ISSUE ☆日本と世界のソーシャルデザイン

3 years ago - 2013.08.04

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ライフネット生命・出口治明さん&糸井重里事務所・篠田真貴子さんが選ぶ、”未来の仕事”を考える一冊とは? [イベントレポート]

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イベントの最後、本が次の持ち主へと受け渡された様子

英治出版とgreenz.jpが共催する、本を受け渡すイベント「Pass the Book」。その第4回となるイベントが7月17日に開催されました。

「Pass the Book」とは、(1)各界でご活躍の方に、人生を変えた”大切な一冊”についての思いを「シェア」してもらい(2)語り尽くした後には、語り手と参加者で自由に対話する時間をつくり(3)参加者から語り手へ、”受け継ぎたい本”への思いを手紙でぶつけてもらい(4)最後に、語り手の方が思いを込めて参加者の一人に「パス!(受け渡し)」するという、本を次の持ち主へと受け継いでいくイベントです。

今回のテーマは、未来の仕事を考える一冊

今回、本の”渡し手”になっていただいたのは、出口治明さん(ライフネット生命株式会社CEO)と篠田真貴子さん(東京糸井重里事務所CFO)。「『未来の仕事を考える』一冊。」をテーマに、本をセレクトしていただきましたが、さすがお二人とも興味深いキャリアを持つ方々。イベントでは本の内容を越えて、お二人の普段の仕事の仕方や職場での取り組みなど、刺激的なトークが繰り広げられました。

右脳と左脳を丸ごと使う×まったく新しいマインドセット

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まず篠田さんの「一冊」は、ダニエル・ピンク著の『ハイ・コンセプト――「新しいこと」を考え出す人の時代』

この本の原題は『A Whole New Mind』。これには2つ意味があると思っていて、「頭を丸ごと使う」という意味と、もう一つは「まるっきり新しいマインドセットを構築する」ということだと感じました。

この本に出会ったのは前職時代で、仕事のあり方、何をもって人生の喜びを得るのか、その価値観について混乱していた時期でした。この本を読んで、「ああ、こういう働き方がしたかったんだ」と納得でき、その後、まったく違う業界の今の仕事への転職のお話を頂いたときも、迷わず踏み出すことができました。

これからの社会を考えるポイント

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続いて、出口さんの一冊は、『2052――今後40年のグローバル予測』。未来予測の本でも特に話題を集めている本です。

先日、就活生向けの講演会に出ていたのですが、学生たちに「未来のことはわかるはずがないから、相性があえばいいんじゃないんですか」と言いました。そうしたら「とはいえ、大きい方向ぐらいは知りたいんで、もう少し参考になることを……」と言われちゃって(笑)。

この本は今から40年後の世界を予測しているのですが、内容は悲観論一色。これでもかこれでもか、というぐらい悲惨な予測ばかり。でもチェックすべきポイントはしっかりまとまっているし、「これ以上は悪くならない」と思えば、気もラクでしょう(笑)。

面白いものを見つけたら共有する

その後、お二人の思考法、伝えるということ、直感と論理についてなど、深いお話が交わされました。そんな中で、特に盛り上がったのが、篠田さんの次のお話。

糸井事務所ではコミュニケーション、つまり伝え方を大事にしています。「いい・悪い」「快・不快」など、言語化が難しい感情を、どうやって伝えて、わかり合うか。そんなとき、「いろんなことをみんなで体験をしてみる」って大切だと思うんです。

たとえば、トイレの便器に”横向き”に座ってみる。これ、ものすごく違和感があります。そういう体験をしておくと、仕事のときにも、「うーん、この気持ち悪さ、便器に横に座ったときみたいだよ」って言葉にして伝えられるでしょう(笑)

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あと、社内では「面白いものを見つけたら共有する」ことが奨励されていて、この前は「ひじきは若い海女さんが採ったもののほうが美味しい」という衝撃の内容が流れてきて。「ええっ、なんで?」って思いますよね。

これは、若い方だと、元気で息も長くて、深くまで潜っていいひじきを丁寧に見て採るから、なんだそうです。そして、先輩の海女さんが採るころには全部なくなっている、という(笑)。

理由を聞くと「なるほどー」という感じですが、「若い海女が採ったひじきはうまい」って聞くと、思わず人に言いたくなるでしょう。面白さを共有するって難しいんですけど、そんなふうにいつもお互いの感性を感じることが大事なのかなって思います。

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出口さんも「人間の複雑さを丸ごと感じることが大切」と言います。

私はいつも「喜怒哀楽には総量がある」と思っているんです。喜びと悲しみが両方あれば、プラス・マイナスゼロ、というわけではない。喜びも悲しみもそれぞれ絶対値があり、そうした感情がある人生のほうが豊かだと思います。

21世紀はものが溢れる時代、極論すれば、商品で差別化はできない時代なんです。だから、思いを伝えるしかない。物語を届けるしかないんです。そのためにもうれしいことも辛いことも含めた、たくさんの経験をしておいたほうがいい。だから旅に出て、人と会い、本を読むのです。

2冊の本を次の人へ「PASS」

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最後に、参加者の方に「それぞれの本を欲しい理由」を書いていただき、それを見たお二人に、本を渡す方を選んでいただきました。受け取った方からは「今まさに個人のことで悩んでいたので読みたい!と思いました」という感想をいただきました。新しい持ち主に渡った2冊が、新たにどんな物語を生み出すのか、楽しみですね。

次回の「Pass the Book」は9月に開催予定です。詳細が決まりましたらウェブサイトでお知らせいたします。どうぞお楽しみに!

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