ISSUE 食と農

3 years ago - 2013.10.09

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都会に住みながら自給にチャレンジ!日本の食卓に欠かせない、お米や大豆をつくる「イマジン自給道場」

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何気なく食べている毎日の食事の中で、自分で一から自給できるものってどのくらいあるのでしょう?

都会に住む方には「自給」というと少しイメージしにくいかもしれません。そんな食の自給について真剣に考え、熱く、楽しく活動する「イマジン自給道場」をご紹介します。

それぞれの自給活動を楽しむ

「イマジン自給道場」は、2012年1月、日本の食卓には欠かせないお米や塩、大豆を作ることから始めようと、神奈川県藤沢で動き出した農を通じ、食の自給に取り組むプロジェクトです。

現在のメンバーは大学生から40代の会社員まで、職も年齢もさまざまな16名。現在は2年目のお米収穫に向けて、田植えに草むしりに奮闘中の日々を送っています。

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作業日はメンバーの予定に合わせて大体週2回ほど。近隣の有機農家さんや自然農の先生の指導のもと、手探りで取り組んできました。

4歳のお子さんと通うママメンバーの方は、

食育の一環になればと思い参加しました。今では子どもの方が「お米を作るって大変なんだからひとつぶも残しちゃダメ!」って言うんです(笑)。買うのではなく自給することで、改めて感じる感謝があります。

と言います。また都内から通う方は、

住まいの周りには田んぼはありません。週末、ここで農に触れることが心地よい。大事な場所です。

という声も。メンバーそれぞれがそれぞれの自給活動を楽しむ。それが自給道場です。

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作業日の昼食はみんなでわいわい持ち寄りで。

お金ではなく人とのご縁や自給する力が必要になる時代

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発起人であり代表を務める柿田ご夫妻。右が悦子さん。7月に生まれた愛娘・真穂ちゃんを抱いて

このプロジェクトを立ち上げたのは、当時会社員だった代表の柿田悦子さん。「お金ではなく、人とのご縁や自給する力が必要な時代がくるのかもしれない」と思い、そこでまずはお米を自給したいと思ったそうです。

3.11の震災直後、神奈川の住まい近辺、お店からお米が消えました。お金があってもお米が買えないという体験は衝撃でしたね。そんなとき、他県にいる知り合いの農家さんに「お米が売っていない」と連絡をしたら、すぐにお米が届いたんです。本当にありがたかったですね。

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今年8月末、自然農の田んぼは一段と濃い緑で茂り、順調な生育。

以前から農に興味があったというご夫妻。有機農業や自然農への関心もあり田んぼへの想いは募っていったそう。

トージバ「大豆レボリューション」という農イベントで知り合った友人や、食や農に関心のある仲間が序々に集まり、震災の翌年1月、「イマジン自給道場」がスタートしました。地元の飲食店さんの紹介を経て、やっと手にした田んぼは一反。田植えまでの約半年は、地域とのご縁作りだったと言います。

農家ではない私たちが田んぼをやるということ

地域の人間でもなく素人の自分達がお米を作る、更に自然農や有機農業にこだわるとなると、障害は多々。農地を預かり、食べ物を作るということは思いのほか困難だったと夫の柿田祥誉さんは言います。

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自給道場をきっかけに現在、就農を目指し有機農家さんのもとで研修中の柿田祥誉さん。来年には晴れて農家さんの仲間入り

生産者のプロである農家さんに迷惑をかけてはいけないと必死でした。まずは周りの農家さんとの信頼関係を築くことが大切だと思いました。

積極的に挨拶をしたり、アドバイスをいただきに伺ったり。会社員の時にはあまり気にしなかったけど、ご縁は難しいようでいて、しっかりと行動しコミュニケーションをとればおのずと生まれるんですよね。

最初は、心配そうだった近隣の農家さんも1年目の収穫を終えたとき、「よくがんばったね」と褒めてくださったことが本当に励みになったとか。

メンバー一人ひとりが本当に一生懸命作業している姿もあってのことだったと思います。農家さんとは接点のない生活をしていた自分たちが行動を起こしていくことで地域とのご縁が持てるということも、自給道場を通じて得た大切なものです。

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地域のお祭りで収穫物の販売にも参加

自給できるものをみつけてはチャレンジ

田んぼと同時に、大豆の栽培にもチャレンジしています。「大豆があれば、味噌も自給、醤油も自給、納豆も自給できる!」を合言葉に神奈川の在来種、津久井在来大豆作りに挑戦したところ、甘みの強いおいしい豆が見事豊作。「自給道場味噌」を仕込んだ時の嬉しさはひとしおだったとか。

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収穫した大豆で納豆も仕込む!

今後は、まだ踏み切れていない塩の自給のほか、少しづつ自給できるものを増やすことが今後の課題だそう。

お米を育てることで人間関係を育てられたというか。まだ2年目、始まったばかりの自給道場。一人ではできないこともみんなとワイワイ関わりながら、少しづつ食卓が自給したもので賑わえば幸せだなぁと思います。

100%自給自足の生活にこだわると無理が生じる。でも、できることがあるのならやりたい。あくまで楽しく、衣食住、エネルギー、なんでも自給できるチャンスがあればチャレンジしたい。それが自給道場の想いだとご夫妻はいいます。

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田植えを終え、土地に人に感謝!にこにこ様です!

これからは想いを同じくした小さなコミュニティが大事な時代になるような気がするんです。私たちは「自給」をテーマにしたコミュニティ。

今後、「自給したい!」という人たちがその土地で自分たちの「自給道場」を立ち上げて、そしてつながって知恵や経験をシェアしていけたらなぁって思うんです。

あなたが自給したい”なにか”のヒントがこのプロジェクトの中にありましたか?あなたの家のまわりに田んぼがなくても、ちょっと見渡すと自給道場のようなコミュニティーが広がっているかもしれませんね。

「自給」に少し興味がわいてきたら、自給道場に相談してみてはいかがでしょうか?
これもご縁ですから。

(Text:たけいしちえ)

自給のヒントがみつかるかも!
イマジン自給道場

writer ライターリスト

たけいしちえ

たけいしちえ

greenz ライター 湘南在住。大豆レボリューションに参加のち、大豆の魅力の虜に。大豆を育て、収穫、味噌を仕込むサイクルを基本とした365日を営む。大豆栽培7年目。神奈川県津久井在来種を化学肥料に頼らず、自然の力で収穫中。

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