ISSUE☆おすすめの連載! a Piece of Social Innovation

3 years ago - 2013.09.29

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誰もがやりたいことを実現できる世の中に。READYFORが選ぶ「READYFOR OF THE YEAR」

shugo

特集「a Piece of Social Innovation」は、日本中の”ソーシャルイノベーションのカケラたち”をご紹介するNPO法人ミラツクとの共同企画です。

7月30日、東京大学の弥生講堂セイホクギャラリーにて、「READYFOR OF THE YEAR 2012」の授賞式が行われました。これは、クラウドファンディング「READYFOR?」において実施されたプロジェクトに送られる賞です。

READYFOR?には、2013年7月までで累計約1600の応募があり、審査を通過して掲載されたプロジェクトは約370、そのうち約200のプロジェクトが目標金額に達しました。

このアワードは、「誰もがやりたいことを実現できる世の中にする」というREADYFOR?のミッションのもと、READYFOR?を使って活動を進めた素晴らしいプロジェクトを選定することで、今後の社会における同様の取り組みにとって、良い事例とすること、また、社会におけるクラウドファンディングというプラットフォームのさらなる活用を目指しています。

さっそく2012年度の受賞プロジェクトをご紹介しましょう。

選ばれたのは13のプロジェクト

大賞コアラを守りたい!~東山動物園コアラ応援プロジェクト~

higashiyama
目標金額:1,000,000円 実際に集まった支援金:4,759,000円 支援者数:677人

贈賞理由は、コアラの飼育のための支援を募集するプロジェクトで、支援者人数、支援額ともに最も高く、また多くのメディアに報道されて話題になりました。また、多くの支援者から共感を得た背景には、「コアラのウンチペーパーしおり」など、ユニークな引換券の設定やコミュニケーション方法について、様々な工夫があったことです。

動物園という公共的・文化的な施設に関するプロジェクトであり、社会的意義も高いと同時に、自治体におけるクラウドファンディングの新しい利用の可能性も示していますね。

受賞者コメント:橋川央さん
予想以上の支援には、驚いています。ご支援にこたえて、コアラの飼育をしっかりとやっていきたいと思っています。

反響として一番大きかったのは、「春祭り」というイベントを開催して、招待券を2枚つけたのが、大好評でした。また「コアラのウンチペーパーしおり」も好評でした。これは、コアラのウンチがしおりに配合されています。当然、匂いがするのですが、ほんのりとユーカリの匂いがするのです。

また、マスコミ関係の方々に、すぐに取り上げていただいたのは、大きかったと思います。予想をはるかに超えて、東山動物園を支援していただけたことは、感動しました。



優秀賞歌舞伎や『寅さん』、大切な日本の文化の宝箱を守る。


目標金額:2,000,000円 実際に集まった支援金:3,579,000円 支援者数:272人

贈賞理由は、松竹大谷図書館を運営していくための費用を集めるためで、支援額、支援者数ともに高く、多くのメディアで話題になりました。歌舞伎や映画の台本を扱う国内でも珍しい図書館で、日本の守るべき文化を支援者に訴え、共感を得たプロジェクトです。

受賞者コメント:須貝弥生さん
インターネットの世界を全く知らなかったので、最初は、恐る恐る挑戦したのですが、やってみると、「こんな図書館があるとは知らなかった」とか、「こういう大事な仕事、頑張ってください」とか多くの応援を寄せていただいて、寄付金の支援を寄せていただいた方は、全国規模で青森から鹿児島までいらして下さいました。

実際に、私たちの図書館を利用されるわけではないのに、こういう図書館があるということに、意義を感じてくださって支援をして下さったと思います。専門図書館と言うのは、公立の地域の図書館と違って、ぶらっと立ち寄って楽しむというより、この本を読みたいという、明確な目的意識をもって利用するところなので、こういうことを調べるならば、この図書館に行けばいいのでは、ということを気付いてもらうことが大切なことなんだなと思いました。

今回のことで、多くの方々に、私たちの演劇・映画専門図書館があるということを宣伝しなければいけないということを強く気付かされました。それは、私たちにとって大きな収穫だったし、たくさんの方々に存在を知っていただけたし、図書館の意義も認めていただき、プロジェクトも成功したということは本当に嬉しいことでした。

これもひとえに、READYFORの方々が手取り足とり教えてくださったし、不慣れな私たちを支えてくださったアドバイザーのスタッフの方もいて、プロジェクトが成立して、目標金額を大きく上回ったということで、その結果、「READYFOR OF THE YEAR 2012」を受賞できたのだと思います。支持してくれた方々ばかりではなく、支えてくださった方々のおかげだと、本当に感謝しています。



優秀賞被災地に出来た子供の遊び場を残す あそびーば


目標金額:1,500,000円 実際に集まった支援金:2,145,000円 支援者数:218人

贈賞目的は、被災地にできた子どもの遊び場(あそびーばー)を継続して運営していくための資金を集めることで、この「あそびーばー」は、東日本大震災以後、子どもたちの遊び場として作られ、その後、子どもたちにとって、そして大人にとってもなくてはならないものになりました。

その必要性を訴え、支援を獲得すると同時に、引換券に気仙沼のブランドの鞄を設定するなど、被災地の産業育成にも貢献しています。現在でも、継続して被災地の子どもたちの遊び場として使われていて、多くの子どもたちの楽しい声が溢れています。

受賞者コメント:鈴木美和子さん
思いもかけない受賞で、ありがたい気持ちでいっぱいです。全国から、多くの方々の支持を得られたということは、驚きでした。しかし、READYFORの米良さんに、一度、気仙沼に来ていただいて、その時に、「こちら側から、色々とメッセージを発信しなければいけませんよ」とアドバイスを受けて、それ以来、一生懸命、私たちのメッセージを発信することに努めました。


社会貢献部門賞

ハイチ人医師を日本の医療教育で育成し、結核患者を救いたい!」(大類隼人さん)

医療環境が十分でないハイチの医師を、日本で教育するプロジェクトで、発展途上国を支援する新しい試みです。ハイチ人医師が来日した様子は、多くのメディアが取り上げ、社会的意義を伝える結果になりました。


巨大刑務所!? 封鎖都市ガザ版ドラゴン桜」(税所篤快さん)

ガザという政治情勢が不安定な環境で、教育が十分に受けられない若者にE-learningを提供することで、チャンスを与えるプロジェクト。実行者の税所さんは、READYFORにおいて4度、資金調達に成功しています。



クリエイティブ部門賞

誰もが自由に研究をする新しい学会ニコニコ学会βプロジェクト」(江渡浩一郎さん)

古くからある学会という仕組みにクラウドファンディングを取り入れたプロジェクト。発表する人と、見る人、支援する人と活動する人が、次々と入れ替わるような新しい世界観を創り出しています。イベントの際には、スクリーンに支援者の名前を表示するなどの工夫もされるなど、今後の発展が楽しみですね。


福井の人々との出会いを楽しむ 旅のガイドブック~福井人~」(高野翔さん)

支援者数は2012年度の全プロジェクトを通じて2番目に多く、多くの人から小額の資金を得るクラウドファンディングとして理想的な形で資金調達ができました。ソーシャルメディアを使い、支援者にお金で支援してもらうだけでなく、広報要員として動いてもらうなど、クリエイティブな方法で共感を受ける人を増やしました。



READYFOR Lady賞(女性の働きやすい社会づくりを応援します。)

ナプキンをフィリピン農村部の女性届けるプロジェクト」(本村拓人さん)

フィリピンでは、ナプキンの使用率が低く、それによって女性の生きる自由の一部が失われています。そこで、インド人の発明家が開発した機械を用いてナプキンを製造するというソリューションを提案。途上国の女性の課題は、日本人には当事者意識が持ちにくいですが、女性の支援者向けイベントを積極的に行い、見事に目標金額に到達しました。


ネパールで売春宿から保護された女性達にメイクアップ職業訓練を」(向田麻衣さん)

ネパールにおいて売春は大きな社会問題です。売春宿から女性を救出し保護しても、職を手につけ生活する力をつけることは、容易ではありません。このプロジェクトでは、美しくあることは女性の権利であると考え、メイクアップの技術を習得させることで、自信を失った女性達に自信と尊厳、そして働く力を取り戻してもらおうというものです。



被災地部門賞

被災地にとびきり美味しいご飯と、集まれる場を」(鹿島美織さん)

石巻のレストランを運営するプロジェクト。実行者の鹿島さんは、石巻で震災前から料理店を営んでいる「お母さん」たちと一緒にレストランを作り、多くの人が集まれる場所にして、また、お母さんたちの生きがいを取り戻しています。


ごしごし福島基金~郡山市の幼稚園プール開きのための除染活動」(並河進さん)

2012年の夏に福島の幼稚園のプールの除染活動を行ったプロジェクト。幼稚園のプールの除染は2012年に行われる予定がなく、なんとか自分たちで除染活動をということで進められました。「ごしごし」という親しみやすいキーワードが共感を呼んだようです。



子ども未来賞(未来を担う子どもたちを育てるために送られます。)

子供と真剣に向き合う先生を支え抜き、教育に変革を起こすWEBサービス『SENSEI NOTE』」(浅谷治希さん)

SENSEI NOTEというウェブサービスを作るプロジェクト。教育現場において教師が持つノウハウをウェブ上で共有し、教育の質の向上につなげることを目指しています。


多くの子に奨学金を!世界中の子どもが軽井沢でリーダーシップを学ぶ『ISAKサマースクール』」(小林りんさん)

軽井沢にインターナショナルスクールを作り、日本国内のみならず海外から優秀な子どもを集め、国際的な力をつける環境を提供するために、2013年の夏に実施されるサマースクールの奨学金を募るためのプロジェクトです。

成功した人が次へつなぐ循環を

最後に、READYFOR?代表・米良はるかさんからメッセージをいただきました。

今回初めてREADYFOR?の成功した皆様が集まって、それぞれの体験談をシェアする場を作りました。また同時にREADYFOR OF THE YEARの発表を行い、二年間で生まれた社会をよくする素敵なプロジェクトを紹介させていただきました。

私たちは「誰もがやりたいことを実現できる世界」を目指す中で、成功した人が次の実行者を育てていく循環がとても大事だと考えており、今回の賞をきっかけに、すこしでも何かを始めようと思った人が一歩を踏み出し、目指す場になればと思っています。

これからも、社会をよくする素敵なプロジェクトをどんどん生み出していけるように、プラットフォームとして粛々と頑張っていきますので、応援をよろしくお願いします。


日本は、「失われた20年」とも言われる長期の不景気で、動物園も図書館も財政難に苦しんでします。しかし、クラウドファンディングの登場により、容易に寄付金が集められるようになりました。「日本には寄付文化がない」というのは、今や昔の話になったようです。みなさんも気になるプロジェクトを見つけたら、ぜひ応援してみませんか?

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高馬卓史

高馬卓史

ジャーナリスト。月刊誌『選択』・元編集人。『オルタナ』編集委員。…ソーシャル・デザインを勉強中です。よろしくお願いします♪

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ミラツク

ミラツクは、対話を通じて、異なるセクター、異なる地域、異なるステークホルダーの間に協力を生み出し、より良い社会に向けたイノベーションを生み出すことに取り組むNPOです。 ミラツクが応援するのは、未だあまり知られていない社会を良くする取り組みとそこにいる”人”たちです。1人の人が生み出す未来の可能性を世の中に伝えていくことで、また新しい次の未来の種が生まれる。そんな未来をつくるサイクルを共につくっていければと思います。 ⇒ 特集「a Piece of Social Innovation」ミラツク×グリーンズ対談!Facebookページ

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