ISSUE まちづくり

3 years ago - 2013.09.19

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“はじめるひとの、つくるまち”って?グリーンズと日本仕事百貨が仕掛ける「リトルトーキョー」のクラウドファンドいよいよ大詰め!

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左からナカムラケンタさん、鈴木菜央、小野裕之

グリーンズと日本仕事百貨が東京・虎ノ門で進めている、「リトルトーキョー」プロジェクト。今年7月にプレオープンしてから2ヶ月が経ち、毎日たくさんの人たちがトークイベントやワークショップに参加してくれたり、バーへ遊びに来たりと、さまざまな人が集まっています。

読者のみなさんの中には、そもそも「リトルトーキョー」って何?という方や、これからどうなるの?と疑問に感じている方も多いかもしれません。

そこで今回は、greenz.jp発行人・鈴木菜央と副編集長・小野裕之が、日本仕事百貨のナカムラケンタさんとリトルトーキョーのはじまりから振り返り、今後どのような場づくりをしていきたいかについて、改めて語ってみました。

リトルトーキョーのはじまり

菜央 去年の11月に、一緒に飲んだときに「みんなで一つのビルを借りたら面白いよね」という話になったのが最初でしたね。最初はおいしい食べ物が集まる築地が候補地だったけど、なんで虎ノ門になったんでしたっけ?

ケンタ そのときちょうど、森ビルに勤めている知人に「虎ノ門に空きビルがあるから使いませんか?」と声をかけていただいたんです。

結局、その建物は借りられなくなったんだけど、せっかくだからその近くに良さそうな物件がないか探してみようと歩いていたら、この建物の前を通りかかって。

小野 偶然見つけたんですね。

ケンタ そう。もとは築50年の「蛇の目寿司」っていう老舗のお寿司屋さんだったんだけど、すごく雰囲気があって。その隣にある空き地も借りられると知り、何か面白いことができそうだなと気に入りました。

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改装前の「蛇の目寿司」

はじめるひとの、つくるまち。

菜央 コンセプトより先に場所が決まったんだね。コピーはみんなで議論して、「はじめるひとの、つくるまち」になったけど、その最初のきっかけは?

ケンタ 仕事百貨とグリーンズは、どちらも「仕事」や「マイ・プロジェクト」をテーマに据えているから、「はじめるひと」に訪れてほしいと思った。あと、「つくるまち」というのは、大阪にあるNPO「cobon」の松浦さんから聞いた「ミニ大阪」から生まれたんだよね。

小野 グリーンズでも以前紹介しましたね

ケンタ ミニ大阪は、ドイツで行われている「ミニ・ミュンヘン」がもとになっているんだけど、2年に1度、小中学生の子どもたちが夏休みの3週間を使って、自分たちで“架空の都市”を企画して運営するという取り組みです。

ハローワークみたいな場所もあるし、いろんなものを作って売ったり、大工さんになって家を建てたり、なりたい職業がなければ起業してもいい。そこにいる子どもたちは働いていると思っていないんでしょうね。「仕事」と言っても、生き生きと遊ぶように働くっていうこともあるんだなと。しかも仕事って、社会の中でもっとも大切なコミュニケーションのひとつ。

それを子どもだけに留めるのはもったいない!大人も新しい働き方が実験できる場があったら…と思いつきました。

菜央 それで「ミニ・トーキョー」ならぬ「リトルトーキョー」という名前にしたんだよね。

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ミニ大阪のようす (C)cobon

DIYでリトルトーキョーを開拓!

菜央 そんなこんなで、まだまったく工事が始まっていない5月に入居して、6月頃からプランを練ったり、建物のリノベーションをしたり、まだまだ開拓途中だけど、プレオープンまでは怒涛の日々だったね。

ケンタ 改装は本当に大変だった!古い物件なので歪んでいたり幅がちがう箇所があったりして、リノベーションはルーヴィスに依頼したのですが、百戦錬磨の彼らにでさえ「これまでで一番改装するのが大変な物件だ」と言われました。(笑)

それでも毎日少しずつ作業を進めて、寿司屋だった建物はカウンターとか全部取っ払って空っぽにして、壁を抜いたら水道管を破裂させたことも(笑)。あと奥にカフェ兼バーをつくったり、トイレを設置したり、壁を塗ったり。

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空き地はまず地面を掘り起こすところから始めて、小屋を2つセルフビルドして、デッキもつくって…もう本当に予想を超える大変さでした。

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完成した小屋を囲んで、ボランティアで手伝ってくれた”開拓者”たちと

小野 ボランティアでたくさんの人たちにも手伝ってもらいましたね。

ケンタ 本当に感謝してます。「業者に頼んだらいいのでは?」と言われることもあるのですが、コストがすごくかかるし、それにお金以上に、みんなでつくる過程を共有した空間はオープンと同時に陳腐化されるような気がしたんです。

菜央 自分たちでつくったものは愛着が持てますよね。

ケンタ そうなんです。マーケティング・リサーチして出てきたものに予算をかけて形にするよりも、そこにいる人たちが地に足をつけてそこで楽しんでいる方がいいなと思って。

本気で楽しんでいたら見ている人も楽しんでくれるし、すっごく大変だったけどやってよかったと思います。



こうしてつくられたリトルトーキョーは、全部で3つの場所に分かれています。簡単にご紹介しましょう。

・ダウンタウン

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ここではイベントやワークショップを平日の夜に毎日開催しています。イベントには最大20〜30人が参加できますが、プレオープニングパーティには70人以上の方が集まり大賑わいでした。

奥にはコーヒースタンド(12:00〜18:00)兼バー(19:00〜23:00)があります。すでに営業していて、ふらりと来て飲みにいらっしゃる方も。

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・グリーンビレッジ

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小屋が二つあり、本、グッズなどを売る販売コーナーとギャラリーになる予定です。地面には、都電で使用していた枕木を並べました。

・シティ

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現在は準備室として使用していますが、今後はミーティングやワークショップにも利用予定。ちなみに写真はこちらのプロモーションビデオ撮影時の様子です。メンバーそれぞれが、やってみたい職業に扮してみました。

リトルトーキョーのこれから

小野 ひと通り場所はできたけど、10月のグランドオープンに向けて、まだまだ完成には遠いですね。

ケンタ 箱としてはとりあえずできたけれど、イベントスペースの空調がひとつ故障してたり、バーにそもそも空調が入ってなかったり、プロジェクターとスクリーンの設置ができていなかったり、トイレの照明もまだだし…。見積もりを取ったら、業務用の空調が高くて、びっくりしましたよ。

そんなわけで、これからの部分もたくさんあるんですが、建物がゆがんでいたりシロアリに食われていたりして、これまでのリノベーションが予想よりもコストがかかってしまっていることもあって、クラウドファンディングがんばらなきゃ、マズイぞ、と(笑)。

菜央 読者のみなさん、どうぞよろしくお願いします(笑)!

あと空き地も、「グリーンビレッジ」って呼んでいるけどまだ全然グリーンがないんだよね(笑)もっと植物を育てて、ハーブとかそのまま採ってカフェで料理してもらったりできたらいいな。

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現在のグリーンビレッジ。右壁のゴーヤは元気に育っていますが地面は寂しい…。

小野 仕組みの面で言うと、“市民制度”もこれからですよね。直接民主制をやろうという話も出ていて、楽しみにしています。

ケンタ 市長選挙はやりたいですね。自分が住んでいる町でも区長は遠い感じがするので、もっと政治が身近になるきっかけになったらいいなと思います。

菜央 「せんきょキャンプ」をやっていると、自分の暮らしをつくることに、本当はみんな興味があるんだなあ、と実感する。政治や仕組みは、本来は自分たちの暮らしを幸せにするためにあるはず。でもそれができてないから、ここでやってみたいですね。

小野 リトルトーキョーで実験していることが実生活にフィードバックできるといいですね。可能性を上げていくというか。

ケンタ そうだね。現実逃避する場所になってもよくないと思っていて。だから主体的にもう一歩動きたいという人にはピッタリだと思います。

菜央 そうした人たちが、新しい肩書きの集大成を披露する学園祭みたいなのもやりたいですね。

ケンタ いいですね!実際にやってみることで感触を得る機会は大切なこと。頭で考えるのと感触を得るのは全然ちがうからね。

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”市民”説明会の様子

生きるように、はたらこう

ケンタ この前、コミュニティデザイナーの山崎亮さんと話したときに「3000人くらいの村はみんなの顔が見えるけど、3000人が入居するビルではお互いに共有できない」という話を聞きました。

ビルは外と仕事をしているけど、村は中でつながっている。リトルトーキョーでも、横のつながりができていくといいなと思っています。

小野 リトルトーキョーがきっかけで結婚する人も出てきそうですね。

菜央 確かに、矢印がはっきりしている人って魅力的だし友人関係も広がりますよね。人間の人生も豊かに転がっていく。そんな場所になったら嬉しいです。

ケンタ あとリトルトーキョーがきっかけで、よりよい縁が生まれたら嬉しいですね。例えば近所にオフィスをかまえたり引越してきたりとか。

みんな、何か思うところあればやってみたらいいと思う。リトルトーキョーはそれが実現できる場所だから。リトルトーキョーには多様な人が集まってくるから、来るだけでもいい予感がしてくるかもしれないし。

菜央 「仕事」だけを切り出して転換しようとしがちだけど、変えるなら、暮らしとかお金との関わりとか全体もシフトしないとうまくいかないと思います。

小野 仕事っていうのは全体を見つめ直す最初のきっかけなのかもしれないですね。

ケンタ うん、仕事と暮らしは切っても切れない。一部を切り出して「こうするとあなたは成功します!」というような方法論を伝えるんじゃなくて、生き方、働き方、そしてあり方なんかがじんわり共有できる場にしたいです。

菜央 それが、「生きるように仕事をする」ってことですよね。みんなにとって、新しい人生が始まるきっかけになるといいですね!

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(鼎談ここまで)


働き方が多様化してきている今、改めて仕事と暮らしについて考え、そして実践してみてはいかがでしょうか。

リトルトーキョーはいよいよ10月12日(土)にグランドオープン予定です。”市民”も同日から募集しますので、興味のある方はウェブサイトFacebookページをぜひチェックしてみてくださいね!

イベントやカフェ・バーに遊びに来ませんか?
リトルトーキョー ウェブサイト

writer ライターリスト

Kimura Eri

greenz ライター ライター&エディター。 働き方や暮らし方にまつわる、一人ひとりの物語に興味があります。 http://kmreri.tumblr.com

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