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パパは「自然」のマーケティングディレクター!デジタル世代の子どもたちと一緒に自然を取り戻す「Project Wild Thing」

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(c)ProjectWildThing

あなたは毎日、どれくらいの時間、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器に触れていますか?もし計ってみたとしたら、ちょっと驚くくらいの長さかもしれません。

デジタル機器の普及による生活の変化は、子どもたちも例外ではありません。時代の変化とともに、かつては普通のことだった「外をかけまわる子どもたち」は、自然の中から急激に姿を消しました。日本の子どもたちは、2歳になる頃には2割弱がスマートフォンを使っているという統計も。そしてこの傾向は、日本だけのものではありません。
 
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かつてはあちこちで見られた、自然の中で遊ぶ子どもたち。

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デジタル機器の普及で、子どもたちの生活も一変しました。

「森で遊んだ最後の世代」にならないように

イギリスに、そんな子どもたちの生活に危機感を抱いた一人のパパがいます。二児の父であり、映像作家であるデイビッド・ボンドさんはこう語ります。

私たちが子どものころは、学校が終われば教科書を放り出して森へ遊びに出ていました。でも私の子どもたちは違います。もし、自然と断絶した世代の子どもたちを育ててしまったら、いったいどうなるのでしょうか。私たちの世代が「森で遊んだ最後の世代」なんてことにしたくないんです。

そして彼がとった行動はユニークかつ具体的。この、「誰も見向きもしなくなった、無料かつ優れた商品」-そう、自然です-のマーケティングディレクターに自ら就任。マーケティングのプロ、脳科学者、自然の専門家などに助言を求めて世界中を飛び回り、子どもたちの意見を聞き、街中で「自然」をPRするキャンペーンを展開するのです。
 
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ブランド名:自然。役職:マーケティングディレクター

彼はこのプロジェクトを映像化し、世界中の親たち、子どもたちを巻き込むムーブメントにするため、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で資金を募ります。そしてついに、一本の映画を作り上げます。その名も「Project Wild Thing」。

彼の挑戦と、自然を取り戻すことで生き生きと輝きだす子どもたちを描くこの映画は、現在、イギリスのあちこちで上映されています。さらにサイトでは6,000を超える個人や企業が「ワイルドな仲間」としてエントリーし、自然と親しむアイデアやインスピレーションをシェアしています。
 
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(c)ProjectWildThing

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子どもたちは生来遊びの達人。「自然なんて退屈」なんていうのは、遊び方を忘れてしまった大人の姿を映しているだけかも。(c) @Boafrosh

私たちは毎日いろんな広告を目にします。意識するしないにかかわらず、その影響は強力です。一方で、デイビッドさんがマーケティングしている自然は、タダ。そう、自然に値札はついていません。でもそれは、価値がない、ということと同じでしょうか。

私たちが日々見過ごしている、CMも広告もオススメしてはこないものの中に、もしかしたら大切なものはあるかもしれません。あなたも次の休日、少しの間スマートフォンをオフにして、外へとでかけてみませんか?
 

オフィシャルトレイラー。アップルストアの前で「iPadは置いといて、子どもたちを外に連れ出そう!」と叫んでまわるデイビッドさん。誰も聞いていない様子もコミカルに描かれます。

(Text:田中寛子)

[via Inhabitots]