ISSUE ☆日本と世界のソーシャルデザイン

2 years ago - 2014.01.26

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“伝説のスピーチ”のあの人が来日!日本ツアーを企画したナマケモノ倶楽部・藤岡亜美さんに聞く「母になったセヴァンが伝えたいこと」

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1992年、リオデジャネイロで行われた地球サミットで「どうやって直したらいいのか分からないものを、これ以上壊し続けるのはやめてください」という伝説のスピーチをしたセヴァン・スズキ。

当時12歳の少女だったセヴァンは、今や二児の母となりました。そして、大人になった彼女が今年2月、家族とともに来日。日本各地をツアーします。「Love is the Movement!」と題されたこのツアーを企画したナマケモノ倶楽部の藤岡亜美さんに、その全貌と、想いについて聞きました。

母になったセヴァンからメッセージを届けたい

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藤岡亜美さん

丸原 まず、どういう流れで今回のツアーが企画されたのか教えてください。

藤岡さん セヴァンとは私が共同代表をしているナマケモノ倶楽部をつうじてを通じて知り合いました。世話人の辻信一さんがお父さんのデヴィッド・スズキさんと親友で、12歳のときのスピーチを日本に紹介したのがナマケモノ倶楽部なんです。

当時リゾート開発による環境破壊が懸念されていた西表島をいっしょに旅して、カヌーや植林をしたり、雑誌にエコツアーを宣伝したりもしました。家族で日本に来るチャンスがあるという話を聞いたので、それならばぜひ、お母さんになったセヴァンから日本の人たちにメッセージを届けてほしいとお願いしたんです。

いま日本をめぐる環境は、急速に悪くなっているように思っています。たとえば、ナマケモノ倶楽部ではずっと脱原発を応援する活動をしていますが、震災による事故があったにもかかわらず、再稼働を急ごうとする動きや海外にも原発をつくろうという流れがありますよね。自分の知らないところで誰かが何かを決めて、それに従わざるをえないという空気。

でも、そこを変えていきたい。いままで環境問題や政治に関心がなかった人たちも含めて、もっと広く「こんな風に暮らしたいよね」と話し合えるような社会にしていきたいと思っているんです。

誰の心にもある深い愛に気づかせてくれるセヴァンの言葉を、日本にいる多くの人が動くきっかけにしたい。そんな日本の背景と想いを伝え、日本全国で面白い取り組みをしてる人たちのところをまわるツアーを提案しました。

丸原 ナマケモノ倶楽部からの提案を、セヴァンはどう受け止めたんでしょう。

藤岡 ママとしてのリオスピーチをする、という私のアイデアはとても気に入ってもらえて、セヴァン自身も数年間考えてきたことだと言っていました。アウトドアマンやアーティスト、アイヌ民俗の人たちなど様々な人たちを巻き込んでいることにも、チャレンジンングで、ファンタスティックなツアーになりそう、と本人も期待してくれています。

一方で、セヴァン自身も、3.11以降の日本の動きは残念に思っているようでした。彼女が住むカナダでも史上最大の環境破壊ともいわれるタールサンドの石油開発が行われていて、大変な状況にあります。彼女がスピーチをしたときから、経済中心の社会は変わっていません。

でも、私たちひとりひとりには変える力がある。それは、愛です。当時のスピーチで話したように、自分の子どもを愛しているというなら行動して欲しい、地球への愛を話し合おう。母になった今だからこそ、さらに訴えていきたいという熱意を感じました。
 
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セヴァン・スズキとその家族

丸原 愛というと、日本では男女の愛や親子の愛といったように、甘くてやさしい印象が強いですが。

藤岡 セヴァンが気づいて欲しいと思っているのは、命に対して抱く愛、自然への愛といった大きなLOVEですよね。今回のツアーはバレンタインの時期に合わせて行われますが、町中にピンクのハートがあふれて、身近な人に愛を伝え合うタイミングだからこそ、多くの人に深く、広い愛について考えるチャンスにできるんじゃないかなと思っています。

丸原 日本での愛の捉え方が変わるきっかけになるといいですね。ツアーの内容はどのようなものですか。

藤岡 セヴァンのスピーチがメインです。それに映画の上映や音楽フェス、農や食、先住民、フェアトレードをテーマにしたイベントや、お母さんたちを対象にしたトークなどが会場によって用意されています。

丸原 タイトルの「Love is the Movement!」にはどんな意味があるんですか?

藤岡 今回のセヴァンの来日は、1カ月限りのツアーで終わらないと思っています。彼女が伝えるメッセージを、それぞれの地域で受けっとった人が好きなかたちで表現し、その活動を継続する。1カ月のツアーをそのきっかけにして。「Love is the Movement」というタイトルやロゴを、自由に使っていただいていいですし、それぞれが「愛で世界をかえること」を応援しあい、環境や政治について表現し語り合う機会もどんどんつくっていって欲しいです。

愛をテーマにしたアートなんかもいいですね。こんなのやります、というアイデアがあれば、Facebookページでも紹介することがあるので、どんどん自分なりの表現でムーブメントにしていって欲しいんです。セヴァンが2月に蒔いた種に、水を与えあい、春からぼんぼん咲いかせていくイメージです。キャンペーンじゃなくて、ムーブメントなんですから!

丸原 それぞれの人が、自分の好きなことやスキルを使って、このムーブメントを広げていってほしい、ということですね。

藤岡 はい、「Love=好きなこと」なんです。丸原さんにも、コピーライターとしての技術を生かしてこのムーブメントのコピーを書いてもらっていますが、そんな形で、それぞれに自分なりの「Love is the Movement」を表現してほしいんです。

他にも、映画の配給をしているユナイテッドピープルの関根健次さんは、テーマが近い映画『オキュパイ・ラブ』の上映会を展開しています。

カイカイキキという芸術集団に所属し、世界中で個展を開催しているアーティストの佐藤玲さんは、各会場で参加者から愛の写真をあつめてオブジェ作品をつくります。逗子で海での学童保育をやっている永井巧さんは、子どもも楽しめる農園でのフェスティバルイベントを仲間と企画。記者会見には世界を船で旅するNGOで働く小野寺愛さんが同じ母として通訳をしてくれます。

いろんな人のアイデアと動きで、どんどん面白くてパワフルなムーブメントになっているのでワクワクしています。
 
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未来に向けての種を撒いていく

丸原 これから考えているアクションはありますか?

藤岡 NGOやNPOといった団体や企業とも広く連携していきたいですね。「Love is the Movement」の旗印のもと、ふだんの活動をキャンペーン的に打ち出していって欲しいです。そうすることで、地道に続けてきた動きに光が当たる、そんな流れを一緒に作れたらなと思っています。

例えば、パタゴニア社はツアーのオフィシャルTシャツを協賛してくださるだけでなく、参加者が持って来るお古のリユースティシャツに、本社鎌倉のある地域の方の手仕事でのプリントをする、というワークショップを考えてくれました。企業活動にはお金がいるけど、愛の視点で、本当にやりたいことを表現できるってかっこいいですよね。

丸原 いろいろと出てきましたが、まとめますと…
・「Love is the Movement!」をテーマにしたイベントを開く
・映画「オキュパイ・ラブ」の自主上映会を開く
・自分が得意なことで「Love is the Movement!」を表現する
・団体や企業が「Love is the Movement!」なキャンペーンを展開する
などですかね。

藤岡 もう、自由です(笑)。それこそがムーブメントなので。あと、ぜひお願いしたいのがREADYFOR?で募っているツアー費用のご協力です。ご協力いただいた方への特典もご用意しています。READYFOR?のページではセヴァンからの手紙など、さまざまなメッセージや動きを逐一ご報告していきますのでご覧ください。Facebookページに「いいね!」をしていただけると、イベントなどの情報を知ることができますので、そちらもぜひ。

丸原 最後に、「Love is the Movement!」で、どんな未来をつくっていきたいかお話いただけますか。

藤岡 各地域でいままで環境のことに取り組んできた人たちを勇気づけて、ネットワークするのはもちろん、セヴァンのことを知らなかったような多くの人たちに、それぞれのLOVEや好きなことを通じて、自分もどんどん世界を変えて欲しいです。例えば電車の中で、隣の人と話すとか、そんな風に自然に、暖かい気持ちを表現することが、大きな世界とつながるようになるといいな。

セヴァンのまっすぐな社会への態度だけでなく、「かわいくてちょっとひょうきんで面白い」人としての魅力も、みんなにとって大きなインスピレーションになると思います。いつもその場や向き合う人に愛をもって、身近なところから蒔く種を大きなムーブメントにしていきたいです。

(インタビューここまで)



まず、ひとりひとりがよりお互いを愛すること、世界を愛すること。それが、変化を生み出す行動につながる大きな原動力になるのかも知れません。みなさんも、身近なところから「Love is the Movement!」、はじめてみませんか。

◎◎してみよう!
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writer ライターリスト

丸原 孝紀

丸原 孝紀

greenz シニアライター 1976年京都生まれ。コピーライター(東京コピーライターズクラブ会員)。企業に社会貢献型のコミュニケーションを提案するとともに、NGO/NPOのクリエイティブを積極的にサポートしている。社会課題を解決するアイデアを提案するプランング・ユニット「POZI」のプランナーとしても活動中。

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