ISSUEインクルーシブ 高齢者

2 years ago - 2014.01.25

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パッチワークが高齢者と若者をつなぐきっかけに!老人ホームに隣接された「musubiのカフェ」 [イベントレポート]

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みなさんは、地域のおじいちゃんやおばあちゃんと交流する機会はありますか?

以前こちらの記事で紹介した老人ホーム「musubi」では、子どもや若者も自然と人が集まる工夫がされています。その一つに、隣接されたカフェではさまざまなワークショップやイベントが行われています。

今回はこの「musubiのカフェ」で開催された、クリスマスオーナメントをつくるワークショップをレポートします!

(C)Yuta maeda (C)Yuta maeda

主催したのは、こちらも以前greenz.jpにて紹介したPatch-work」。65歳以上の高齢者の閉じこもり予防のために、パッチワークを通じて若者と高齢者が自然につながるコミュニティづくりをしています。セカンドライフにおいて生きる目的を見失ってしまう人が多いですが、そんな方々の生きがいを創出することで、「生涯現役社会」を目指しています。

現在、カリスマパッチワーカーであるおばあちゃんたちが、子どもや孫の世代に向けて心のこもった通学通園グッズを作り、またおばあちゃんの知識や経験などを次世代へと伝え繋げていく仕組みづくりをする「Grandma’s gift」というプロジェクトを主に取り組んでいます。

他とではなく、「musubi」と。

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「Patch-work」村上さん(写真右)、丸井さん(写真左)

そもそも、どうして「Patch-work」のワークショップを「musubiのカフェ」で開催することになったのでしょうか。「Patch-work」の村上さんはこう語ります。

高齢者の生きがいづくりの事業をしていく上で、いつかは高齢者施設でワークショップをやりたいと考えていました。施設に入ってしまうと、どうしても外出しにくいなどの制限がありますよね。このような状況でも楽しめることを提供したかったんです。

そんな時に「musubi」を運営する「株式会社セーフセクション」の社員の方と出会いました。福祉施設の既成概念から脱却することに挑戦していく想いに共感したのと、若者が楽しそうに働いている点に魅かれ、高齢者施設でのワークショップの最初の開催場所は絶対「musubi」に!と心に決めました。

「musubi」の介護現場 「musubi」の介護現場

今回のプログラムのこだわりについて村上さんはこう語ります。

まず、“季節感”ですね。今回は12月なのでクリスマスをテーマにしました。次回は節分やひなまつりをテーマにしたいですね。次に、“つくりやすさ”です。私たちは何度も試しにつくってみてやりにくいところはないか念入りにチェックします。

最後は“持って帰りやすさ”。完成した後もずっと大切にしてもらえるようなものをつくれるようにしています。

今回のWSにて作ったクリスマスオーナメント 今回のWSにて作ったクリスマスオーナメント

えらぶ・つくる・おしゃべり

ワークショップには若者、主婦、高齢者といった20代から80代まで幅広い年代の方々が参加し、パッチワークの作業を通じて活発に交流していました。
 
使わなくなった服の端切れ

まず、参加者は使用する布を決めます。ほとんどの方は使わなくなった服の端切れを持参していました。端切れを使うことで、大切にしていた布を違う物に変えられるので、個々の想いを込められて、つくりだすものに対する愛着が強くなります。

他にも、オーナメントの形、縫い糸の色や取り付ける播州そろばんの色・形の組み合わせ等“選べる”が溢れていました。あえてキットなどは提供せず、自分で選べる余白をたくさんつくることで、一人ひとりがこだわりを持てるようになります。

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使う布、糸、そろばんなどを選べます。

作業中は、「ここどうするんだっけ?」等の作業の手順の確認のしあいで自然と会話が生まれていました。それをきっかけに不思議と他愛のない世間話が飛び交ってにぎやかな空間となっていました。これはパッチワークの持つ力なのかもしれません。
 
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ワークショップの雰囲気づくりのこだわりについて、丸井さんに伺いました。

完成品がいまいちだとガッカリしますよね。ですから、みなさんが作業の手順を間違えないように気をつけています。

そして、一人で黙々と作業されている方がいらっしゃったら、あえて隣の席の方を紹介しています。ほんのちょっとのきっかけをつくるだけで会話がどんどん弾みますね。

若者と高齢者の世代間交流

一緒に作業する若者と高齢者

こちらのおふたりは、隣同士の席でずっと一緒に作業していました。

男子大学生が手順をわかりやすく説明していましたが、いざ作業をはじめると、ご高齢の女性はみなさんは幼い頃から手芸をされていた方ばかりなので、その手際の良さは若者には敵いません。
 
打ち解けて笑い合っている若者と高齢者

同じ時間を過ごしたことで、ふたりの仲はとっても深まっていたようにみえました。おばあちゃんがコミカルな歌を披露してくださるシーンもあり、会場中に笑い声がひびきました。このような高齢者のあたたかさはとても魅力的です。
 
若者と高齢者の交流でとても楽しく温かい雰囲気

中にはワークショップへの参加をきっかけに、介護現場に興味を持り、来春から「musubi」にて働くことが決まった若者もいるそう!他にも「あのおばあちゃんにまた会いたい」という想いでリピーターとなる参加者も多くいるとか。

夢は作品展や商品化

オーナメントが完成したら、ツリーに飾り付け。手芸が得意な方は何個も作品を持ってきて、とても喜んでいました。

そして、みなさん自分の作った大切な作品をぎゅっと握りしめてそれぞれ帰っていきます。どなたも達成感に満ちた表情が印象的でした。
 
クリスマスツリーに飾り付け

参加者の集合写真
最後はツリーの前で記念撮影。初めて会ったとは思えないほど距離が縮まっていました。

このワークショップは将来的には、「musubiのカフェ」を「musubi」に入居している方に飾ってもらったり、カフェで売れるような商品をワークショップで作ることが目標とのこと。また、もっと小さい子どもたちにも参加できるように工夫をしていくそうです。

これから参加者同士でつくられていく輪もどんどんひろがっていくでしょう。みなさんも参加してみてはいかがでしょうか?


【教室 Grandma’s Gift】

・毎月第1水曜日・第3日曜日に定期開催⇒兵庫県神戸市長田区「WACCA」
・毎月第2日曜日・第4金曜日に定期開催⇒兵庫県加古川市
                  東播磨生活創造センター「かこむ」
【ワークショップ】
・1/26⇒兵庫県加古川市 東播磨生活創造センター「かこむ」
・2/ 1⇒大阪市西区「FACTO」
【トークイベント】
・2/22⇒ATC・大阪デザイン振興プラザ

patch-work連絡先
Email : patchwork.kobe[a]gmail.com
facebook : https://www.facebook.com/ethical.patchwork

writer ライターリスト

森近 恵梨子

森近 恵梨子

1990年ニューヨーク生まれ。上智大学大学院社会福祉学専攻1年。福祉のイメージをオシャレに変えるフリーペーパー「Wel-bee」を発行するサークルの発起人。若者を巻きこんだクリエイティブな福祉をデザインしている。

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