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ロンドン発の旬なマイプロを紹介! ”ホームレス社長”が出会ったチェンジメーカーたち [MYPRO LONDON]

ロンドンの「ホームレス社長」こと、藤本太一(タイチ)さん
ロンドンの「ホームレス社長」こと、藤本太一(タイチ)さん

ロンドンでコラボレーション事業を行う「Happiness Architect」代表のタイチさんが実践する、150日間家を持たない生活をしながらチェンジメーカー500人と友達になる「ホームレス社長」。チェンジメーカーとの出会いを紹介していきます。

「ホームレス社長」を始めてから90日が経ち、さまざまなたチェンジメーカーと出会ったタイチさん。その中でも特にグリーンズ読者に伝えたい3名をピックアップしてもらいました。ロンドン発の旬なマイプロを、タイチさんを通して覗いてみましょう。

少ないお金で豊かに生きるアイデア集「LIVING BIG ON LESS」

ドキュメンタリー『Living Without Money』映画監督のライン・ハルヴォシェンさん(Photo by Taichi Fujimoto)
ドキュメンタリー『Living Without Money』映画監督のライン・ハルヴォシェンさん(Photo by Taichi Fujimoto)

一番に名前が挙がったのは、ノルウェー出身の映画監督であるLine Halvorsen(ライン・ハルヴォシェンさん)。タイチさんの現在の活動にも絶大な影響を与えた、世界中で支持を集めるドキュメンタリー『Living Without Money』を手がけたのは彼女です。

この映画は、2010年にノルウェー・イタリアで製作された、14年間お金を使わずに生きる68歳のドイツ人女性、Heidemarie Schwermer(ハイデマリー・シュヴェルマーさん)の日々を追った作品です。

14年間お金を使わずに生きる68歳のドイツ人女性の姿を撮影した『Living Without Money』
14年間お金を使わずに生きる68歳のドイツ人女性の姿を撮影した『Living Without Money』

ハイデマリーさんは2人の子どもを育て終えたあと、家も持ち物も捨て、バックパックひとつで旅立ちました。そして、金銭を介す代わりに、お互いのしてほしいことをギブアンドテイクする新しいライフスタイルを実践しました。

彼女の生き方と哲学はラインさんの手でスクリーンに瑞々しく描かれ、これまでに30カ国300以上もの映画館で上映され、多くの人に影響を与えています。

タイチさんは今回のラインさんとの会見にて、ラインさんご自身もハイデマリーさんの生き方に影響を受け、お金を使わない生活を始めたことを知ります。しかしながら、新作映画の製作などには、どうしてもお金が必要だったそう。

そこで現在は、リサイクルやバーター、シェアリングといった、なるべくお金を使わずに豊かに生きるアイデアを集め、実践しているそう。ラインさんがそれらのアイデアを発信しているウェブサイト「LIVING BIG ON LESS」も教えてもらいました。

少ないお金で豊かに生きるアイデア集「LIVING BIG ON LESS」
少ないお金で豊かに生きるアイデア集「LIVING BIG ON LESS」

「LIVING BIG ON LESS」には、ホリデーに家を交換し合う、狭いアパートの中でも野菜を育てるといった、新しくてシンプルなアイデアが満載です。現在の仕事や生活を続けながらでも取り入れられそうですね。「ホームレス社長」もフィーチャーしてもらえたそうです!

クリエイティビティでロンドンを再生する「CLEAR VILLAGE」

都市再生事業を行うチャリティー団体「CLEAR VILLAGE」マネージャーのアリス・ホルムバーグさん(Photo by Taichi Fujimoto)
都市再生事業を行う「CLEAR VILLAGE」マネージャーのアリス・ホルムバーグさん(Photo by Taichi Fujimoto)

次に紹介するのは、ロンドンをベースに都市再生事業を行うチャリティー団体「CLEAR VILLAGE」のプログラムマネージャーである、Alice Holmberg(アリス・ホルムバーグ)さんです。

「CLEAR VILLAGE」は、過度な産業化とデジタル化が進んだロンドンのような大都市を、隣人や家族とのつながりを感じられるコミュニティとしての村(ヴィレッジ)に再構築するために、数々のクリエイティブな手法を打ち出しているチャリティー団体です。

例えば、市町村とのコラボレーションで行っている「Small Works」は、地域の社会起業家と住民、スペース提供者をつなげて、社会起業家のアイデアをローコストに実現をさせながら、地域のつながりをつくるための取り組みです。

地域の社会起業家、スペース提供者、住民をつなげる「Small Works」地域の社会起業家、スペース提供者、住民をつなげる「Small Works」

かつて大学では都市デザインを学んだタイチさん。当時、理想の未来都市をつくるために建築について学んでいましたが、建築などのハード面だけでなくソフト面、つまりなかに住む人のコミュニティから変えていかなければならないのではないかと考えるようになりました。

その構想が、後にタイチさんのコラボレーション事業「Happiness Architect」につながっていきましたが、都市のコミュニティ再構築を行う「CLEAR VILLAGE」の活動にも共感する点が多いようです。

海外一人旅で見つける「わたし」と「しごと」

フリーランスデザイナーのカトリーナ・ワイトさん(Photo by Taichi Fujimoto)
フリーランスデザイナーのカトリーナ・ワイトさん(Photo by Taichi Fujimoto)

最後に、タイチさんが私たちにより身近な存在として紹介したいというのが、フリーランスデザイナーのKatrina Wight(カトリーナ・ワイト)さんです。

カトリーナさんは、ロンドンの大手テキスタイル会社を退職し、世界一人旅から帰ってきたばかり。タイチさんとの出会いは、「Happiness Architect」がロンドンで開催している、自分のプロジェクトを立ち上げたい人が、背景にあるストーリーを語り合うイベント「Early Starters Coffee」に参加してくれたことがきっかけでした。

「Happiness Architect」がHub Islingtonで開催しているストーリーテリング朝会「Early Starters Coffee」
HUB Islingtonで開催されているストーリーテリング朝会「Early Starters Coffee」

カトリーナさんは自分のデザインレーベルを立ち上げる準備の真っ最中。かつて会社で学んだこと、日々の葛藤、海外を半年間かけて旅をしながら、自分の心のなかをじっくり見つめたこと、そして現在の心境を、期待と心配を交えて語ってくれました。

タイチさん自身も、葛藤を越えてロンドンに飛び出してきたことが、今の自分らしい仕事と生活をつくるきっかけでした。海外一人旅は、マイプロを始めるベストプラクティスのひとつなのかもしれませんね。

ほかにも、タイチさんがこれまで出会ったチェンジメーカーたちについては、ブログに紹介が随時アップされています。これからタイチさんが出会うチェンジメーカーのお話には、みなさんと似た問題意識への新たなアプローチや、今まで気が付かなかった視点が隠されているかもしれません。今後も要チェックです!