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2 years ago - 2014.02.26

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「アレがついてる人は10%割増しの料金です!」男女間の賃金格差をトコトン見える化したキャンペーン「DEMAND EQUAL PAY」[Cannes Lions2013]

s_Demand Equal Pay

2013カンヌ受賞作の連載、今回は、ニュージーランドからの事例をご紹介します。

ニュージーランドは男女平等への意識が高く、労働の機会は均等に与えられています。ところが、賃金の面では格差が残ったまま。同じ仕事をしていても、女性の場合は平均で10%低い賃金しか払われていないのです。

この問題を解決するため、世界的な女性団体である「YWCA」は、いかにそれが不合理なことかを社会に伝えるキャンペーンを実施しました。

その鍵となるアイデアは、「女性よりも10%高い賃金をもらっている男性に、10%高いお金を払わせよう」というもの。賃金というものは外には見えにくいですが、物やサービスの料金は表に出ているので、その差が露骨に見えるんですね。

DEMAND EQUAL PAY1

その「男性割増」アイデアをまず実行したのが、国会議事堂前で開かれた移動型のコーヒーショップ。

本日は、すべての男性のお客さまから10%の割増料金をいただきます。

という看板を目にした男性たちは戸惑います。特に政治家は、そのメッセージを無視することはできません。

同時に展開されたムービーも奮っています。駐車場で男性が料金を払おうとすると、「チ○ポがついてるなら10%割増しだ」と言われるという内容です。

そして、その週の労働時間の90%が終わる午後1時に、女性たちにこんなメールが送られました。

この文章を読んだあとの時間、あなたはタダ働きすることになります。

男性と比べて10%賃金をカットされているということは、残りの10%の時間はボランティアだ、ということですね。

さらに、1年の労働の90%が過ぎる11月末には、「今日から年末まで、働くかどうかは女性の自由です」というメッセージの新聞広告を実施。

この一連の取り組みはメディアで話題となり、キャペーンのウェブサイトには多くの人が訪れ、寄付を増やすことができました。ちなみに、このウェブサイトも男女の「ズレ」をデザインの肝にしているあたりが徹底的です。

Demand Equal Pay

ふだん見えにくい賃金の差をトコトン「見える化」することで成功したこのキャンペーンは、多くの資金を得ることで議員たちへのアプローチを促進させることに成功し、男女平等賃金への動きを活発化させることにつながりました。

「見える化」は色々なところで使われるアイデアですが、さまざまなメディアを駆使し、それぞれに合った見せ方でひとつのメッセージを伝えたところが成功につながったポイントかも知れませんね。

カンヌライオンズ受賞作の連載は続きます!引き続きお楽しみに。

(翻訳協力:モリジュンヤ

writer ライターリスト

丸原 孝紀

丸原 孝紀

greenz シニアライター 1976年京都生まれ。コピーライター(東京コピーライターズクラブ会員)。企業に社会貢献型のコミュニケーションを提案するとともに、NGO/NPOのクリエイティブを積極的にサポートしている。社会課題を解決するアイデアを提案するプランング・ユニット「POZI」のプランナーとしても活動中。

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