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防災と環境。毎日過ごす家だから考えたい二つのことを取り入れた、地震に強い住宅 [+αのあるパッシブハウス]

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みなさんは自宅の耐震性についてどれくらい知っていますか?

2009年に北イタリアを襲ったラクイラ地震。レンガ造りの建物が多いイタリアでは、多くの家が損壊してしまいました…。この地震をきっかけにイタリアで増えたのが、CLT(Cross Laminated Timber)という耐震機能の高い素材を使ってつくられた建物です。

+αのあるパッシブハウスシリーズ、今回紹介するのは、イタリアの”地震に強い”パッシブハウスです!

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建築家のPierluigi Bonomoさんによって設計された「Energy Box house」は、名前の通り箱のような見た目の建物。かつてはレンガだった建物全体をCLTに置き換えたことで、高い耐震性を獲得しています。

CLTとは、ひき板を並べた層を板の方向が層ごとに直交するように重ねて接着したパネルのこと。耐震性だけでなく、断熱・遮音・耐火性もあり、持続可能な木材資源を利用していることから、環境にも良いとされています。オーストラリアで生まれたCLTは、近年世界各国でも利用が進んでいるとのこと。(cf.日本CLT協会

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CLT

さらにEnergy Box houseは、地震に強いだけでなく、環境にもやさしいパッシブハウスです。太陽光発電で電気をつくり、太陽の光がよくあたる南側の部屋では太陽熱を利用した温水システムを導入。雨水も貯めて使うことができるのだそう。

完璧なオフグリッドまではいかないものの、カーボンフットプリントを最小限に抑えた家となっています。

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壁に備え付けられた太陽光パネル

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CLT以外にも、リサイクルされた木材も使われています

人間には止めることのできない地震と、どう付き合っていくのか。これは、わたしたち日本人にも決して他人事ではない問題です。毎日たくさんの時間を過ごす家だからこそ、安全で、環境にも配慮した場所にすることができたら素敵ですよね。

ぜひみなさんも”防災”と”環境”という2つのキーワードで、住まいを見直してみてはいかがでしょうか。

 
(Text 宮本裕人)
[via inhabitat, treehugger]