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遊び方は自由自在!未来のエンジニアを育てるアップサイクル&オープンソースな工作キット「Strawbees」

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みなさんはこのカギ型のパーツ、何に使うものだと思いますか?

先日、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」で91,660ドル(約940万円)の資金調達に成功したばかりで、特に北米・ヨーロッパの教育関係者から注目を集めています。これだけの支援が集まった秘密とは一体何だったのでしょうか?
 
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実はこれ、スウェーデンの会社「CREATABLES」が発明した、「Strawbees」という子どものための工作キット。CREATABLESは国内各地の工場に製造ラインの改善を提案、これまで廃材となっていたパーツから新商品を開発しています。そう、Strawbeesは工場の廃プラスチックを再利用したアップサイクル製品でもあるのです。

遊び方は、ストローやダンボールと組み合わせて立体的な工作が楽しめるというシンプルなもの。しかし、あなどってはいけません。例えばこんなものまで作れたりするのです。
 
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これは…犬?ストローにStrawbeesの突起を差し込んで組み立てます。

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ダンボールは鉛筆で穴を空けてから組み立てます。子どもサイズのクレーン!

想像力のおもむくままに工作を楽しんでみたり、何かを参考にしながら自分でそれを再現してみたり、デザインがシンプルなだけにその遊び方は自由自在。

手を動かしてものを作りながら、楽しく数学・工学・建築学的な思考を身につけられます。また、ストローを骨組みに建物の模型を作れば、模型のゆがみ、負荷のかかり方を簡単に確かめられるなど、研究・開発レベルでの活用も提案されています。
 

その名もInfinite Kit。パーツを自分で作るだけでも楽しそう!
 
そしてStrawbees最大の魅力は、なんとパーツそのものを自分で作れるキットまで販売されていること。これさえあれば、例えパーツが足りなくなってもStrawbeesを買いに行く必要はありません。牛乳パックやプラスチック容器があれば、何個でも自分でパーツを作れるというわけ。

ゴミをリサイクルしてできるので材料費はタダ!工作の可能性はまさに無限大!学校にこのキットがあれば、クラスみんなで巨大オブジェを作ることだって夢ではありません。既製のおもちゃで遊ぶことが当たり前になった子どもたちにとっても、ありふれたものを使い自分で遊びを創る楽しみを発見できそうですね。
 
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こちらはカニのはさみの構造を再現!こんな複雑なものもストローとStrawbeesだけで作れます。

さらにStrawbeesの作り方はオープンソース・ハードウェアとして公開される予定。誰でも利用できるようになるそうです。CREATABLESの主要メンバーの1人Erick Thorstenssonさんは次のように述べています。

Strawbeesはいわば社会実験だと思っています。クリエイティブなおもちゃをオープンソースにしたら、一体どうなるのか、社会はどう変わっていくのか、それを確かめてみたいんです。

素材が簡単に手に入り、装置も遊び方もローテクなStrawbeesは、誰でも簡単に使えるからこそ、社会に広く受け入れられる可能性を秘めています。オープンソース化されたことで、どんな進化が生まれるのか楽しみです。

残念ながらInfinite Kitはまだ買えないのですが、普通のStrawbeesは日本からでも購入できるようです。まずはみなさんも手にとって、実際につくってみませんか?
 

 
(TEXT:伊藤友宏)
[via FAST COMPANY]