ISSUE まちづくり

3 years ago - 2013.12.04

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ランドマークが街を変える!治安の悪さを克服して”世界都市指数”上位にランクインしたコロンビアの首都・ボゴタ [Livable City Guide]

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シリーズ「Livable City Guide」では、こんな街で暮らしてみたい!と思わせるリバブルな都市を紹介していきます。さまざまな都市の事例を知ることで、私たちが暮らしている街を今までとは違った視点で見つめ直してみる、インターン細貝さんのMY企画です。

みなさんは、コロンビアという国についてどんなことを知っていますか?南アメリカ大陸にあって、コーヒーの産地で、長い間続いていた内戦のせいで治安があまりよくない…といったことをイメージするかもしれません。

今回ご紹介するのは、そんなコロンビアの首都・ボゴタ。アンデス山脈の盆地、標高2640メートルに位置する高山都市で、人口は770万人ほどです。

ボゴタもかつてはドラッグやテロなどの問題に悩まされていましたが、近年都市の再編が進み、2012年にはアメリカのシンクタンクが公表した世界都市指数において、新興都市ながら世界第55位と評価されています。

※世界都市指数はビジネス、文化、政治状況などから都市を総合的に判断した指標で、1位にニューヨーク、4位に東京、ボゴタ以外の新興都市としては、45位にムンバイ、51位にマニラなどがランクインしています。

ボゴタの都市再編の特徴の一つは、街に市民が集まれるランドマークをつくることでした。

ボゴタ市長主導で進められた都市の再編

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ボゴタの街づくりは、当時の市長であったEnrique Peñalosa(以下、ペナロサさん)によって進められました。ペナロサさんは、建築家のDaniel Bermudez Samperとともに、ボゴタのケネディ地区にあった旧式のゴミ処理施設を改修し、巨大な公共の図書館「ティンタル図書館」につくり変えました。

この図書館は、元々あったゴミ処理施設のトラックのランプや、礼拝のためのネーブ(身廊)はリユースすることで資金を節約。さらに礼拝堂へのエントランスや、シアター付きの広い読書ルームなどを新たに建設しました。

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「ティンタル図書館」の内部の様子。Some rights reserved by New York Times.

「ティンタル図書館」に勤めるMayerlyn Carolinaさんは、

この図書館には毎日、何千人もの人が訪れています。私たちはここで文学のワークショップを開いたり、映画を上映したり、高齢者向けのサービスを施したりと、市民誰もが楽しめる施設を目指しています。ここは単なる図書館ではなく、地域のコミュニティセンターになっているんですよ。

と言います。

市民の安心・安全の象徴である「庭と未来の幼稚園」

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他にもボゴタ市民に親しまれている場所があります。そのひとつが「庭と未来の幼稚園」。4年前にオープンしたこの幼稚園は、写真からも分かるように面白い形をしており、閉鎖的な環境にならないよう見通しのよい柵で囲まれています。建物は清潔感のある白で統一され、園内には白のスプレー缶を持ったサポートスタッフもいるのだとか。

まだまだ犯罪の多いボゴタにおいて、この幼稚園は市民のシェルター的な存在であり、子どもたちも安心して三輪車に乗ったり、お昼寝をしたりすることができるそうです。

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開放感のある幼稚園では、子どもたちも外で安心して遊ぶことができます。Some rights reserved by New York Times.

デザインしたGiancarlo Mazzanti(以下、マッツァンチーさん)は次のように語ります。

私はこの幼稚園で子どもたちに発見することの喜びやワクワクする気持ちを知ってほしいのです。そのためにこの幼稚園を、日なたと日陰をうまく使い分け、クラスを明るくペイントし、コンクリートやガラスの堅苦しさをなるべく感じさせないようデザインしました。

子どもたちにとってここは、遊びと探検の実験室なのです。

スラム街に建てられた巨大なキャノピー(天蓋)

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さらにマッツァンチーさんは、ボゴタのCazucá地区に7500フィート四方の巨大なキャノピー(天蓋)を建設。Cazucáは、ボゴタの中でも特に治安が悪く、スラム化が問題となっていた地域で、以前は地図にも記されていなかったのだとか。

そこでマッツァンチーさんはこの地区の小学校のグラウンドに、巨大な竹林のような誰もが目を引くデザインの天蓋をつくり、周辺住民が誇れるランドマークをつくったのです。このグラウンドは子どもたちのサッカーの場として使われて、今では周辺にトマトやハーブなどの農場もできるようになりました。

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“シビックプライド”と聞くと、どうしてもアメリカやヨーロッパにある大都市の事例を思い浮かべてしまいますが、ボゴタのような新興都市にも、住む人を幸せにする取り組みがまだまだ見つかりそうですね。

みなさんが暮らす街にはどんな誇れるランドマークがありますか?

(Text:細貝太伊朗)

[via New York Times,inhabitat]

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