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「みどり荘」が「みどりソーラー」に? コワーキングスペースを太陽光でまかなう実験への参加者求む!

見事にみどりに覆われたみどり荘見事にみどりに覆われたみどり荘

わたしたち電力」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクトです。エネルギーを減らしたりつくったりすることで生まれる幸せが広がって、「再生可能エネルギー」がみんなの“文化”になることを目指しています。

自然エネルギーで完全オフグリッドのオフィス。greenz.jp読者にはそんなオフィスで働きたいと思う人も多いでしょう。しかし、個人宅ならともかく、会社のオフィスでそれを実現したという話は聞いたことがありません。

以前グリーンズでも取り上げた、目黒区青葉台のコワーキングスペース「みどり荘」がその壮大な夢に向けた第一歩を踏み出そうとしています。しかもその資金はクラウドファンディングで集めます。

果たして本当にそんなことができるのか、オフィスの未来を見定める実験にぜひご参加ください。


リフォーム途中で放棄されていたマンションを自分たちの手でリノベーションしてコワーキングスペースとして昨年オープンしたみどり荘。オープン前からエネルギーの自給も考えたものの、コストやオフィスとしての信頼性の観点から断念、しかしその夢は捨てず、いつか実現しようという目標として持ち続けています。

それを実現するための第一歩として、フリーワークスペース10席分の電力をソーラーで賄おうというのが今回の計画ですが、この計画が動き出す要因となったのはそんな「夢」に加えて、1年間みどり荘を運営してきて見えてきた「現実」でした。

まずはそのあたりを、みどり荘を運営する小柴美保さん(以下、小柴)とみどり荘メンバーで企画協力として関わるNKDFの清田直博さん(以下、清田)に聞きました。

小柴美保さんと清田直博さん小柴美保さんと清田直博さん

なぜ、オフィスでソーラーなのか

小柴: みどり荘はマンションを改装したもので1フロアあたりの契約アンペア数が60Aしかないので、冬場に暖房を入れるとブレーカーが落ちてしまうということがあって。それはオフィスとしては致命傷なので、小さなUPS(無停電電源装置)を入れたりもしたんですが、根本的なところから解決する必要がありました。

もちろんアンペア数を増やすことは簡単なんですが、ただ足りないから増やすっていうやり方でいいのかなという疑問をもったんです。どうやって作られているかもわからない電気を何も考えずに使ってていいのかなって。

清田: みどり荘の企画をはじめたが震災の直後だったというのもあって、エネルギーを自給したいというのは以前からありました。日本でもクラウドファウンディングが普及しつつあるし、いまがその機会なんじゃないかということになったんです。

小柴: みどり荘が出来た時からオフグリッドにしたいというのはあったんですが、コストの問題があってできずにいて、そんな時にグリーンズで藤野電力の記事を見て、これならできるかなと思って、小田嶋さんにお話を聞いたんです。小田嶋さんのオフグリッドなオフィス環境を参考にすれば、フリーアドレスのワークスペース10席分ならソーラーでまかなえるんじゃないかということになりました。

清田: 今のみどり荘全ての電力使用量を賄おうとすると屋上全部ソーラーパネルで埋まってしまう。そこで、まずは800whのパネル4枚をベランダに設置して、蓄電能力が4800whのバッテリーと組み合わせるシステムを組むことになりました。

小柴: それと、みどり荘メンバーの意識改革もしたいと思っています。電力使用量が見えるプログラムをメンバーのHIVEさん作ってもらって、発電量と使用量をPC上で可視化することで、目に見えない電気がどう使われているかを見えるようにしたいですね。ここは働く場ですが、働くということは生きることの一部で、エネルギーも生きることに密接につながっている。なので、働くことの一部としてエネルギーについて考えるということもこれからは必要なんじゃないかと思うんです。

ソーラー化される予定のフリーアドレススペース ソーラー化される予定のフリーアドレススペース

なぜ、クラウドファンディングなのか

小柴: 1つは、こういうオフィスでの取り組みを知っていただきたいこと、一緒に考えて行きたいということ。2つめは、 大きな投資がまだ出来ないということもありますが、クラウドファンディング自体に興味があったというのもあります。

カフェをやっている友だちが自分の店を持ちたいって言っていたんですが、アメリカでそんな話をすると、「キックスターターでお金集めればいいじゃん」っていう感覚みたいで、日本でこういう取り組みを提案したらどういう動きが起きるのかなって。

清田: 僕、個人的にはまだ疑ってるんですよ、ネットの力を。どうせクリックしてくれるだけでしょ、みたいな。だからそれをちょっと確かめたいというのもありますね。「こういうことやってみませんか」って見せてみて、どんなリアルな反応が返ってくるのか見てみたいんです。

小柴: オルタナティブを自分たちで実践して見せるということは重要だと思います。それで共感して自分もやってみたいと思ってくれる人が出てくればいい。あとは、そもそもこの活動を通して自分たちが勉強したいというのもありますね。出資してくれた方たちと勉強会を開いて、学んで、一緒に実験して行きましょうというスタンスなんです。

清田: そうですね。一緒に勉強しましょうよ、一緒にやってみましょうよっていうスタンスですよね。お金を集めるだけなら友達や親戚に頭下げて回ればいい。でも、やっぱりクラウドファンディングをやるなら、同じ問題意識を持った仲間を集めたいですよね。

小柴: やるかやらないか迷いました。なぜかというと、これがあくまで自分たちのためにやることだからなんです。でもそうやって一緒にやる仲間を集める感覚ならいいのかなと思ったんです。だからリワードも体感できるもの、面白いものが何かないか考えました。

ソーラーパネル設置予定地になったリフォームが済んでいないベランダ ソーラーパネル設置予定地になったリフォームが済んでいないベランダ

リワードについて

小柴: このプロジェクトが成功したら、成果のひとつは発電された電気ですけど、電気って人に上げられそうでなかなか上げられないんですよね。だから、ソーラーで作った電気で充電したエネループを贈るっていうリワードを設定しました。なんかシュールでいいなと思って。あとは、ソーラー電力で動くオフィスを体感できるという使用券とか、勉強会やワークショップに参加してもらうというものにしました。

清田: 勉強会やワークショップに参加してもらって、まず行動を始めてもらえればいいなと思います。あとは、パネルとバッテリーの命名権というのも作りました。「○○さん今100ワット」みたいに擬人化してみどり荘のホームページに載せたら面白いかなと思って。愛着も湧くし、かわいくないですか?

小柴: 実際のソーラー発電システムを作るのも、藤野電力の方に来てもらって、ワークショップ形式で、出資者の方に参加してもらってやろうと考えています。実際に出来たものを持ち帰れなくても、ワークショップに参加するだけでも勉強になるし、そういう方も多いようなので、ぜひ参加していただきたいです。

と、まずは今回の試みについてお話をうかがいました。さらに、作った電気を使って何をしたいのか、さらに次のステップとして何を計画しているのかなども聞いて来ましたが、それは次回お届けします。

「スモールオフィスやシェアオフィスでエネルギーについて考える切っ掛けを作りたい」と言うお二人。「アンペアとかワットとかがそもそも分からない」「うちのオフィスでも発電できるんだろうか」など興味がある方は、まずクラウドファンディングページにアクセスしてみてください。

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