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ケネディ大統領の秘密会議に出席!?キューバ危機を体感するデジタルコンテンツ「Clouds over Cuba」 [Cannes Lions2013]

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今年で60周年を迎えた世界最大のクリエイティブの祭典「カンヌライオンズ・国際クリエイティビティ・フェスティバル」。greenz.jpでは、たくさんの受賞作の中から、ソーシャルグッドなアイデアが光る施策を厳選してご紹介します。

まず最初にご紹介する「Clouds over Cuba」は、キューバ危機が起こってから50年経ったことを機に、核戦争の恐ろしさと、対話によりその危機を避けることができたという事実を伝えるためにつくられたデジタルコンテンツです。

コンテンツの中心になるのは、キューバでカストロが政権をとった1959年から、核ミサイルが取り除かれる1962年までのドキュメンタリー映像。そして、歴史的な事実をリアルに感じさせるために、ある工夫が施されました。

iCalやGoogleカレンダーを同期させることで、自分のスケジュール内に50年前にケネディ大統領が臨んだ秘密会議を組み込むことができるようにしたのです。そうすることで、手紙やメモを受け取ったり会議に参加したりするなど、核戦争を回避した13日間をリアルに疑似体験できるような仕掛けをつくりました。

さらに、キューバ危機を回避することができず、核戦争に突入した「もしも」の2012年を描いたショートフィルムを制作。図書館に眠っている膨大な歴史的資料を、現代に生きる人たちに響くよう、デジタルコンテンツとして編集し直し、新たな物語を構築したんですね。

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いま日本では衆参両院で圧倒的な議席を得た自民党が改憲の動きを進めつつあります。その一方で、戦前、戦中の記憶を持つ人たちの声が失われつつあります。悲しい歴史を繰り返さないためにも、若い人たちに届く方法で情報を伝えていくことが大切だと思わされる事例でした。

カンヌ・ライオンズ2013の連載はまだまだ続きます。
引き続き、お楽しみに!

(翻訳協力:モリジュンヤ