ISSUE ☆日本と世界のソーシャルデザイン

2 years ago - 2013.12.08

SHARES  

レンタサイクルで気ままな三浦海岸めぐり。ワンコインで一日楽しめる「みうチャリ」

01miuchari

知らない街をぶらぶらと見物して歩くのは楽しいものです。それを自転車でやってみたら、思わぬ発見がたくさんありました。

旅先は、首都圏に位置しながら豊かな自然が残る三浦海岸(神奈川県)。相棒は駅で借りたパナソニック製の6段ギア自転車「みうチャリ」。日本コンピュータ・ダイナミクスが11月22日に試験運用を始めたレンタサイクルです。

「みうチャリ」の使い方

品川駅から京急本線特急で約1時間の三浦海岸駅が、旅の出発地。改札を出て左に折れ、駅の裏手に回ると、高架下にレンタサイクルのポートを兼ねた無人駐輪場があります。

02miuchari

みうチャリは、携帯電話があれば、その場で借りられます。サポートセンターに電話して暗証番号やワイヤー錠の番号を聞き、近くにある精算機で前払いすると、自転車を固定しているロックがカチャッとはずれる仕組みです。Suicaなど交通系電子マネーを使えば、支払いはワンタッチ。簡単です。

ちなみに料金は、なんと24時間以内の利用で500円!

03miuchari

ワイヤー錠をはずして車体を引っ張り出したら、サドルの高さを調整。念のため、タイヤの空気圧もここでチェック(空気入れもあります)。迷ったときのために備え付けのマップを1部リュックに入れ、ワイヤー錠の番号も忘れないうちにメモ(途中で施錠したいとき必要です)。準備が整ったら、いざ出発! 

三浦の自然を自転車で満喫!

駅から南方面に進むと、間もなく海岸に出ます。やがて潮の香に乗って、かすかに切り干し大根のような香りが……。浜辺に続く白いのれんをよく見れば立派な大根の列でした。後で商店の方に聞いたところ、「三浦大根の寒干し」は冬の風物詩で、干し終わった大根を漬け込んだ沢庵は年の暮れあたりから店頭に並ぶそうです。

04miuchari

年明けにはイチゴ狩りや水仙まつり、春は桜まつり、初夏はヤマユリ開花、夏は海水浴! 秋はウミウの飛来やミカン狩り、そして四季を通じて水揚げされる海の幸……いつ行っても自然を満喫できるのが、三浦の魅力です。

三浦海岸周辺でゆっくり過ごすのもいいですが、時間と体力に余裕があれば、東海岸沿いを南下して、マグロで有名な三崎漁港に行くこともできます。漁港近くの城ヶ島大橋(徒歩と自転車は通行無料)を渡ると、三浦半島の南端に到達。県立城ヶ島公園からは、条件がそろえば房総半島と伊豆半島と富士山を一度に望めます。

三崎は北原白秋ゆかりの地でもあり、道路際にも白秋の詩碑が点在しています。気ままな自転車旅だからこそ、土地の文化もじっくり味わえます。

05miuchari
明治4年に三浦半島の南東端に設置された剣埼(つるぎさき)灯台

海沿いの車道をのんびり進んでいると、スポーツ自転車にまたがった本格的なサイクリストたちが次々と追い抜いていきます。にぎやかなオートバイの集団も通ります。半島の主要道路は高台を走っているので、眺めは抜群。二輪愛好家たちが通うのも納得です。そういえば、駅周辺では輪行(自転車を袋に収めて車や電車に乗り込むこと)する人も見かけました。実は「みうチャリ」も折り畳めます。

07miuchari
シャッターを切りたくなる光景に道中しばしば出くわします

海を少し離れると、道は大根畑に囲まれました。広々と続く緑の向こうに海の青がのぞき、まるで桃源郷のようです。2013年2月にフランスの『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』(仏ミシュラン社発行)に三浦半島が2つ星で初掲載されたのも納得。

08miuchari
自転車の旅でなければ出会えない静かな絶景

幹線道路からは、海に向かって複数の小道が分かれています。好奇心のおもむくままに何度か迷い込みましたが、これが見事に、ほとんど行き止まり。しかもかなり急な下り坂なので、ビューンと下るのは楽でも、帰りは押して上るしかありません。困って地元の方にたずねたら、「このあたりの道はバス通り以外はみんな海で行き止まりだよ」とのこと。ここは半島!と実感する一幕でした。

そうこうしているうちに、すっかり体も温まり、着込んでいた上着はカゴの中へ。冬だというのに冷たい潮風が心地よく、なんといってもお昼の海鮮たっぷりの食事のおいしいこと!アップダウンのある道で適度に運動できたおかげです。

三浦海岸駅で自転車を借りてから半島の先端まで片道約11キロ、寄り道を楽しみながら約3時間。人との出会いにも恵まれ、おなかも満たされ、旅も終盤へ。

現在「みうチャリ」のポートは三浦海岸駅のみで、もとの場所に返却してワイヤー錠をかけ、サポートセンターに1本電話を入れるのがルールです。そこで、戻りは内陸の道を一直線に駅に向かいました。

遊びに夢中になっていると帰りが暗くなり危険なので、遠出する場合は朝の出発をオススメします。また現在は試験運用中で、みうチャリは6台しかないので事前にサポートセンター(0120-3566-21)に貸し出し状況を聞いておくと安心です。

06miuchari
自転車を停めてカマキリとたわむれる

帰りの電車の中、心のふるさとがまたひとつ増えたような幸せに浸りつつ、自転車旅のメリットをかみしめていました。

まず徒歩よりも広い範囲を効率よく回れる。タクシーより経済的。バスのように待たされる心配もない。そして忘れちゃいけないのが「人力」だということ。余計なCO2を排出しません。

天候や荷物の量や体力にもよりますが、レンタサイクルでの半島めぐりは、体験する価値アリです。

自転車を見直そう!
環境省「smart move」公式サイト

writer ライターリスト

瀬戸内千代

瀬戸内千代

greenz シニアライター 東京生まれ。両親の故郷で瀬戸内海に親しみ海洋動物生態学者を志すも理系文系の橋渡しに興味が移り出版業界へ。2007年からフリーランスの環境ライターとして書籍・雑誌、ウェブに執筆している。プロフィール画像は伊豆下田でスケッチしたムラサキクルマナマコ。

AD

infoグリーンズからのお知らせ