ISSUE ソーシャルグッド

2 years ago - 2014.01.06

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「雑種ではない、希少種なんだ」。専門家の目でシェルターの捨て犬たちを救ったキャンペーン「UNIQUE BREEDS」[Cannes Lions2013]

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連載でお届けしているカンヌ2013のソーシャルグッドな受賞作、今日はデンマークからの受賞作をお届けします。

ペットショップでは、たくさんの犬が売られています。でも、そのほとんどは純血種。一方、捨て犬の多くは雑種だったりします。コスタリカで捨て犬を助ける活動をしているNPO「Territorio de Zaguates」は、シェルターに持ち込まれる犬の9割以上が雑種だということを問題視していました。雑種だということで引き取られない犬が増える一方だったからです。

なんとか雑種犬を家族に迎え入れてくれる人を増やしたい。そのためにNPO団体がチャレンジしたのは、「雑種は純血種よりも価値が低い」という思い込みを逆転させることでした。

雑種犬の価値を見出すために、まずは犬の専門家に相談。シェルターにいる雑種犬たちを見てもらったところ、しっぽや耳など、それぞれの部位には純血種に見られるハッキリとした特徴があることがわかりました。雑種というと何の特徴もないように思えますが、専門家の目を通すと、他にないユニークな特徴を併せ持つ、実に希少な種なのです。

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NPO団体はテレビ局に働きかけ、一匹一匹の雑種のユニークさを専門家が解説する番組を放映。さらに、ドッグショーといったイベントやポスターなどで雑種犬のユニークさを丁寧に伝えていきました。「雑種を飼う。それは、希少種を飼うこと」という意外性のあるメッセージは人々の認識は大きく変え、雑種犬は一躍、すばらしい犬たちとして受け入れられるようになったのです。

Caso: Territorio de Zaguates from GARNIER BBDO on Vimeo.

45日におよぶこのキャンペーンで、それまで毎月平均10匹しか受け入れがなかった雑種犬は、なんと平均150匹受け入れられるようになり、シェルターにいる犬たちは35%減りました。また、さまざまなメディアに取り上げられたことでNPO団体をサポートする企業も続々と現れたそうです。

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そもそも、人間による雑種とかミックスというカテゴライズは実にいいかげんなものですよね。思い込みが、多様性を楽しむ目を奪ってしまっていたというわけです。社会的な問題を解決しようと思ったら、まずは常識を疑ってみることが大切なのかも知れませんね。

カンヌライオンズ受賞作の連載はまだまだ続きます!引き続きお楽しみに。

(翻訳協力:モリジュンヤ

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writer ライターリスト

丸原 孝紀

丸原 孝紀

greenz シニアライター 1976年京都生まれ。コピーライター(東京コピーライターズクラブ会員)。企業に社会貢献型のコミュニケーションを提案するとともに、NGO/NPOのクリエイティブを積極的にサポートしている。社会課題を解決するアイデアを提案するプランング・ユニット「POZI」のプランナーとしても活動中。

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