greenz people限定『生きる、を耕す本』が完成!今入会すると「いかしあうデザインカード」もプレゼント!→

greenz people ロゴ

エイズの問題を知って、チャリティーを盛り上げよう! NGO・PLASの「世界エイズデーキャンペーン」今年のテーマは”お母さんの力”

unnamed

日本におけるHIV陽性者の数は2万人ほどいると言われており、総人口比で表すと6380人に1人の割合です。この数字に関して、みなさんはどのように感じるでしょうか?

日本においては、癌などと比較するとまだまだ意識されることの少ないHIV/エイズですが、世界を見渡すと3400万人にも及んでいます。そして、万が一治療の開始が遅れてしまうと、悪性リンパ腫やHIV脳症、肺炎など重篤な症状を引き起こすのです。

この数字をみると解決に向けて途方に暮れてしまいそうになりますが、適切な処置さえすることができれば悪化を防ぎHIVとともに生きることができます。しかし、残念ながらいまだに正しい知識が行き届いていないことで、予防はおろかHIV陽性者に対する差別や偏見も依然根強く残っているのです。

そこで、WHO(世界保健機関)は、1988年に世界レベルでのエイズ蔓延防止と患者・感染者に対する差別、偏見の解消を目的として、毎年12月1日を「世界エイズデー」と定めました。

ngo-plas

世界に広がる「世界エイズデー」への取り組み

エイズデーへの取り組みは、チャリティーが盛んな海外においては、非常に盛り上がりを見せています。

例えば、世界160ヵ国以上、5億世帯を超える視聴者に愛されている音楽&エンターテイメント専門チャンネル「MTV」では、この日に合わせて特別番組「Me, Myself & HIV 〜HIVと共に生きる〜」をオンエア。メディアの力でエイズ問題の啓発を行いました。

また、昨年はコンドームメーカー最大手のdurex社も、エイズデーに合わせる形でオンライン寄付キャンペーン「1share 1condom」を展開しました。目標数を250万個と定め、ソーシャルメディアでの1回のシェアにつき1個のコンドームを配布するという取り組みを実施するなど啓発に力を入れています。

日本における「HIV/AIDS」への取り組み

では、日本国内ではどのような活動が展開されているのでしょうか? 近年、日本でも「HIV/AIDS」啓発活動が行われています。

今回紹介するのは、エイズ孤児支援NGO・PLASの取り組みです。2009年には、「気軽に楽しみながらエイズを理解してもらいたい」との思いで、「レッドリボンフットボールプロジェクト」を実施。大会への参加費は、アフリカのエイズ孤児へのチャリティーとして活用されました。

red-ribbon-football

今年はと言えば、「The Power of Maternity」というテーマを掲げ、アフリカでHIVとともに生きながらも子どもたちを育て、地域のために立ち上がるお母さんなど、母親の強さに主眼を置いた「世界エイズデーキャンペーン2013」を実施するとのことです。

このキャンペーンでは様々な取り組みを通じてエイズ問題の啓発を行っていきます。例えば、11月30日(土)には、母親として育児を行う傍ら、様々な分野でご活躍されている方をゲストとして、中西(旧姓:山本)モナさんや「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」理事の志村季世恵さんが登壇する「チャリティーパーティー」を実施します。

plas-aids-party
チャリティーパーティーのようす

さらに、プロゴルファーでありタレントの東尾理子さんやプロフィギュアスケーターの荒川静香さんなど、世界エイズデーキャンペーンの趣旨に賛同した著名人の方を巻き込んだ「チャリティーオークション」も行っています。

また、エイズのシンボルカラーでもある「赤」を集め、啓発モザイクアートを創り上げる Facebookキャンペーンも実施中など、リアルの場もソーシャルメディアも活用して問題の認知やチャリティーに取り組んでいるのです。

最後に、取り組みを実施されているエイズ孤児支援NGO・PLASの小島美緒さんから世界エイズデーに先駆けたメッセージをいただきました。

HIV/エイズの問題は、「どこか遠い国の問題」と捉えられがちですが、「自分ごと」として一人ひとりがアクションを起こすことで、解決につながります。 プラスが活動するケニア・ウガンダでは、HIVと共にいきながらも、地域のためにエイズ 啓発活動を続ける住民たちがいます。

日本、アフリカと、状況は異なりますが、イベントに参加してみたり、HIV検査を受けてみたりと、エイズデーが一人ひとりが「今できること」に一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

エイズデーは、12月1日。1年に1度の日に今回のキャンペーンなどを通じて、HIV/エイズのことを考えてみることも大切ではないでしょうか。

(Text:テントセン・大森厚志)