、劣化コピーがどんどん広がっていくけど、自分のまわりの人に本質的に伝えていって、彼らに自分の考えとして述べられるようになってもらえば、同じ現象が波及していくから。

あとは、慣れだよね。R水素を話題にする原点としての3分ムービーがあれば、じいちゃんばあちゃんとも話せるじゃん? 映像によるコミュニケーションの場ができたことってすごく追い風だから。

水素が当たり前になる時代だからこそ

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編集部 今日はありがとうございました!最後にこれだけは伝えておきたいということはありますか?

ハルさん そうだね。とにかく今年か来年あたり、水素が当たり前になってくるよ。

三宅さん ただ、ちょっと違う方にずらされてるんだね?

ハルさん そうそう。

三宅さん 化石燃料ありきで。

ハルさん うん、トリッキーよ。彼らは、「当分の間はコストやインフラ整備のために化石燃料を使います」って言うよ。

三宅さん いや、でも、一回つくっちゃったインフラが、どれだけ変わりにくいかということだよね。

ハルさん 彼らは、「未来はきっと」ってずっと言うの。でも、いつまでたっても、その未来はやってこない。政治と一緒で、働きかけないとね。

三宅さん 面白い話だから、面白く話せば勝手に広がると思うよ。うん、あとは具体性だよね。何のアクションができるかについて。

ハルさん やっぱり、たくさんの人が知ってもらうことが大事だね。いまの常識に、R水素っていう常識を一つを付け足さないといけないから。

「人類全体の共通の利益を単純に追い求める」そんな大きなビジョンで、ひとりひとりが、自ら変化の風を携えて、まわりに影響を与えて、つながっていくっていうことでしょうね、それが結果として、本当の自分自身の利益になるって気づいていく壮大な旅なのだと思います。

(対談ここまで)

 
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以上、お届けしてきた三宅洋平さん×江原春義さん対談、いかがでしたか? <前編><中編>、そしてこの<後編>とたくさんの話題が出ましたが、それぞれにとってどこか感じるものがあれば幸いです。

これからもR水素ネットワークとのコラボレーションで、普段のグリーンズではあまり触れることのない、大きなビジョンをお伝えできたらと思います。どうぞお楽しみに!

(構成: 浅倉彩)

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